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第12章 エリカはポションを作ってみたい

170★どうやら、騎士団は独立採算のようです

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 エリカは、首を傾げながらアルファードに質問する。
 
 〔なんか寵愛の聖女様って、すっごいわ
 色々と行動しているし、この国の人達に
 慕われているし……

 なんか、私も聖女候補だけど
 全然かなわないよ
 はぁ~比べないで欲しいな〕

 「寵愛の聖女様が名前を付けるまで
 その存在は認識されていなかったの?」

 エリカの内心を知らないので、アルファードはのほほんと答える。

 「う~ん、半透明の姿からスライムの
 亜種扱いだったんだ
 だから、特に調べもしなかったっていうのが
 真相かな?」

 アルファードの予想の斜め上の答えに、エリカは苦笑する。

 〔なんで、スライムとクラゲが一緒になるの?
 ここの常識って、謎が多いわね

 スライムの亜種っていう姿と寵愛の聖女様が
 つけたっていう名前から、連想されるのって
 ……やっぱり、クラゲしかないわ

 エチゼンクラゲって漁師にとっちゃぁ
 海の魔物としか言えないモノだし……

 やっぱり、寵愛の聖女様って、私達と同時期
 同年代、地域も近いとみたわ

 その時期の女子高生が聖女候補の
 ターゲットになりやすいのかな?
 厨ニ病の発症者が多いからとか……〕

 そんなコトを考えながら、エリカは自分の知っているモノを口にする。

 「それって、もしかして、白っぽい半透明で
 身体の中が見えて、丸くてひらひらと動いて
 長いヒレ? が付いていて、それには
 毒があるもの?」

 エリカの言葉に、アルファードはびっくりしてしまう。

 〔エリカってば、スッポンもどきも
 エチゼンも見たこと無いのに
 何故その姿や効能がわかるんだろう?〕

 エリカの表現するモノは、アルファードの知っているエチゼンそのものだったので、かなり驚いていた。

 「その通りだ
 エリカは、まだ、見ていないのに
 良くわかるな?」

 不思議で仕方が無いという顔をしているアルファードに、エリカは丁寧に説明する。

 「それって、私の世界にもいたから……
 エチゼンクラゲにそっくりな魔物だと思うのよ

 だから、美肌になれるコラーゲンを取れるし
 毒は加工するとポーションとして
 かなり役に立つモノだったするかな?」

 真面目な表情で話すエリカに、アルファードやオスカーは微妙な顔をする。

 〔あははは……エチゼンから採取できる
 毒が何に使われるかなんて……

 乙女なエリカには、予想が付かないよな
 まっ俺とエリカには必要の無いものだけど〕

 「当たりだ。本体には、滋養強壮、疲労回復
 美肌などの効果がある

 その他に、毒からは、副作用の無い使えば
 ほぼ100%避妊できる避妊薬が作れる
 これは、男女ともに使える便利な避妊薬なんだ

 ついでに、強烈な媚薬効果があるから
 娼館や性や快楽を楽しむ者達には
 かなりの需要がある

 使い方は、性行為をする前に局部に塗るだけで
 良いという、使い易いモノなんだ」

 〔うっわぁー……避妊薬なのに
 媚薬効果があるなんて……

 しかも、使い方がいやらしいというか?
 エロイというか?
 なんか恥ずかしいから、流しちゃお〕

 冷静な表情をむりやり作っているエリカだったが、頬は真っ赤になっていた。
 乙女にはちょっと?かなり?話題にしたくない内容だったりする。 
 だから、エリカは、媚薬とは関係ない話を振るのだった。
 もちろん、それも、エリカにはかなり興味があったことだったので。

 「ふぅ~ん。色々と有効なモノなんだ
 スッポンもどきと比べたら……
 どっちが、お金になるの?」

 ありがちなエリカの質問に、アルファードは苦笑しながら答える。 

 「スッポンもどきの方が高いよ
 エチゼンの方は安いけど
 大量に捕まえられるんだ

 安いけど、ある程度の収入がある人間なら
 買えるから、大量に売りさばけるんだ
 だから、収入はあまり変わらないと思う」

 〔アルバートさんもアーカンデイルさんも
 皇子なのに、騎士団の予算が足りなくて
 必死になって魔物狩りに走っているなんて
 なんか不憫だなぁ……

 反面、皇子だから、無制限にお金を使って
 良いってされていないってコトだよね
 各騎士団って独立採算制をとっているのかな?〕

 アルファードの説明に、エリカはこくこくと頷くのだった。

 「アル、騎士団って、独立採算制を
 とっているの?」

 エリカの問い掛けに、アルファードはうまく説明する自信が無かったので、困ったときのオスカー頼みをするのだった。

 「ああそうだよ
 それと、騎士団内でも隊ごとに
 予算配分されるから……

 隊ごとに独立採算しているが正しいかな?
 オスカー」







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