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第17章 パーティーは終焉に向かう

368★アルファードは、言っているほど妹を嫌いではない

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 そんな会話をしていると所へ、皇女キャサリンが取り巻きを連れて近付いて来た。

 「アルファードお兄様、私も皇族籍剥奪なのですか?」

 「お前の場合は、単に降嫁しただけだぞ
  母上の下に戻るとろくなコトは無いと思うぞ」

 「ああ………父上に、邪魔にされるというコトですね」

 「お前は、カンパネラ伯爵家に行くか
  マルヴィーラ伯爵家に行くか
  バルディア侯爵家に行くかの、3択だな」

 「では、マルヴィーラ伯爵家に参りますわ
  もう少し婚約を楽しみたいんですもの」

 「サルバトールとは、仲が良いのだな」

 「あら、当然ですわ

  女癖が悪い癖に、聖女様に憧れまくっているアルブレヒト様や
  騎士としてしか生きる気が無いカセロール様っていう
  問題の有り過ぎるお2人に比べると

  私を見詰めては瞳を逸らして、それでいて私の好きな宝石や花
  お菓子などをさりげなく贈って下さるサルバトール様の方が
  良い結婚相手ですわ

  何と言っても私を愛してくれていますもの」

 「あまり我がままを言って困らせるなよ」

 「あら、そんなコトしませんわ
  アルファードお兄様の所で、騎士団の財務関連の
  文官扱いになるのでしょう」

 「ああその予定で組み込んである
  通常月は、残業無しで定時で帰れるぞ
  ただし、決算期は残業ががっつりと有るのは諦めるよ」

 「その辺は、諦めますわ
  魔物討伐は、勿論ありませわよね」

 「多少は有るぞ
  文官扱いに近いとは言え、魔法騎士団の騎士が
  魔物討伐に出ないというのは、無理があるからな」

 「危険………」

 「危険が無いように、こっちで調整する
  何なら俺の魔物討伐に連れて行くから、それで諦めろ」

 「むぅ~………仕方ありませんわね」

 「あっそうですわ………聖女様の守護騎士なら………」

 「キャサリン、仮に聖女の守護騎士になれるだけの能力が
  サルバトールにあったとしても
  既にアルブレヒトがなっているからダメだ

  それに、次期カンパネラ伯爵で、商会関連の仕事にも
  手を染めているサルバトールに、その余力は無い」
 
 「………」

 「だいたいにして、聖女の守護騎士は、生涯独身を貫くか
  その任務を解かれてから婚姻を結ぶかの、2択しか無いんだぞ
  お前との婚姻の前に、一瞬だけの守護騎士に何ぞさせられるか」

 「………」

 エリカは、アルファードとキャサリンの会話を黙って聞いていた。

 そして、この場に居ない皇妃リリアーナと皇太子アンジェロの断罪の準備が刻々と整って行くのだった。










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