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第16章 そして、パーティーが始まる
350★ギデオン(息子)は、マルガリータ(母)の罪を指摘する
しおりを挟む「私は、陛下を愛しています
また、父から色々と取り寄せ………」
「貴女の力では無い
それは、お祖父様の力で集めたものですよ」
マルガリータの主張を鼻で嗤うキデオンだった。
それに、怒りもあらわにマルガリータは言い募ろうとする。
「それでも………」
その言葉を、ギデオンは、自分が知っている事実を淡々と暴露する。
今までは、皇帝アルフレッドの妃の数が減るコト(=皇妃リリアーナと過す時間が増える)を恐れて、言えなかった内容を口にする。
「陛下は、魔力降下剤を飲んで
貴方を抱いて俺を作りました
それなのに、貴方というひとは
妊娠して陛下のお渡りが減ったからと
もう妊娠したくないからという理由から
青薔薇を飲んでいましたよね」
ギデオンの指摘に、マルガリータは不思議そうに答える。
キャロラインを除く妃達が、全て当たり前にしている行為を何故咎めるのかわからない………。
その程度の頭しか無い女だと自分で、マルガリータは言っているようなものだった。
「キャロライン様以外は
皇妃リリアーナ様も側妃の方々も
全員が青薔薇を飲んでいたわ
これ以上皇子を生んでも
皇位継承権は無いし
皇女が生まれても嫁ぎ先が心配だからって………」
身勝手な女の論理と言葉に、キデオンは呆れ返ってしまう。
皇族としての魔力を持って生まれてくる皇子は、魔物討伐や他国との小競り合いの戦力になるというコトが、まるでわかっていないマルガリータを絞め殺しそうな表情で見詰めながら、ギデオンは説明する。
「父上は、皇帝病を患っているのに
それでも、魔力降下剤を飲んで
貴方達を抱いていたんですよ
皇位継承権が無い皇子などいらないと
貴女達は言うんですね
それは、皇帝である父上に対する裏切りですよ」
命を削る様な薬とわかっていて、魔力降下剤を皇帝アルフレッドが飲んでいたコトを知って、マルガリータは言葉に詰まる。
「そんな………」
こんな女が実の母だとは思いたくないと態度や言葉の端に滲ませて、マルガリータに説明するギデオンは、結構親切な男といえるだろう。
「俺に皇位継承権は無いけど
俺は魔法騎士団に入り皇太子である
アルファード兄上の側近をしている
いずれは、アルファード兄上が皇帝になり
アルバード兄上が魔法騎士団の団長になった時に
俺とレギオンが副団長として
補佐する予定なんです
良いですか、皇子は魔力量が多いんです
魔物討伐を基本任務とする
騎士団には必要な人間なんです
それを勝手に判断するなんて
不敬罪も良いところです」
皇族が減ったからと何人もの妃を娶った本当理由をやっと理解したマルガリータは、無言で唇を震わせながら蒼褪めた。
言い返す言葉が無かったともいえる。
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