123 / 450
第9章 魔法騎士団本部にて
117★アメとムチ?
しおりを挟む婚活話しで盛り上がる?聖女候補達に、オスカーは淡々と説明を続ける。
「聖女候補の皆さんを警護する騎士達は
1日を三分割して警護を行いますので
9名~15名になります
騎士達の休日の都合もありますので
聖女候補1人に付き、18名から45名
というところですね」
聖女候補達への説明に、エリカ小首を傾げて聞く。
「オスカーさんそこまで警護する程
この国の治安は悪いんですか?」
エリカの質問に、オスカーは首を振る。
「治安というよりは、次々と湧き出る
瘴気と魔物への対抗措置です」
そう言われて、魔物討伐に借り出されていたアルファード達への補給や援護の為に駆けつけたエリカは頷く。
「あっ…魔物がいましたね
そうすると…宿泊する建物の警備も
必要になりますね…」
エリカの言葉に、オスカーは良く気が付きましたねという表情で頷いて言う。
「そうですよ
不寝番も必ず必要になりますので……」
オスカーと喋るエリカに話しかけたくて、マクルーファも口を挟む。
「それに、馬車に大勢の騎士付きでの
移動となりますので……
街道沿いの街や村などから魔物討伐を
頼まれる可能性が多々ありますから……
人数の余裕は必要なんですよ」
その説明を聞いて、エリカは一生懸命に、何が必要か、どういう行程になるかを考えて言う。
「食料や野営用の品々とかは
【魔倉庫】に入れて行くんですよね?」
エリカの確認に、オスカーが答える。
「ええそうなります
つきましては、姫君に是非協力して
欲しいコトがあります
出来なかったり、したくないことは
しなくて良いですけど……」
そう付け加えるオスカーに、エリカは小首を傾げる。
「何をすれば良いのですか?」
その言葉に、ちょっとだけ躊躇いつつも、これは必要なことと口中で唱えてから、エリカに言う。
「先ほどのウオーターボールの
【魔倉庫】もどきを、きちんとした
【魔倉庫】にして欲しいんです
聖女候補の皆さんに、もしも
騎士達とはぐれたときの為に
食料品や衣料品や医療品や寝具や
野営用の簡易天幕などを、自分で
持っていて欲しいと思いますので……
姫君…お願いしても宜しいですか?」
万が一を考えて、万全を期しても、何があるかわからない世界なので、エリカはこころよく頷く。
「確かに、その方が安心出来ますね
頑張って作ってみます
ついでに、聖女候補の私達を守る
騎士様達にも、作りたいと思います
塩水湖に行く用事がすんだら
特別ボーナスとしてあげたいと
思いますので……」
つい、パパが隣国の迷惑な密漁船などと出くわした後に、部下達に慰労をかねて、色々なモノをくれ散らかしていたことを思い出し、そう言ったのた。
か、エリカに嫌われたくないアルファードは、無理をしていないか?という心配そうな表情で言う。
「良いのか? エリカ」
アルファードの問い掛けに、にっこりと笑ってエリカは言う。
「だって、余計な仕事なんだもん
それに持っていると便利なアイテムを
あげて恩を売るのもイイと思うの
アメとムチって感じにね
だって、これからガンガン訓練をして
痛めつける予定なんでしょ?」
エリカの確認の言葉に、アルファードは魔法騎士団の団長として、全騎士団の頂点に立つ者として、大きく頷く。
「ああその予定だ」
そんなアルファードに、エリカはちょっと人の悪い微笑みを浮かべて言う。
「それじゃ訓練がムチで、貰えるアイテム
【魔倉庫】がアメってコトでイイかな?」
優しい気遣いをしてくれるエリカに、アルファードは幸せを噛み締めつつお礼を言う。
「ありがとうエリカ」
その優しい微笑みとねぎらいの言葉に、エリカは自分が必要とされる幸せを感じるのだった。
10
お気に入りに追加
2,241
あなたにおすすめの小説
その聖女、娼婦につき ~何もかもが遅すぎた~
ノ木瀬 優
恋愛
卒業パーティーにて、ライル王太子は、レイチェルに婚約破棄を突き付ける。それを受けたレイチェルは……。
「――あー、はい。もう、そういうのいいです。もうどうしようもないので」
あっけらかんとそう言い放った。実は、この国の聖女システムには、ある秘密が隠されていたのだ。
思い付きで書いてみました。全2話、本日中に完結予定です。
設定ガバガバなところもありますが、気楽に楽しんで頂けたら幸いです。
R15は保険ですので、安心してお楽しみ下さい。
王が気づいたのはあれから十年後
基本二度寝
恋愛
王太子は妃の肩を抱き、反対の手には息子の手を握る。
妃はまだ小さい娘を抱えて、夫に寄り添っていた。
仲睦まじいその王族家族の姿は、国民にも評判がよかった。
側室を取ることもなく、子に恵まれた王家。
王太子は妃を優しく見つめ、妃も王太子を愛しく見つめ返す。
王太子は今日、父から王の座を譲り受けた。
新たな国王の誕生だった。
【完結】魅了が解けたあと。
乙
恋愛
国を魔物から救った英雄。
元平民だった彼は、聖女の王女とその仲間と共に国を、民を守った。
その後、苦楽を共にした英雄と聖女は共に惹かれあい真実の愛を紡ぐ。
あれから何十年___。
仲睦まじくおしどり夫婦と言われていたが、
とうとう聖女が病で倒れてしまう。
そんな彼女をいつまも隣で支え最後まで手を握り続けた英雄。
彼女が永遠の眠りへとついた時、彼は叫声と共に表情を無くした。
それは彼女を亡くした虚しさからだったのか、それとも・・・・・
※すべての物語が都合よく魅了が暴かれるとは限らない。そんなお話。
______________________
少し回りくどいかも。
でも私には必要な回りくどさなので最後までお付き合い頂けると嬉しいです。
【完結】聖女を害した公爵令嬢の私は国外追放をされ宿屋で住み込み女中をしております。え、偽聖女だった? ごめんなさい知りません。
藍生蕗
恋愛
かれこれ五年ほど前、公爵令嬢だった私───オリランダは、王太子の婚約者と実家の娘の立場の両方を聖女であるメイルティン様に奪われた事を許せずに、彼女を害してしまいました。しかしそれが王太子と実家から不興を買い、私は国外追放をされてしまいます。
そうして私は自らの罪と向き合い、平民となり宿屋で住み込み女中として過ごしていたのですが……
偽聖女だった? 更にどうして偽聖女の償いを今更私がしなければならないのでしょうか? とりあえず今幸せなので帰って下さい。
※ 設定は甘めです
※ 他のサイトにも投稿しています
番から逃げる事にしました
みん
恋愛
リュシエンヌには前世の記憶がある。
前世で人間だった彼女は、結婚を目前に控えたある日、熊族の獣人の番だと判明し、そのまま熊族の領地へ連れ去られてしまった。それからの彼女の人生は大変なもので、最期は番だった自分を恨むように生涯を閉じた。
彼女は200年後、今度は自分が豹の獣人として生まれ変わっていた。そして、そんな記憶を持ったリュシエンヌが番と出会ってしまい、そこから、色んな事に巻き込まれる事になる─と、言うお話です。
❋相変わらずのゆるふわ設定で、メンタルも豆腐並なので、軽い気持ちで読んで下さい。
❋独自設定有りです。
❋他視点の話もあります。
❋誤字脱字は気を付けていますが、あると思います。すみません。
異世界召喚に巻き込まれました
ブラックベリィ
恋愛
気分転換として、巻き込まれモノも書いてみようかと………。
でも、通常の巻き込まれは、基本ぼっちが多いようなので、王子様(笑)を付けてみました。
なんか、どんどん話しがよれて、恋愛の方に傾いたので、こっちに変更ます。
王命を忘れた恋
須木 水夏
恋愛
『君はあの子よりも強いから』
そう言って貴方は私を見ることなく、この関係性を終わらせた。
強くいなければ、貴方のそばにいれなかったのに?貴方のそばにいる為に強くいたのに?
そんな痛む心を隠し。ユリアーナはただ静かに微笑むと、承知を告げた。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる