上 下
177 / 450
第12章 エリカはポションを作ってみたい

171★朝食の時間になったので、マクルーファが迎えに来ました

しおりを挟む


 説明を面倒臭い?と投げて寄こすアルファードに、オスカーは苦笑しながら話し始める。

 「そうですね
 一応、隊ごとに予算配分していますが……

 ウチは団長や副団長の私達が
 個人で持ち出しという補正予算を
 組んだりしますので……

 そこまで隊長の個人裁量に任せていませんが
 その当たりは各騎士団の団長に任されて
 いますので、色々な対応になっていますね」

 〔そっかぁ~大貴族で資産がある人達は
 平気で大きな金額を穴埋めするんだぁ~

 でも、下級貴族とか、当主や後継者以外には
 出来ないね

 なんか騎士団に平民? 一般市民? が
 あんまりいない理由がわかった気がするな

 この当たりは国会とかで補正予算を
 組んだりする日本と違うってわかるよ〕

 エリカは、自分の常識をぽつりと口にする。

 「ふぅ~ん、パパのいた自衛隊とは
 かなり違うんだね」

 エリカのいた世界の話なので、アルファードは好奇心いっぱいのキラキラした瞳で食いついた。

 「エリカの父親の所属していた自衛隊では
 予算が足りなくなったらどうするんだ?」

 〔うっわぁ~そんなキラキラした瞳で
 見ないで欲しいわ
 他の国……それが異世界の軍?の財政や
 予算の話しは好奇心を刺激されるんだ

 でも、ゴメン、アルの好奇心を満たせるほど
 詳しい内容なんて知らないんだ
 ここは適当に言っておくしかないか?〕

 アルファードのキラキラした瞳を見て、内心で溜め息を盛大に吐き出したエリカは、誰もが知っている(ただし、ソレは識字率の高い日本限定)程度のことを言う。

 「防衛省内で、補正予算が組めれば
 イイんだけどねぇ……
 大抵は、国会に補正予算を
 組んでもらうかな?

 後は、支払いを新しい予算の出る年度初めに
 支払うって言って支払いを延ばしてもらう
 って感じだったと思う

 ゴメンね、うろ覚えで」

 スッポンもどきやエチゼンの話しからズレていくアルファードやエリカだったが、誰もそんなことを気にしていなかった。
 そんな彼らに、声をかけたのはマクルーファだった。
 なお、マクルーファやオスカー、ギデオンとレギオンは、アルファードの入室許可を得る必要が無いので、勝手に扉を開けて入って来る。

 「オスカー、団長と姫君を朝食に誘いに行く
 って言ってたのに、何時までたっても食堂に
 来ないから、迎えに来たぞ」

 その声に、オスカーは、珍しくばつの悪い顔をする。

 「マクルーファありがとう、助かりました
 姫君と団長との会話に、つい夢中になって
 しまったので……」

 エリカは、オスカーが、迎えに来てくれたのに会話に引き込んで悪いことをしたなと思い頭を下げた。

 「ごめんなさい
 せっかく迎えに来てくれたのに……」

 「悪かった
 つい、うまく説明できないと思って……」

 エリカとアルファードの謝罪に、オスカーは苦笑する。

 「いいえ、姫君との会話に好奇心を
 刺激されたのは私ですから……

 とりあえず朝食をとって、それから会話を
 再開しても良いのではないでしょうか?」

 オスカーの提案に、エリカとアルファードは頷いた。

 「じゃ、食堂に行こうか?」

 「うん。えーと、オスカーさん
 マクルーファさん、迎えに来てくれて
 ありがとう

 それと、アルバートさんと
 アーカンデイルさんの情報について
 マイケルさんが教えてくれたの……ねっアル」

 エリカに話を振られたアルファードは、マイケルに命令する。

 「マイケル、2度手間で悪いが
 後で、もう一度、説明してくれ」

 アルファードの命令に、騎士の礼をとるマイケルだった。

 「はい」

 こうして、アルファードとエリカは食堂に向かうことになったのだった。






しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

召喚されたのに、スルーされた私

ブラックベリィ
恋愛
6人の皇子様の花嫁候補として、召喚されたようなんですけど………。 地味で影が薄い私はスルーされてしまいました。 ちなみに、召喚されたのは3人。 2人は美少女な女子高生。1人は、はい、地味な私です。 ちなみに、2人は1つ上で、私はこの春に女子高生になる予定………。 春休みは、残念異世界への入り口でした。

お嬢様はお亡くなりになりました。

豆狸
恋愛
「お嬢様は……十日前にお亡くなりになりました」 「な……なにを言っている?」

番から逃げる事にしました

みん
恋愛
リュシエンヌには前世の記憶がある。 前世で人間だった彼女は、結婚を目前に控えたある日、熊族の獣人の番だと判明し、そのまま熊族の領地へ連れ去られてしまった。それからの彼女の人生は大変なもので、最期は番だった自分を恨むように生涯を閉じた。 彼女は200年後、今度は自分が豹の獣人として生まれ変わっていた。そして、そんな記憶を持ったリュシエンヌが番と出会ってしまい、そこから、色んな事に巻き込まれる事になる─と、言うお話です。 ❋相変わらずのゆるふわ設定で、メンタルも豆腐並なので、軽い気持ちで読んで下さい。 ❋独自設定有りです。 ❋他視点の話もあります。 ❋誤字脱字は気を付けていますが、あると思います。すみません。

クラスメイトの美少女と無人島に流された件

桜井正宗
青春
 修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。  高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。  どうやら、漂流して流されていたようだった。  帰ろうにも島は『無人島』。  しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。  男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?

政略より愛を選んだ結婚。~後悔は十年後にやってきた。~

つくも茄子
恋愛
幼い頃からの婚約者であった侯爵令嬢との婚約を解消して、学生時代からの恋人と結婚した王太子殿下。 政略よりも愛を選んだ生活は思っていたのとは違っていた。「お幸せに」と微笑んだ元婚約者。結婚によって去っていた側近達。愛する妻の妃教育がままならない中での出産。世継ぎの王子の誕生を望んだものの産まれたのは王女だった。妻に瓜二つの娘は可愛い。無邪気な娘は欲望のままに動く。断罪の時、全てが明らかになった。王太子の思い描いていた未来は元から無かったものだった。後悔は続く。どこから間違っていたのか。 他サイトにも公開中。

婚約破棄された私は、処刑台へ送られるそうです

秋月乃衣
恋愛
ある日システィーナは婚約者であるイデオンの王子クロードから、王宮敷地内に存在する聖堂へと呼び出される。 そこで聖女への非道な行いを咎められ、婚約破棄を言い渡された挙句投獄されることとなる。 いわれの無い罪を否定する機会すら与えられず、寒く冷たい牢の中で断頭台に登るその時を待つシスティーナだったが── 他サイト様でも掲載しております。

断罪されたので、私の過去を皆様に追体験していただきましょうか。

下菊みこと
恋愛
悪役令嬢が真実を白日の下に晒す最高の機会を得たお話。 小説家になろう様でも投稿しています。

【完結】『飯炊き女』と呼ばれている騎士団の寮母ですが、実は最高位の聖女です

葉桜鹿乃
恋愛
ルーシーが『飯炊き女』と、呼ばれてそろそろ3年が経とうとしている。 王宮内に兵舎がある王立騎士団【鷹の爪】の寮母を担っているルーシー。 孤児院の出で、働き口を探してここに配置された事になっているが、実はこの国の最も高貴な存在とされる『金剛の聖女』である。 王宮という国で一番安全な場所で、更には周囲に常に複数人の騎士が控えている場所に、本人と王族、宰相が話し合って所属することになったものの、存在を秘する為に扱いは『飯炊き女』である。 働くのは苦では無いし、顔を隠すための不細工な丸眼鏡にソバカスと眉を太くする化粧、粗末な服。これを襲いに来るような輩は男所帯の騎士団にも居ないし、聖女の力で存在感を常に薄めるようにしている。 何故このような擬態をしているかというと、隣国から聖女を狙って何者かが間者として侵入していると言われているためだ。 隣国は既に瘴気で汚れた土地が多くなり、作物もまともに育たないと聞いて、ルーシーはしばらく隣国に行ってもいいと思っているのだが、長く冷戦状態にある隣国に行かせるのは命が危ないのでは、と躊躇いを見せる国王たちをルーシーは説得する教養もなく……。 そんな折、ある日の月夜に、明日の雨を予見して変装をせずに水汲みをしている時に「見つけた」と言われて振り向いたそこにいたのは、騎士団の中でもルーシーに優しい一人の騎士だった。 ※感想の取り扱いは近況ボードを参照してください。 ※小説家になろう様でも掲載予定です。

処理中です...