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第14章 冒険者の始まりの街フォレンへ

156★フォレンに行きましょうか?

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 コウちゃんと私が会話している間、とりあえず自分の希望を言ったガッちゃんは、黙って成り行きを見ていた。
 ちなみに、コウちゃんは私の魂?と一緒に転生しているので、前世での記憶や経験も共有している。

 そのあたりの事情を知っているガッちゃんは、私達との会話に入れないと理解している為に、会話が終わるのを待っている。
 だから、ガッちゃんは、私達の会話が一応終わったのを見計らって、声を掛けてくる。
 空気の読める良い子のガッちゃんです。

 「マスター本当に 

  ティラノサウルスもどき?
  トリケラトプスもどき?
  メガロサウルスもどき?

  イグアノドンもどき?
  ギガノトサウルスもどき?
  アロサウルスもどき?

  が食べられるんですか?」

 ガッちゃんの切実にひもじいの、という雰囲気を滲ませた質問に、コウちゃんは私を振り返りにっこり笑ってから言う。

 「うん、食べられるよ
  コウちゃんは、嘘つかないよ
  ねっママ」

 「そうね
  あそこなら‥‥‥

  ガッちゃんが望んだ
  色々な恐竜もどきを
  たっぷり食べれるわね」

 ガッちゃんが、わんこそばをひょいひょい食べるがごとく、あっという間に色々な恐竜の集団を食べてしまったコトを思い出し、私はちょっとクスッと笑ってしまう。

 水晶球に封じ込まれて、異世界へと流されて? 転移? したコウちゃんの以外の子達は、あの菱形の立方体に封じられて【虚】の空間とやらに封印されていたから、完全に魔力枯渇状態だものねぇ‥‥‥。

 その上で、あの菱形水晶の封印の中で、外(【難攻不落の深淵の絶望ダンジョン】の主に、ラストステージ《狂いし神子の討伐》の神子がいる部屋周辺)を、生命力まで使って、視たりして極限状態だったのに、私が解放した瞬間に、ガッちゃんは意識を保つ為に、手のひらサイズにまで縮んだんですものねぇ。
 あそこの恐竜の群れを食べ切ってさえ、少し大きくなったかなぐらいだったし‥‥‥。

 外に出てから、ソレス・ロス・エンド村の間もちょくちょく魔物討伐して、討伐証明と魔石以外のモノほとんどを、ガッちゃんに食べさせたけど‥‥‥。
 考えて見たら、あまり大きくならなかったわねぇ~‥‥‥。

 いったい、どれだけ極限まで削って意識を保っていたのかしら?
 ガッちゃんの胃って、まるで収納制限のない異次元ポケットのようよねぇ‥‥‥。
 その後は、そこまで大規模には食べていなかったものねぇ‥‥‥。
 あの時みたいにたぁ~っぷりと食べて、満腹さんになりたいのねぇ‥‥‥。

 くすくすと笑っている私に、今度はガッちゃんがにこにこ笑いながら話しかけてくる。

 「マスター‥‥マスター‥‥‥‥
  フォレンに行ったら

  早速、魔の森に入って
  魔の山に転移出来る
  魔法陣を探しましょう」

 食意地が張っているガッちゃんが、あまりに可愛かったので、私はすぐに恐竜達がいる魔の山に入れないか?と、私よりゲームの記憶があるらしいコウちゃんに質問してみた。

 「コウちゃん、直接飛んで
  魔の山に行くことは
  出来ないのかしら?」

 恐竜という質も量も良い、お腹を満たしてくれるご飯を食べれるという、期待に溢れた視線のガッちゃんと、その愛らしい表情にくらくらしている私の視線を受けたコウちゃんは、なぜか大人っぽい表情を浮かべて苦笑する。

 「ママァ‥‥‥それ無理だよ

  ランクアップの為に
  恐竜を狩られるのは
  運営として、迷惑だから

  魔の山周辺には
  空間の歪みがあって
  空からは行けないし

  魔の山までの転移の魔法陣を
  勝手に作ったとしても
  絶対に行けないって

  攻略サイトの掲示板に
  書いてあったでしょう?

  ママってば忘れたの?

  きっとこっちのルールに
  準じたモノだと思うよ

  だから、無理」

 コウちゃんの言葉に、私はあることを思い出す。
 そう既に、課金とイベントをこなした結果、手に入れていた天使シリーズを使って、何度も空を飛んで魔の山から逃げ出そうとした過去を‥‥‥。









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