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第12章 エリカはポションを作ってみたい

168★アルバート様の動向がわかりました

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 《魔力回復》上級ポーションの材料と《状態異常回復》最上級ポーションの材料を求めて、ドラゴニア帝国内を遠征?して、魔の森などをうろつく予定のアルファードとエリカだったが、思わぬ?忘れていた?の聖女候補と皇子や上級貴族との顔合わせパーティーの為に、予定が未定になるかもと、がっかりしていた。
 そんな所に、マイケルがにこにこしながら、団長室へとやってきた。
 軽く扉をノックしてから入室許可を求める。

 「アルバード様やアーカンデイル様の
 帰還予定が未定の理由が判りましたので
 報告にまいりました。入室許可を」

 欲しかった情報を持って来たマイケルに、アルファードが直接許可を与える。
 何時もなら、側にいるキデオンかレギオンに視線で許可を与えるのだが、よほど嬉しかったらしい。

 「許可する。さっさと入れ」

 入室を許可されたマイケルは扉を開けると騎士の礼をとる。

 「はい。失礼いたします」

 マイケルの騎士の礼に、アルファードは軽く頷くだけだった。

 「マイケル、手に入れた情報を言え」

 アルファードに即されて、マイケルは手紙の内容の一部を口にする。

 「はい、私の兄がアルバード様の隊にいます
 しかし、ここしばらく何故か兄と連絡が
 付きませんでしたが、理由がわかりました

 何故、アルバード様の隊が予定日数を
 超えて魔物の領域を調査していたか……

 その内容を、コチラ(弟の自分)に
 伝えたくても、情報統制されて
 水鏡を使えなかっようです

 それが、偶然、我が家に出入りの商人を
 見かけ、兄が私に手紙を託してくれました」

 早く情報を知りたいので、アルファードはマイケルをジーッと見ながら質問する。

 「で、どんな理由だったんだ?」

 アルファードの視線を軽く受け流してマイケルは、手紙の内容を話しだす。

 「はい、それが、産卵期を迎えて黒い身体に
 紅い水玉が浮かんでいるスッポンもどきの
 一群を見つけたそうなんです

 スッポンもどきは、陸上で集団で一斉に
 産卵するので、その時まで追い回す
 予定だそうです

 今は、紅い水玉に黄色の水玉が
 混じってきているとのことです」

 〔それでは、帰ってこれないな産卵期の特徴を
 備えた一群を見付けたのでは……
 たぶんに、聖女候補への贈り物に
 したいのだろう〕

 「そうすると、1週間以内に
 産卵時期の白い水玉が浮かぶな」

 その特徴を思い起こし、捕獲?できるだろう最短と最長の日数を考えて、アルファードに報告する。

 「はい。泉が湖か川の側で産卵するのは
 間違い無いので、とにかく見失わないように
 寵愛の聖女様が作った、無属性の追跡魔法

 【サイドワインダー】を掛けては、追いかけ
 追いかけては、魔法を掛けるという
 追跡を続けていると書いてありました

 どこで産卵するか、予想不能だと
 嘆いておりました
 ということで、アルバード様のご帰還は
 軽く1週間以上はかかると思われます」

 マイケルの報告に、アルファードはなる程と言う表情で頷く。

 〔となると、アルバードが帰還するのは
 まだ先だから、ポーションの素材採取に
 出かけても途中でパーティーの為に
 呼び戻される心配はないわけだ

 となると、あとはアーカンデイルの隊が
 帰還しても、アルバードの隊が戻らない
 限りは、帰還命令はないな〕

 「そうか、わかった
 となると、可哀想だが、産卵場所によっては
 お前の兄を含む、アルバードの小隊は
 1ヶ月は帰還が出来ないかもしれないな」

 アルファードとマイケルの会話内容に?しか浮かばないエリカは、とうとうアルファードに質問する。

 「アル、スッポンもどきって、なんなの?」

 アルファードはエリカの質問に、にっこり笑って答える。

 「エリカの世界にいるスッポンに
 良く似ているそうだ
 ただサイズは、まったく違うらしいが」

 「どのくらい違うの?」

 「小さい固体で、甲羅の直径が3メートル
 大きな固体になると、甲羅の直径が
 12メートルを超える。魔亀だ」

 アルファードの説明に、エリカは小首を傾げ、大きな亀を思い浮かべながら、なんで追い回すかを聞いてみた。

 「ガメラに近いサイズだね
 でも、騎士団の騎士達が必死で
 追いまわす価値があるの?」

 エリカの質問に、アルファードは少し苦笑いをしながら説明する。

 「滋養強壮に、精力増進は主に男だが
 女性には、美肌と若返り効果がある
 寵愛の聖女様が……

 『美味しくてコラーゲンたっぷりだから
 食べた分だけ艶々(つやつや)ぷるぷるの
 美肌になれるし、2~3歳ぐらい肌が
 若返るわね

 それに、殿方の精力増進や滋養強壮
 疲労回復、美肌効果もあるしね』

 と言ったから、神官達が色々と
 スッポンもどきの効果を調べたんだ

 その結果、確かに滋養強壮、精力増進
 美肌、若返り、疲労回復と色々な
 効果があったんだ」

 〔本当に、寵愛の聖女様って色々な意味で
 凄かったんだろうなぁ……
 いや、その時代の皇帝様の愛情の深さが
 ちょっと怖いかも……

 実際はどうだかわからないけど
 話しを聞いていると、よくあるラノベの
 ヤンデレっぽい人だったのかな?

 じゃなくて……スッポンかぁ~……
 きっと、良いお値段するんだろうなぁ~
 お母さんやお姉ちゃんなら欲しがりそう〕

 「へぇ~だったら、騎士様達が必死に
 なって追い回すのも仕方が無いわね

 あっ、もしかして、スッポンもどきって
 すっごく高く売れる食材なの?」






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