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第12章 エリカはポションを作ってみたい
169★アーカンデイル様の動向もわかりました
しおりを挟むエリカの言葉に、アルファードはクスッと笑って答える。
「ああ、確かに、高値で取り引きされて
いるモノだ……
でも、基本は母親とか妻や恋人、姉や
妹などの愛する女性に贈るモノなんだ」
エリカは自分の直感をもとに、アルファードに話し掛ける。
「でも、アルバード様の騎士団は
予算が足りなくなって困っているような
気がするの……まぁただの勘なんだけど」
〔帰還予定を無視して、魔物を
追い回しているんだ
予算が尽きているって行動で言っているから
勘の良いエリカにはわかってしまうよな
ここは、きっちりと貧窮している
理由を話しておくか〕
アルファードは苦笑しながら、エリカに説明を始める。
「いや、当たりだ、エリカ
怪我人が多いので、治療費が騎士団経費を
押し上げている
怪我人が出ると、その分他の騎士達が余分に
働く為に、諸手当が経費に響くんだ
お陰で騎士達が、疲労し《魔力》と
《体力》を失って行く
それを回復する為に、やたらと食べる
必要が出て来る
だから食費がガツッンと上がるという
悪循環で、新しい予算の出る春を待てずに
補正予算が欲しいと……
年末には、申請する準備をしなきゃ
いけないと騒いでいたな」
アルファードの説明で、負のスパイラルにアルバードの騎士団が入っていることに、エリカは気が付いてしまう。
そして、つい、思っていたことを、アルファードに質問するエリカだった。
「魔法騎士団の予算は、大丈夫なの?」
心配そうな顔をしているエリカに、アルファードはにっこりと笑って答える。
「ウチは、潤沢に予算が余っているぞ
他の騎士団などから、魔物討伐の以来を受けて
その分、経費やお礼をもらっているし
魔の森や魔物の領域で、色々なモノを
取っているしな
それを色々と売りさばいたり、騎士達に
分配したりしているから
それに、怪我人の治療は、神官達に経費を
たっぷり払って面倒をみさせているし
元々、魔法騎士団は、騎士達の人数に
余裕があるから、大丈夫なんだ
この頃は、他の騎士団に、一部の隊を
貸し出しに近いコトもしている
これは、各騎士団の騎士達の疲労回復の
一環としてやっているんだ」
アルファードの説明に、エリカは独立採算制を騎士団がとっていると思い込んでしまうのだった。
「へぇ~色々とやっているんだぁ~……
だから、魔法騎士団は、騎士団のトップて
言われているんだね」
「まぁそうだな」
マイケルが、アルバードの帰還が遅れている理由を話してくれたが、アーカンデイルについては、まだ教えてもらっていないので、つい好奇心で聞いてしまったエリカだった。
「ところで、アーカンデイル様の方は
どうなっているのかな?」
エリカの質問に、マイケルはにっこり笑って答える。
「アーカンデイル様の隊にも
私の兄が入っています
こちらも情報統制の為に、水鏡通信が
使えなくなっていましたが
祖父の隠し子の叔母の嫁ぎ先の領都に
宿泊したので……
こっそりと、手紙を叔母経由で
私に届けるという方法で情報を
もらいました
親戚付き合いはまめにしておいて
損は無いと本当に思いました」
〔確か、マイケル隊長って、ギデオンさんと
レギオンさんの親友だったよね
それなりの名門貴族出身だよね
それなのに、お祖父さんの隠し子の叔母さんと
親戚付き合いをしていたんだぁ……
こっちでは、長男以外は貴族じゃなくなって
しまう法律があるのに……
隠し子を貴族に嫁がせるなんて
なんか凄いな
それに、弟であるマイケルさんが
魔法騎士団で隊長になっているのに
2人の兄はそれより格下の騎士団で
隊長にもなっていないなんて……
兄弟でも出世の格差があるんだなぁ…
そういう場合は、誰が家を継ぐんだろう?
そう言えば…オスカーさんのお兄さん達は
アルのお母さんの守護騎士をしていたっけ
兄弟って言っても色々と……〕
マイケルの発言に、色々なことをつい考えて、エリカは首を傾げてしまう。
が、口にするのは当たり障りの無い内容にする、エリカは小心者だった。
「もしかして、アーカンデイル様の隊も
特殊な食材とか、ポーションの材料になる
魔物を追いかけているのかしら?」
エリカの鋭い質問に、マイケルは苦笑してしまう。
「姫君は、流石ですね。その通りです
アーカンデイル様もある魔物を
追いかけています」
「何を追いかけているんだ?」
「エチゼンです」
そのマイケルの答えに、エリカは小首を傾げる。
〔えーとぉ…エチゼンってあのエチゼンかな?
とりあえず聞いてみよう〕
「アル、エチゼンって、なんの魔物なの?」
〔エチゼンなんて名前が付く、私達がいた
世界のモノってアレだよねぇ……
こっちでは、魔物扱いなんだ
いや、被害考えると確かに魔物ね〕
エリカの質問に、アルファードは端的に答える。
「その名前は、寵愛の聖女様が名付けたんだ」
〔あっエチゼン…ほぼ確定だわ
それまでは、どういうモノと認識されて
いたのかな?〕
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