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第13章 クランの館

151★地獄の沙汰も‥‥‥もとい、どんな世界も金次第

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 「エミリ、泣かなくて良いのよ
  きちんと連絡したんだから

  それとね、お母さんは
  転生したみたいなのよ」

 私の言葉に、エミリが涙目で言う。

 「やっぱり、どんなに探しても
  色々な方法で、何度占っても

  お母さんの存在が無いって
  わかるだけだったから‥‥‥」

 私の爆弾発言に、エミリは頷いて納得したっていう顔をする。
 エミリ達クランの子供達が、私が死んだことを納得できずに、世界中を探し回っていたと知って、物凄い罪悪感がこころに浮かんできた。

 でも、思い出そうとしても、ゲーム内で死んだ覚えは無かった(死んだらリセットしてやり直していたから、ログアウトするときは、ちゃんと生きた状態だった)ので、困ってしまう。

 「ゴメンねぇ
  母さんは、何処で死んだのか?
  何が原因で死んだのか?

  まったく覚えていないのよ

  何の連絡もしないで
  保護者の居ない状態にした
  無責任な親ね」

 まさか、3度も死んで転生した記憶があるとも言えないしねぇ、この説明が妥当だと思うのよねぇ‥‥‥。
 実際、つい最近まで、覚えて無かったしね。

 「そんなコト無いよ

  クランの金庫は
  母さんと連絡が
  付かなくなったら

  俺達が触ったら
  簡単に開いたんだ」

 自嘲する私に、ハンスがさらりと答えてくれる。
 それを聞いて、ほっとする私が居る。
 地獄の沙汰も金次第って言うもの‥‥‥なんて思ってしまう。

 「そうお金の心配は
  無かったのね
  ‥‥‥良かったわ」

 「他にも、インベントリが
  組み込まれた倉庫に

  僕達用のアイテムが
  入っていたしね

  冒険者や承認として
  やっていける用意は
  されていたから
  苦労はしていないよ」

 あら、そんなコトしていたのかしら?
 わからないわ‥‥‥私以外の人が‥‥‥自衛官とか、暗殺者とかが用意していたのかしら?
 でも、備えあれば憂い無しよね。

 アイテムで補強して冒険者として、依頼を受けていたなら、それで良いとも思えるわ。

 「本当に? 辛くなかった?
  嘘付いていない?

  全員がちゃんと
  生きているの?

  騙されたり
  攫われたりして
  奴隷になってない?」

 保護者のいない子供達は、攫われて奴隷にされる危険があったから、私は真剣に聞いた。
 すると、エドガーとハンスが苦笑しながら言う。

 「「母さん、俺達は
  母さんのクランとして

  アイテムや食料を届けに
  色々なダンジョンにも
  行っていたよ

  忘れたの?」」

 ああそうだったわ。
 アイテムとかを、届けてもらう為に作ったのが、クランだったわね。
 エミリを初めとする子供達が、ゲームのキャラだと思っていたときは、どんな危険な場所に呼び足しても、何とも思わなかったけど‥‥‥。

 今は、生身の人間として目の前に居ると、つい母親として本当に心配してしまう。
 でも、それは仕方が無いわね。
 だって、私の好みの容姿に、ほったらかしにしたのに、こんなに可愛い性格に育った、私の愛する子供達なんだもの。

 さて、アバターに入って逃げる前に、食事を作って一緒に食べよう。
 せめて、母親らしいマネぐらいしなきゃね。
 そう思って、私はベッドから降りた。










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