399 / 450
第18章 サラディール王国にて………
393★どっちがタヌキでキツネでしょう
しおりを挟むアルファードが、お腹真っ黒なコトをしたと知らないエリカは、アンジェロ皇子達の情報を持ったジュリアスの帰還を待っていた。
そんなエリカに、アルファードが話し掛ける。
「エリカ、アンジェロ達を連れて帰る時に
もしも戦闘になったら、体調の悪いアンジェロは
はっきり言って足手まといだ
でも、ドラゴニア帝国の皇子を敵対国である
サラディール王国に置いて行くコトは出来ない
そこで、ジュリアスに、レオ達を連れて来てもらいたいんだ」
アルファードの言葉に、エリカは小首を傾げる。
(アルってば、廃皇妃リリアーナに対する怒りが
その祖国に向かっているだけじゃなくて
今まで、塩のセイでの不利益や不本意なコトを
させられたコトに対しての怒りも入っているよね
戦争は、国民の迷惑でしかないって理解しているから
ちょっとした嫌がらせをしたいってところかなぁ~………
アンジェロ皇子達を連れて帰還する邪魔を
サラディール王国の近衛騎士団の騎士達や
王城騎士団の騎士達にさせる気が満々ね
まぁ~レオ達が我が物顔で離宮内を歩き回れば
ついつい引っかかるおバカな侍従や騎士達
侍女や女官達が、出るはずだもの
ここは、そんなアルの思惑に乗ってあげましょう)
エリカは、内心を綺麗に隠してアルファードに聞く。
「それって、もしも戦いになったら誰かが、アンジェロ皇子を抱いて
レオ達グリフォンに騎乗するってコトよね」
(エリカは、俺達と違って当事者じゃない
だから、俺が塩ババアの他に、このサラディール王国の
国王達にも、怒りを感じているコトに気が付いていない
ここは、はっきりと伝えておいた方が良いよな)
わりと素直に自分の言葉をとらえているように見えるエリカに、アルファードはあっさりと自分の本心を告白する。
「本音を言えば、この離宮のひとつやふたつは破壊したい
ついでに、ここを警備している王城騎士団の騎士達や
近衛騎士団の騎士達の実力を知りたいんだ
ここを警備している者達は、この王国の精鋭の騎士のはずだから」
(アルってば、本音を隠しているよね
ラノベとか悪役令嬢モノでも
近衛騎士ってお飾り設定が多いもの
本当の精鋭って、辺境騎士団とか魔物討伐専門の騎士団よね
アル達は、帝都を恩居地とする魔法騎士団って
ラノベにも出でこない最強の騎士団よね
その最強の騎士達がやりたいのは、この国のメンツを潰す
っていう嫌がらせよね
戦争は、国民に負担を強いるからしたくない
って何時も言っていたんだから………
ここは、賛成しちゃおう)
「アル、近衛騎士団の騎士達や王城騎士団の騎士達が
この国の精鋭って言えないと思うよ
本当の精鋭部隊って
国境警備の騎士団や魔物討伐専門の騎士団の騎士達でしょう
アルの本音は、国王や王太子達、騎士達のメンツを
潰したいだけだよね」
10
お気に入りに追加
2,240
あなたにおすすめの小説
召喚されたのに、スルーされた私
ブラックベリィ
恋愛
6人の皇子様の花嫁候補として、召喚されたようなんですけど………。
地味で影が薄い私はスルーされてしまいました。
ちなみに、召喚されたのは3人。
2人は美少女な女子高生。1人は、はい、地味な私です。
ちなみに、2人は1つ上で、私はこの春に女子高生になる予定………。
春休みは、残念異世界への入り口でした。
番から逃げる事にしました
みん
恋愛
リュシエンヌには前世の記憶がある。
前世で人間だった彼女は、結婚を目前に控えたある日、熊族の獣人の番だと判明し、そのまま熊族の領地へ連れ去られてしまった。それからの彼女の人生は大変なもので、最期は番だった自分を恨むように生涯を閉じた。
彼女は200年後、今度は自分が豹の獣人として生まれ変わっていた。そして、そんな記憶を持ったリュシエンヌが番と出会ってしまい、そこから、色んな事に巻き込まれる事になる─と、言うお話です。
❋相変わらずのゆるふわ設定で、メンタルも豆腐並なので、軽い気持ちで読んで下さい。
❋独自設定有りです。
❋他視点の話もあります。
❋誤字脱字は気を付けていますが、あると思います。すみません。
クラスメイトの美少女と無人島に流された件
桜井正宗
青春
修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。
高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。
どうやら、漂流して流されていたようだった。
帰ろうにも島は『無人島』。
しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。
男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?
政略より愛を選んだ結婚。~後悔は十年後にやってきた。~
つくも茄子
恋愛
幼い頃からの婚約者であった侯爵令嬢との婚約を解消して、学生時代からの恋人と結婚した王太子殿下。
政略よりも愛を選んだ生活は思っていたのとは違っていた。「お幸せに」と微笑んだ元婚約者。結婚によって去っていた側近達。愛する妻の妃教育がままならない中での出産。世継ぎの王子の誕生を望んだものの産まれたのは王女だった。妻に瓜二つの娘は可愛い。無邪気な娘は欲望のままに動く。断罪の時、全てが明らかになった。王太子の思い描いていた未来は元から無かったものだった。後悔は続く。どこから間違っていたのか。
他サイトにも公開中。
婚約破棄された私は、処刑台へ送られるそうです
秋月乃衣
恋愛
ある日システィーナは婚約者であるイデオンの王子クロードから、王宮敷地内に存在する聖堂へと呼び出される。
そこで聖女への非道な行いを咎められ、婚約破棄を言い渡された挙句投獄されることとなる。
いわれの無い罪を否定する機会すら与えられず、寒く冷たい牢の中で断頭台に登るその時を待つシスティーナだったが──
他サイト様でも掲載しております。
【完結】『飯炊き女』と呼ばれている騎士団の寮母ですが、実は最高位の聖女です
葉桜鹿乃
恋愛
ルーシーが『飯炊き女』と、呼ばれてそろそろ3年が経とうとしている。
王宮内に兵舎がある王立騎士団【鷹の爪】の寮母を担っているルーシー。
孤児院の出で、働き口を探してここに配置された事になっているが、実はこの国の最も高貴な存在とされる『金剛の聖女』である。
王宮という国で一番安全な場所で、更には周囲に常に複数人の騎士が控えている場所に、本人と王族、宰相が話し合って所属することになったものの、存在を秘する為に扱いは『飯炊き女』である。
働くのは苦では無いし、顔を隠すための不細工な丸眼鏡にソバカスと眉を太くする化粧、粗末な服。これを襲いに来るような輩は男所帯の騎士団にも居ないし、聖女の力で存在感を常に薄めるようにしている。
何故このような擬態をしているかというと、隣国から聖女を狙って何者かが間者として侵入していると言われているためだ。
隣国は既に瘴気で汚れた土地が多くなり、作物もまともに育たないと聞いて、ルーシーはしばらく隣国に行ってもいいと思っているのだが、長く冷戦状態にある隣国に行かせるのは命が危ないのでは、と躊躇いを見せる国王たちをルーシーは説得する教養もなく……。
そんな折、ある日の月夜に、明日の雨を予見して変装をせずに水汲みをしている時に「見つけた」と言われて振り向いたそこにいたのは、騎士団の中でもルーシーに優しい一人の騎士だった。
※感想の取り扱いは近況ボードを参照してください。
※小説家になろう様でも掲載予定です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる