上 下
401 / 450
第18章 サラディール王国にて………

395★思っていた以上に、シオババアは散財していたらしい

しおりを挟む

 オスカーの説明に、エリカはこくこくと頷く。
 そして、エリカは、八代将軍(質素倹約)と尾張徳川家(贅沢)の政治姿勢を思い出した。

 (そう言えば、確か将軍の質素倹約って緊縮財政は
  江戸の経済活動の勢いを消したんだっけ………
  そして、裏地に刺繍とかの地味派手が流行したのよね

  流行は作られたけど、お金を掛けるべきところに掛けられない分
  経済萎縮になったのは事実よねぇー

  そして、尾張公の財政出動は名古屋の経済活動の勢いを上げた
  って言われていたわよね

  それと変わらないってコトなのかなぁ~………
  公共投資?公共事業?の一環と変わらないってコト?

  別の意味で、廃皇妃リリアーナは経済活動に貢献したのかな………
  でも、故国からの塩をやりたい放題に高額にして良い
  って免罪符にはならないわよね

  いやいや、そうじゃなくて………過剰な経済活動だったから
  彼女(シオババア)と、その娘(リリアンナ)が消えたら
  購買力がガタ落ちするから………それはそれで、迷惑よね

  あっ………だからなのね

  そっかぁ~だから、残った皇女を3人とも婚姻させる
  ってコトなのかぁ~………なるほどなるほど

  それと、キャロライン様と陛下の婚姻、聖女達の認定式って
  ある種のバブルをわざと作り出すのね

  すると、商人達にもわかるから、このイベントが終わったら
  経済が冷えるからって、慎重に商売するよね

  う~ん、ドラゴニア帝国ってば侮れないわね)

 エリカが、思考の海に入っていたのを知ってアルファード達は苦笑する。
 そして、エリカの意識が現実に戻ると同時に、アルファードはエリカに話し掛ける。
 それはアルファードが、何故そんな嫌がらせをするかという理由のひとつをエリカに教えるのだった。

 「あのなエリカ、実はな、塩ババアの見境の無い浪費のセイで
  父上個人の歳入は、ほとんど消えていたんだ

  だから、父上の好むような嗜好品は
  全て、俺が送っていたんだ

  この辺は、母上に聞きながらだったけどな」
 
 その発言の内容に、エリカは驚いてしまう。

 「えっぇ~………陛下ってば、そんな不自由な生活していたの?」

 (うえっ…もしかして、陛下ってば、塩ババアのセイで
  好きなモノを口にするのも諦めて、質素倹約させられていたの?

  陛下の身体衰弱って《魔力降下剤》だけじゃなかったんだ
  身体が弱ったのって《魔力》を含む高栄養を食べられなかったセイ
  それって大罪じゃないの……いったいくつ、罪を犯しているんだか
  
  なんか日本の今は亡き陛下を思い出すわぁ~
  大日本帝国って、列強って呼ばれていた国の陛下だったのに………

  戦後は贖罪の為にだけ生きていたから、遺品がもう涙が溢れるほど
  少なかったのよねぇ~私達平民以下だったって………

  そんな話しを、ひいお祖父ちゃんやひいお祖母ちゃん達から聞いて
  マジかって本気で驚いたっけ………

  それに、趣味が学術的な研究って、地味でその辺で採取できるもので
  お金が掛からないものだったなんて………

  うっ……思い出すと切なくなるわぁ…それとあんまり変わらない
  アルのお父さんって、めっちゃ苦労したんだぁ~)







しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

召喚されたのに、スルーされた私

ブラックベリィ
恋愛
6人の皇子様の花嫁候補として、召喚されたようなんですけど………。 地味で影が薄い私はスルーされてしまいました。 ちなみに、召喚されたのは3人。 2人は美少女な女子高生。1人は、はい、地味な私です。 ちなみに、2人は1つ上で、私はこの春に女子高生になる予定………。 春休みは、残念異世界への入り口でした。

お嬢様はお亡くなりになりました。

豆狸
恋愛
「お嬢様は……十日前にお亡くなりになりました」 「な……なにを言っている?」

番から逃げる事にしました

みん
恋愛
リュシエンヌには前世の記憶がある。 前世で人間だった彼女は、結婚を目前に控えたある日、熊族の獣人の番だと判明し、そのまま熊族の領地へ連れ去られてしまった。それからの彼女の人生は大変なもので、最期は番だった自分を恨むように生涯を閉じた。 彼女は200年後、今度は自分が豹の獣人として生まれ変わっていた。そして、そんな記憶を持ったリュシエンヌが番と出会ってしまい、そこから、色んな事に巻き込まれる事になる─と、言うお話です。 ❋相変わらずのゆるふわ設定で、メンタルも豆腐並なので、軽い気持ちで読んで下さい。 ❋独自設定有りです。 ❋他視点の話もあります。 ❋誤字脱字は気を付けていますが、あると思います。すみません。

クラスメイトの美少女と無人島に流された件

桜井正宗
青春
 修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。  高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。  どうやら、漂流して流されていたようだった。  帰ろうにも島は『無人島』。  しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。  男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?

政略より愛を選んだ結婚。~後悔は十年後にやってきた。~

つくも茄子
恋愛
幼い頃からの婚約者であった侯爵令嬢との婚約を解消して、学生時代からの恋人と結婚した王太子殿下。 政略よりも愛を選んだ生活は思っていたのとは違っていた。「お幸せに」と微笑んだ元婚約者。結婚によって去っていた側近達。愛する妻の妃教育がままならない中での出産。世継ぎの王子の誕生を望んだものの産まれたのは王女だった。妻に瓜二つの娘は可愛い。無邪気な娘は欲望のままに動く。断罪の時、全てが明らかになった。王太子の思い描いていた未来は元から無かったものだった。後悔は続く。どこから間違っていたのか。 他サイトにも公開中。

婚約破棄された私は、処刑台へ送られるそうです

秋月乃衣
恋愛
ある日システィーナは婚約者であるイデオンの王子クロードから、王宮敷地内に存在する聖堂へと呼び出される。 そこで聖女への非道な行いを咎められ、婚約破棄を言い渡された挙句投獄されることとなる。 いわれの無い罪を否定する機会すら与えられず、寒く冷たい牢の中で断頭台に登るその時を待つシスティーナだったが── 他サイト様でも掲載しております。

断罪されたので、私の過去を皆様に追体験していただきましょうか。

下菊みこと
恋愛
悪役令嬢が真実を白日の下に晒す最高の機会を得たお話。 小説家になろう様でも投稿しています。

【完結】『飯炊き女』と呼ばれている騎士団の寮母ですが、実は最高位の聖女です

葉桜鹿乃
恋愛
ルーシーが『飯炊き女』と、呼ばれてそろそろ3年が経とうとしている。 王宮内に兵舎がある王立騎士団【鷹の爪】の寮母を担っているルーシー。 孤児院の出で、働き口を探してここに配置された事になっているが、実はこの国の最も高貴な存在とされる『金剛の聖女』である。 王宮という国で一番安全な場所で、更には周囲に常に複数人の騎士が控えている場所に、本人と王族、宰相が話し合って所属することになったものの、存在を秘する為に扱いは『飯炊き女』である。 働くのは苦では無いし、顔を隠すための不細工な丸眼鏡にソバカスと眉を太くする化粧、粗末な服。これを襲いに来るような輩は男所帯の騎士団にも居ないし、聖女の力で存在感を常に薄めるようにしている。 何故このような擬態をしているかというと、隣国から聖女を狙って何者かが間者として侵入していると言われているためだ。 隣国は既に瘴気で汚れた土地が多くなり、作物もまともに育たないと聞いて、ルーシーはしばらく隣国に行ってもいいと思っているのだが、長く冷戦状態にある隣国に行かせるのは命が危ないのでは、と躊躇いを見せる国王たちをルーシーは説得する教養もなく……。 そんな折、ある日の月夜に、明日の雨を予見して変装をせずに水汲みをしている時に「見つけた」と言われて振り向いたそこにいたのは、騎士団の中でもルーシーに優しい一人の騎士だった。 ※感想の取り扱いは近況ボードを参照してください。 ※小説家になろう様でも掲載予定です。

処理中です...