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第18章 サラディール王国にて………
397★どんよりしたところに、ジュリアスが戻ってきました
しおりを挟むそして、頷くエリカを見て、ギデオンに続けて、レギオンも遠くを見る瞳をさらして言う。
「あぁ~そうだったなぁ~俺んところも一緒だったよ
あの女は、俺になんの興味も無いから………
祖父からの俺宛の贈り物を勝手に開けて
父上に献上したり、自分で食べたり、取り巻き達や使用人達に
好き勝手に与えていたよなぁ~………
途中で、あの女が勝手なコトしているのに気が付いた祖母が
何時もは微笑んでいる為に、細くなっていた瞳をくわっと開けて
激怒していたのを覚えているよ
あれを見て、俺は祖母に逆らってはいけないってね
ついでに、祖父から………
『結婚っていうのはな
妻に逆らわないのが、夫婦円満のコツだ』
って言う祖父に、どう言えば良いんだよって思ったなぁ~
父上は、とにかく尊敬するよ
あの我が侭なシオババア込みで、7人もの妻を
コントロールしているんだからって思った,ね
皇帝になる、義兄上に思わず頭を下げたくなったなぁ~………」
それに続いて何処か遠くを見詰める瞳で、存在感の薄いアルバードが言う。
「俺は、母上の離宮じゃなくて、乳母の屋敷で育ったから
父上にそこまでの思い入れは無いなぁ~………
父上は、皇帝陛下で、実の父とは思えないしね
ただシオババアに対する怒りはガッツリとあるよ
塩を買うたびに、乳母夫婦が………
『この塩の値段が昔通りだったら、領地の道路や橋をもっと早く
修理できるし、孤児院や病院も、もっと増やせるのに』
とかって、ぶつぶつ言っていたからなぁ~
それと、たまに乳母夫婦がケンカするのを見て、7人の妻と
ケンカして押さえ込んでいる皇帝ってすっごいって思ったよ
家の中の絶対者は、乳母だったからなぁ~………
俺は、絶対に皇帝になりたくないって子供ごころに思ったよ」
エリカは、ギデオンやレギオン、アルバード達の発言で、彼らに皇帝になりたいという野心がカケラも無い理由を知った。
そして、アルファードに絶対服従している意味も………。
そんな状況のエリカ達の前に、スズメもどきになったジュリアスが戻ってきた。
その場に居た者達は思う。
これで、重た過ぎる皇帝一家の内情暴露話しから逃げられると………。
そんな彼らの思いなんぞ関係無いシードラゴンのジュリアスは、スズメもどきから一瞬で人型になる。
そして、にっこり笑ってエリカに話し掛ける。
「姫君、ただいま戻りました」
帰還の挨拶をするジュリアスに、エリカはにっこり笑ってから尋ねる。
「お帰りなさい、ジュリアス…アンジェロ皇子達は、どうでした?」
エリカの問い掛けに、ジュリアスはにこにこと笑って(=大型犬が、命令をきちんと果たして来たから褒めてとお尻尾を振っている幻影が見える)答える。
「それぞれの侍従や侍女達、それに騎士達と一緒にいましたよ
アンジェロ皇子が1番優遇されていましたね
それと、体調はいまひとつという感じでしたが
ベッドには寝ていませんでした
それと彼らは別々の階に別れていましたよ
最上階の3階にはアンジェロ皇子、2階にはアルスレイド皇子と
アルスフィア皇子がいました」
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