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第16章 そして、パーティーが始まる

321★あちらこちらで、女同士の争いが勃発

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 大好きで自慢の兄アルファードを馬鹿にされた西の側妃キャロラインの娘キャサリンがカチンと来たので、怒って言い返す。

 「みんな何を言っているの

  聖女候補のエスコートは
  騎士団の団長達が

  くじ引きでするコトになったって
  陛下が言ったコトを忘れたの………

  この程度のコトも
  覚えていないなんて
  馬鹿なの」

 その言葉に、馬鹿にしたように南の側室ブリジットの娘ブランジェが悪意を込めて言う。

 「まぁ~キャロライン様は
  大好きな義兄上を庇いますの………
  私は聞きましたわよ」

 思わせぶりな言葉に、キャサリンは、ムスっとした顔で聞き返す。

 「何かしら?」

 それに対して、人の悪い笑顔を浮かべて、ブランジェは言う。

 「アルファード義兄上は

  自分より小さければ
  何でもイイと言って

  あの聖女候補を自ら
  エスコートするコトにしたって………」

 「あらぁ~…それでは
  あの不細工が堕ちたら

  きっと、アルファード様が
  通いますのね」

 ブランジェの取り巻きが、口元を扇で隠して馬鹿にしたように言う。
 それに、怒り過ぎて、言葉が出ないキャサリンは黙ってしまう。

 「………」

 「何時までも
  子供のままで成長できない…

  出来そこないのバケモノ皇子の
  義兄上は、不細工な………」

 キャサリンが黙っていたので、更にアルファードの悪口を言うブランジェの言葉を途中でぶった切りキャサリンが、怒りを込めて言う。

 「五月蝿いわね
  貴女達の婚約者は

  魔法騎士団にも入れない
  ただの伯爵のくせに………

  魔法騎士団の団長であるお兄様に
  なんて不敬なコトを言うのよ

  身の程をわきまえなさい」

 その発言に、ブランジェは、怒りで頬を赤く染めて言い返す。

 「なんですって
  私の母は南の側室よ」

 ブランジェに、呆れたようにキャサリンが言う。
 怒りで言葉使いが、かなり皇女としてはいかかなものか、という状態になっているのは仕方が無いと言える。

 「ふざけるんじゃないわよ

  あんたの母親は、伯爵家の女で
  南の側妃なのよ

  西の側妃で侯爵家の姫の母の方が
  上なのよ」

 対するブランジェも理性が消えて、その辺の庶民並みな言葉で言い捨てる。

 「はぁ~第2夫人の娘でしょ」

 それに、怒りまくったキャサリンが言い返す。

 「なんですってぇ~………」

 2人の争いを、心底から馬鹿にしたように、サンディーヌが言う。

 「あらあら…
  はしたないものよのぉ~

  これだから
  下賤な側妃から生まれた皇女は
  ダメなのじゃ………」

 1番年下のサンディーヌの気取った言い方に、カチンとしたキャサリンが見下げるように言う。

 「なにを気取ってって
  バハアくさい言い方を
  しているのかしら

  貴女の兄は
  この場に入れない程

  騎士団で低い地位しか
  持っていないっていうのにねぇ~

  だから、居なくても良いって
  国外に出されたのにねぇ~………

  聖女候補と知り合う価値も
  無いってね」

 キャサリンの的確な嫌がらせに、サンディーヌも頬を赤く染めて怒る。
 このパーティー会場に、サンディーヌの兄であるアーカンディルが、居ないのは確かなコトだったから………。

 「なんじゃとぉ~我が兄上は
  皇位継承権第2位じゃ

  それに、姉上がロマーナ王国の
  王太子妃になる為に………」

 サンディーヌの発言を、また、途中で切ってキャサリンが、さも馬鹿にしたように言う。

 「あらまぁ~頭がお花畑ですコト
  歴史の時間はきっと眠っていたのね

  皇太子は、銀髪紫紺瞳で
  魔法騎士団の団長をしていないと
  いけないのよ

  そして、陛下は銀髪紫紺瞳よ」

 「お主こそ、あほうじゃのぉ~

  皇妃の息子が皇太子になるのじゃ…

  いずれあの他国者は
  母上の地位と交換される

  母上が皇妃となり
  兄上が皇太子になるのじゃ」










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