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第10章 緑の魔の森にて
137★一難去ってまた一難、今回のは厄介そうです
しおりを挟む全部を《魔倉庫》に仕舞ったエリカは、アルファードに話し掛ける。
「アル、これからは、絡みツタを見付けたら
今みたいに魔法処理して、持って帰るように
騎士様達にお願いしてもイイかな?
鰹節が大量にあるなら、アル達の好きな
お味噌汁を心置きなく作れるし……
お好み焼きに、たぁーっぷりとかけるコトも
出来るから……とにかくお料理に使いたいの」
エリカのお願いに弱いアルファードは、にこにこ笑って答える。
〔可愛いなぁエリカは、お願いって言っても
俺や騎士達に美味しいものを食べさせたい
っていう優しい思いが入っている
ここは、騎士達全員に必ず回収の命令して
大量に手に入れてやろう
エリカの作るモノを少し与えるだけで
あいつらも、せっせと絡みツタを持って
来るだろしな……〕
「そのぐらいは、簡単に命令出来るぞ
すべての騎士団に命令しておこう
持って帰って来たら、調理方法とエリカの
お菓子を与えるっていうのはどうだ?
簡単なモノでイイし、持ってきた量に
準じて色々と与えるってな」
アルファードの提案にオスカーものって言う。
〔姫君の手料理の他に、異世界のワインや
ハチミツなどを混ぜたモノを手渡すと
宣言しておけば、騎士達の他に
魔法使いや神官達、貴族達も絡みツタを
取って持ってきてくれるでしょうね
どうせ絡みツタは採っても採っても
繁殖力が旺盛な植物ですからねぇ……
だから、どんなに採取したって
無くなってしまう心配は無いですしね
それに、絡みツタを採れる《力》のある者は
決まりきっているから大丈夫でしょう〕
「そうですね…姫君からお礼として
持ってきた絡みツタの重さの分だけ
異世界のワインを混ぜたワインとか
異世界のハチミツを混ぜたハニーベリーの
蜜とかも良いと思いますよ」
エリカは、アルファードとオスカーの提案ににっこり笑って答える。
「そうですね
それだったら、お礼になりますね」
そして、エリカは一緒に魔の森に来ていた、魔法騎士団の騎士達に向かって言う。
「皆さんも持って来て下さったら
私の作ったお菓子と異世界のワインの入った
ワインをお礼に出しますので
魔物討伐のついでに、絡みツタを採って下さい
お願いします」
エリカのお願いに、その場に居た騎士達は全員でとっても良い返事をする。
「「「「「「「「「「はい、姫君
お任せください」」」」」」」」」」
魔法騎士団の騎士達も、エリカのお菓子やワインを欲しいと思っていたので、気合の入った返事になっていたのだった。
こうして、絡みツタを手に入れる方法も決まった。
機嫌の良くなったエリカ達は、また魔の森の奥へと進む。
魔の森を進みながら、エリカはサーチを使っていた。
すると、魔物?植物?という微妙な反応を感じて、エリカはアルファードに声をかける。
「アル、なんか魔物なの? という感じが
あっちの方からするんだけど?」
エリカの問い掛けに、アルファードやオスカーもその方角を見詰める。
すると、突然、蠢くツタが《転移》でもしたかのようにぽんぽんと現われるのだった。
《転移》してくるツタが、普通の植物のはずは無いということで、エリカはファイアーボールを投げつける。
が、それをツタ達はひょいひょいとかわしてしてしまう。
一方のアルファード達は、持っている剣に炎を纏わせてツタに切りかかっていた。
切られた場所は確かに燃えるのだが、それだけで類焼(るいしょう)して行くことは無かった。
その不自然な燃え方に、アルファード達は首を傾げる。
「オスカーこいつ等の燃え方がおかしいぞ
この魔の森に、こんなツタがいるって
聞いたことが無いんだが?」
アルファードの言葉に、一応はその正体を知っているオスカーが苦い表情で答える。
「滅多に現われないんですよ」
自分が知らない魔植物の存在を知るオスカーに、アルファードは再度確認するように聞く。
「オスカー、コイツを知っているのか?」
アルファードの質問に、オスカーは頷いて説明する。
「千年単位で繁殖する、特殊な植物系の
魔物だと記録にありました」
「対処方法は?」
「土、水、火、風の全属性を、交互に
叩きつけて、弱らせて細切れにすると
書いてありました
完全に弱ったら、土魔法でツタを覆って
逃げられないようにしてから
風の魔法ですべてを乾燥させて
火の魔法で燃やし尽くし
その灰を、水魔法の水球に入れて
川に流せと書いてましたね」
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