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第17章 パーティーは終焉に向かう
363★父親としての愛情は、スプーン一杯?
しおりを挟むそれでも皇帝は、嫌いな女が産んだ気にいらない娘でも、不幸になって欲しいとは思っていなかったから………一応のクギは刺す。
「なお、そなたらの忠義を信頼しておる故に
ブランシュの持参金も化粧領も花嫁の持参品もそのままだ
ブランシュには、何の罪も無い
大切に愛しんで欲しい、良いな」
「はい、お任せ下さい」
「ならば良い」
皇帝アルフレッドとセルデア伯爵とセルデア子爵は、皇女ブランシュの立場と今後の力関係を改めて約束したのだった。
それ故に、セルデア子爵リヒテル・アーディーは、皇女ブランシュを優しく抱きしめて、甘く優しく囁く。
「こんな場所は、貴女に相応しくない
我がセルデア伯爵家の館に下がりましょう
貴女の母君が下賜されようと
私は貴女の婚約者、いや、夫です
貴女を大切に守ります」
婚約者のセルデア子爵リヒテルの甘く誠実な言葉に、ブランシュは意識を取り戻して周りを確認する。
そして、何時の間にか自分の周りから距離を取る取り巻き達を見て、自分の立場をはっきりと自覚するのだった。
何であれ、母が公国の公王に下賜され公妃となり、姉はロマーナ王国の王太子妃となり、自身は皇族のルーセア公爵の妻となったサンディーヌとは立場が違うとブランシュは自覚したのだ。
だから、優しい言葉を告げるセルデア子爵リヒテルに素直に縋る。
その腕以外に、自分を守る腕は無いと自覚したから………。
「はい、リヒテル様」
素直に、自分をリヒテル様と呼び縋ってくるブランシュ愛しさを感じながら、セルデア子爵リヒテルは思う。
この為に、皇帝アルフレッドは、ブランシュの保護者に成りうるアルスレイド・ウォタール・ドラゴニアとアルスフィア・フィアール・ドラゴニアを、国外に出したのだと理解する。
ブランシュが、セルデア伯爵家に縋るようにする為に………色々と手を回していたと………。
ブランシュの化粧領と持参品は、既にセルデア伯爵家に送られていた。
また婚礼の衣装も、その時に周りに下賜する品々も、既に送られていたのだ。
また、数日前から密かにブランシュの衣装その他がひっそりと、セルデア伯爵家に運び込まれてもいた。
そして、この場に居ないブランシュの2人の兄皇子と仮の皇太子(シオババアが勝手に発表した息子)と残りの皇子達が、皇帝アルフレッドにとって重要な存在では無いコトに、セルデア子爵リヒテルは気が付く。
が、内心を表に出すコト無く、セルデア子爵リヒテルは言う。
「ブランシュに、このまま仕える者達以外は
近衛騎士団の本部や後宮の詰め所に
任務終了の報告に戻って下さい
今まで、ブランシュに仕えてくれて感謝します
これからは、我がセルデア伯爵家が
ブランシュを守ります、安心して下さい」
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