419 / 450
第19章 パーティーは、まだ終わらない
413★聖女候補達は趣味嗜好が違うので、攻略者が被ることはありません
しおりを挟むオスカーに呼ばれて近付いて来たアルバードに、聖女候補達の視線が一斉に向く。
その視線に内心で大いにビビるコミュ障(適齢期の貴族令嬢など限定)のアルバードに、オスカー達は生温い視線を送ってしまう。
それに気が付いたエリカは苦笑する。
(なんとなく、アルバード様って末っ子気質の性格な気がします
ギデオンさんやレギオンさん達の闊達で明るい性格とは
相容れないような?
確か、乳母夫婦の元で大半は育ったって………
キャサリンさんも、乳母夫婦の元で育ったって………
何か、乳母夫婦の元で大半の時間を過すとダメな感じがします
だって、アルと一緒に育ったギデオンさんとレギオンさんは
コミュ障っぽいところは見当たらないもの
これって、育て方を間違ったって言うのかな?)
エリカは、思わずオスカーやマクルーファに視線を向ける。
それに答えたのはマクルーファだった。
「姫君、ギデオン様とレギオン様は虎の血統です
子殺しもメス殺しも平気でするような
それに対して団長は、豹の血統です
これだけで女性に対する態度に差が出ます」
さらりと酷いコトを言うオスカーに、エリカは突っ込みを入れる。
「でも、マクルーファさんは、ユキヒョウの血統ですよね?」
エリカの突っ込みに、爽やかに笑って答えたのは、オスカーだった。
「私とマクルーファは、大人ですよ
女性の扱いが出来ないというわけにはいきませんから………
これは、慣れですよ」
見事な力技で、エリカの突っ込みを封じてしまう。
それに、エリカは苦笑するしか無かった。
エリカ達の会話を聞いて、アルバードに好奇心でいっぱいの視線を向けるのは聖女候補の美少女達だったりする。
その視線に、アルバードは内心で逃げたいと思っている。
が、ここで逃げれば、父達の忠告と言う名前の大きなお世話が………何時までも、エンドレスで続くと思いグッと拳を握って耐えるアルバード。
そんな姿を見て乳兄弟で側近でもあるセドリック達は、内心で頑張れと声援している。
そして、聖女候補という名前の小魚の群れを狙うイルカの様な婚約者候補達は、その周りを回遊して喰らいつく隙……いやいや、話しかけるタイミングを、サメの様に狙っているのだった。
そんな中、如何にも皇子様な容姿のアルバードに、乙女ゲームは王道の王子様を攻略する派の撫子がじっと見詰めている。
王子さまよりもオジサマ好きーな牡丹は、その撫子の姿を見てにっこりと笑ってから、皇族達の席にいる皇帝アルフレッドとルーセア大公アルスラーンに視線を向ける。
その内心では………。
(団長様の父上や叔父上って、理性で理解していても
見かけは2人とも20代それも、下手をすると前半なのよねぇ~……
先代皇帝の親友っていうオスカーさんやマクルーファさんも
25歳前後なんだもの
この世界はオジサマ好きーには、切ない世界なのよね
こうなったら、オスカーさん達と同年代の団長様達の中から
夫を選ぶしかないわね
私としては、公爵が良いわね
それなら頭を下げる相手は、皇妃のキャロライン様と
聖女と認められたエリカちゃんだけになるもの
それとアルバードさんと結婚するだろう、撫子ちゃんね
こうなったら、地位と年齢と爵位で選ぶわ
どうせ相手だって、聖女の私しか必要ないんでしょうしね
ここは、割り切った関係って思うしかないわ
そのうちお互いに情が湧くでしょうしね
お父さんやお母さん達みたいに、恋愛結婚して
最初はラブラブだったのに、お互いに愛情が覚めて
ギスギスになるよりは、きっとイイもの)
10
お気に入りに追加
2,241
あなたにおすすめの小説
その聖女、娼婦につき ~何もかもが遅すぎた~
ノ木瀬 優
恋愛
卒業パーティーにて、ライル王太子は、レイチェルに婚約破棄を突き付ける。それを受けたレイチェルは……。
「――あー、はい。もう、そういうのいいです。もうどうしようもないので」
あっけらかんとそう言い放った。実は、この国の聖女システムには、ある秘密が隠されていたのだ。
思い付きで書いてみました。全2話、本日中に完結予定です。
設定ガバガバなところもありますが、気楽に楽しんで頂けたら幸いです。
R15は保険ですので、安心してお楽しみ下さい。
【完結】魅了が解けたあと。
乙
恋愛
国を魔物から救った英雄。
元平民だった彼は、聖女の王女とその仲間と共に国を、民を守った。
その後、苦楽を共にした英雄と聖女は共に惹かれあい真実の愛を紡ぐ。
あれから何十年___。
仲睦まじくおしどり夫婦と言われていたが、
とうとう聖女が病で倒れてしまう。
そんな彼女をいつまも隣で支え最後まで手を握り続けた英雄。
彼女が永遠の眠りへとついた時、彼は叫声と共に表情を無くした。
それは彼女を亡くした虚しさからだったのか、それとも・・・・・
※すべての物語が都合よく魅了が暴かれるとは限らない。そんなお話。
______________________
少し回りくどいかも。
でも私には必要な回りくどさなので最後までお付き合い頂けると嬉しいです。
【完結】聖女を害した公爵令嬢の私は国外追放をされ宿屋で住み込み女中をしております。え、偽聖女だった? ごめんなさい知りません。
藍生蕗
恋愛
かれこれ五年ほど前、公爵令嬢だった私───オリランダは、王太子の婚約者と実家の娘の立場の両方を聖女であるメイルティン様に奪われた事を許せずに、彼女を害してしまいました。しかしそれが王太子と実家から不興を買い、私は国外追放をされてしまいます。
そうして私は自らの罪と向き合い、平民となり宿屋で住み込み女中として過ごしていたのですが……
偽聖女だった? 更にどうして偽聖女の償いを今更私がしなければならないのでしょうか? とりあえず今幸せなので帰って下さい。
※ 設定は甘めです
※ 他のサイトにも投稿しています
番から逃げる事にしました
みん
恋愛
リュシエンヌには前世の記憶がある。
前世で人間だった彼女は、結婚を目前に控えたある日、熊族の獣人の番だと判明し、そのまま熊族の領地へ連れ去られてしまった。それからの彼女の人生は大変なもので、最期は番だった自分を恨むように生涯を閉じた。
彼女は200年後、今度は自分が豹の獣人として生まれ変わっていた。そして、そんな記憶を持ったリュシエンヌが番と出会ってしまい、そこから、色んな事に巻き込まれる事になる─と、言うお話です。
❋相変わらずのゆるふわ設定で、メンタルも豆腐並なので、軽い気持ちで読んで下さい。
❋独自設定有りです。
❋他視点の話もあります。
❋誤字脱字は気を付けていますが、あると思います。すみません。
異世界召喚に巻き込まれました
ブラックベリィ
恋愛
気分転換として、巻き込まれモノも書いてみようかと………。
でも、通常の巻き込まれは、基本ぼっちが多いようなので、王子様(笑)を付けてみました。
なんか、どんどん話しがよれて、恋愛の方に傾いたので、こっちに変更ます。
王命を忘れた恋
須木 水夏
恋愛
『君はあの子よりも強いから』
そう言って貴方は私を見ることなく、この関係性を終わらせた。
強くいなければ、貴方のそばにいれなかったのに?貴方のそばにいる為に強くいたのに?
そんな痛む心を隠し。ユリアーナはただ静かに微笑むと、承知を告げた。
【完結】『飯炊き女』と呼ばれている騎士団の寮母ですが、実は最高位の聖女です
葉桜鹿乃
恋愛
ルーシーが『飯炊き女』と、呼ばれてそろそろ3年が経とうとしている。
王宮内に兵舎がある王立騎士団【鷹の爪】の寮母を担っているルーシー。
孤児院の出で、働き口を探してここに配置された事になっているが、実はこの国の最も高貴な存在とされる『金剛の聖女』である。
王宮という国で一番安全な場所で、更には周囲に常に複数人の騎士が控えている場所に、本人と王族、宰相が話し合って所属することになったものの、存在を秘する為に扱いは『飯炊き女』である。
働くのは苦では無いし、顔を隠すための不細工な丸眼鏡にソバカスと眉を太くする化粧、粗末な服。これを襲いに来るような輩は男所帯の騎士団にも居ないし、聖女の力で存在感を常に薄めるようにしている。
何故このような擬態をしているかというと、隣国から聖女を狙って何者かが間者として侵入していると言われているためだ。
隣国は既に瘴気で汚れた土地が多くなり、作物もまともに育たないと聞いて、ルーシーはしばらく隣国に行ってもいいと思っているのだが、長く冷戦状態にある隣国に行かせるのは命が危ないのでは、と躊躇いを見せる国王たちをルーシーは説得する教養もなく……。
そんな折、ある日の月夜に、明日の雨を予見して変装をせずに水汲みをしている時に「見つけた」と言われて振り向いたそこにいたのは、騎士団の中でもルーシーに優しい一人の騎士だった。
※感想の取り扱いは近況ボードを参照してください。
※小説家になろう様でも掲載予定です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる