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第16章 そして、パーティーが始まる
351★皇帝アルフレッドは、マルガリータを下賜先へと持っていかせる
しおりを挟む「………」
その様子を見て、やっと皇帝アルフレッドの妾妃の立場を諦めたと思いギデオンは、最後通牒とも言える言葉を発する。
「貴女の下賜先を選んだのは俺です
貴女が下賜された相手は、将来有望な
財務大臣補佐官のルクセン子爵
ラッセル・ヘンリー殿です
いずれは、副財務大臣になる男ですよ
それに、お祖父様との商売にも役に立ちます
貴女は、きちんと嫡子を産んで
のんびり過ごせば良いんです」
ギデオンの噛んで含めるような言葉に、マルガリータは皇帝アルフレッドへの愛という名の執着を捨てられずに言い返す。
「私は、陛下を愛しているんです」
その妄執とも言える執着心をあらわにするマルガリータに、ギデオンは知っていながらあえて封じていた真実を告げる。
「父上は、貴女を愛していません
皇子や皇女を必要としたから
貴女を抱いていただけです
諦めなさい」
「そんな………」
キデオンの告げる内容に、精神にかなりの衝撃を受けたマルガリータは、その場に崩れ落ちる。
そして、大粒の涙を零し小さく何かを呟くだけだった。
泣き濡れたマルガリータを、軽々と抱き上げたのは、ルクセン子爵ラッセル・ヘンリーだった。
呆然としているマルガリータは抵抗もせず、黙って泣いているだけだった。
それを見たキデオンが、父である皇帝アルフレッドに話しかける。
「陛下、マルガリータは
人前に出られる状態ではありませんので
ルクセン子爵ラッセル・ヘンリー殿に
預けて休息室にて休んでも………」
「構わん、ルクセン子爵ラッセル・ヘンリーよ
そなたに、マルガリータは下賜したのだ
そのまま、屋敷に連れて帰るが良い
後宮に残っている私物は
明日からシルバーヌ男爵に運び出すように
命令してある
必要なものがあるなら
シルバーヌ男爵邸に行けば良い
そなたと、マルガリータの子を
楽しみにしておる故な」
ギデオンは、一応マルガリータの息子なので、今日は後宮に戻れるようにと休息室を使うように持って行こうとした。
が、皇帝アルフレッドは、マルガリータをさっさと処分したかったので、後宮に戻れないようにしたのだ。
後宮に戻ったら、なかなか下賜先に行こうとしないとわかっていたから………。
こうして、マルガリータは、ルクセン子爵ラッセル・ヘンリーに下賜されて、その場から連れ去られたのだった。
次にマルガリータが人前に姿を現すのは、ルクセン子爵ラッセル・ヘンリーとの結婚式の時だろう。
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