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第7章 帝都にて、それぞれの時と思い
095★寿命の違いを知りました
しおりを挟むエリカがなるほどど思っているところに、オスカーが更に言う。
「ところで、姫君、先ほどの自己紹介で
学校名と学年の話しをしていましたね
それは、どのようなコトを習うんですか?」
聖女候補達が、学校名や学年を口にしていたことを聞くオスカーに、エリカは小首をちょっと傾げてから答える。
「う~ん、ほとんど義務教育だから
あんまり違いは無いよね」
エリカがそう言えば、撫子が応じて答える。
「そうだよね…違いが出て来るのは
地方かな?」
撫子の言葉に、うんうんと百合が頷いて言う。
「ほら、都市部だと、商業高校と工業高校で
地方だと農業高校と畜産高校と漁業高校と
工業専門高校とかってあったよね」
そのやりとりを聞いていた牡丹が、疑問という感じてポツリと言う。
「こっちの学校って、どんなモノが
あるのかな?」
素朴な疑問に、エリカも確かにという表情で、オスカーへと話しを振る。
「ねぇ~オスカーさん?」
エリカから疑問を含んだ声を掛けられたオスカーは、ちょっと逡巡してから答える。
「平民がほとんどの学校と
貴族と平民が混在する学校と
ほとんどが貴族という学校があります」
その答えを聞いた蘭が、不可解そうな表情で言う。
「えっとぉー……なんか、どんな学校か
全然想像出来ないんですけど」
エリカも同感と思い、オスカーに向かって言う。
「とりあえず、平民が通う学校から
教えて欲しいです
どんな風な勉強をするとか………」
何を聞きたいか理解したオスカーは、エリカを含めた聖女候補達に、基本的なことを教える必要を感じた。
「では、異なった世界から《召還》された
聖女候補達に、このドラゴニア帝国の
平民の寿命から説明しますね」
そのオスカーのセリフに、撫子はピンと来る。
「もしかして、私達とまるっきり違う
寿命と成長スピードなのかな?」
オスカーは、正解ですという風ににっこりと笑って言う。
「その通りです
平民でも、150年から300年と
獣人としての種族の差もありますし
個人の《魔力》による差もあります
それと職業によっても、多少は寿命が
変わってしまいます」
オスカーの説明に、桔梗がびっりする。
「うっわぁー私達の倍以上生きるのぉ~」
そのセリフを聞いて、鈴蘭がちょっと嫌そうに言う。
「なんか、かなり長い間
働くことになるんだねぇ」
エリカはちょっと小首を傾げて、自分の側にいるアルファードやギデオンやレギオン、マクルーファを見てから、オスカーに向かって聞く。
「平民でそのくらいだったら
貴族とかの富裕層だったら
どのくらい寿命が延びるの?」
エリカの問いに、オスカーは淡々と説明する。
「最下層の貴族で、300年ですね
ただし、鍛錬するなら500年は生きます
それ以上の貴族は、500年から
1000年は生きます
上位貴族は、700年から2000年ほど
生きます
幅があるのは、魔物との戦いで逝く騎士達が
いるためです
それとドラゴニアン特有の病で、100年も
生きずに逝ってしまう者もいます
先代皇帝などが、これにあたります」
オスカーの説明に、エリカ達は頭の中がグラグラしていた。
自分達よりもはるかに長い寿命があり、内包する《魔力量》によって更に寿命が伸びると聞いて嫌な予感に苛まれてしまう。
その思いを代表して、エリカが質問する。
「オスカーさん
《魔力量》の多い私達は、どのぐらい
寿命があるんですか?
そして、その寿命は貴族で言うと
どの位置になりますか?」
聞かれたオスカーは、エリカをジーっと視てから、他の聖女候補達の《魔力》の流れと《魔力量》を確認する。
オスカーは、ハイエルフの血が濃い為、そういうモノを視る能力に長けているのだ。
「姫君は、団長と変わりませんよ
1000年~2000年というところでしょう
他の聖女候補の皆さんも
おおむね変わらないでしょう」
そのセリフを聞いて、牡丹が聞く。
「成長速度はどうなんですか?」
「人族とあまり変わりませんよ
ちょっと見た目が若い程度でしょう
ただし内在する《魔力量》によって
成長が止まる時点は、個体差がありますね」
オスカーの言葉に、エリカは頷いて言う。
「そう言えば………
オスカーさんとマクルーファさんは
102才でしたよね」
「ええそうですよ、姫君
私達は、寿命の尽きる20年から
10年ぐらい前から衰えます
ようするに老衰が始まります
それまでは、この姿と体力のままです
衰えを感じるまでは、現役ですね
ただし、騎士や文官として生きるほかに
領主として生きたり、神官になったり
冒険者になったりと色々な人生を送ります」
それを聞いて、撫子が思わず言う。
「長い人生なんですね」
「そうですか?
私達には、これが普通ですよ」
エリカは、そう答えるオスカーの話しが反れたことに気付く。
「ああそうですね
ところで学校について聞きたいんですが
オスカーさんいいですか?」
「ええ良いですよ」
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