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第15章 まずは小姑を片付けないと………

307★聖女の言葉は絶対です………が、エリカはそれを知りません

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 考えのまとまったエリカが言う。

 「ジュリアス
  それは、貴方の【魔倉庫】に入れてね

  そのまま人の姿で一緒に来て欲しいの

  友達にも紹介したいから、良いかな?」

 「はい」

 「ジュリアス、ありがとう」

 エリカはアルファードを見て言う。

 「アル、帰りましょう
  お塩もお魚も
  手にはいったんだから………

  帰ったらお塩やお魚をみんなに
  お土産として分けてあげましょう

  きっと喜ぶと思うの

  ついでに、今日、獲った魚介類で
  バーベキューをしましょうね

  ちょっと不気味っぽい
  見た目のモノもあるけど
  どれも美味しいからね」

 エリカの言う通り、塩を作る時に獲った魚介類は、確かに不気味なモノが多々あった。
 が、それについて、アルファード達は、何も言うつもりは無かったのだ。

 歴代の聖女が、彼らに聖女の言うコトは絶対で、逆らってはならないと教え込んでいたからだったりする。
 なまじ獣人だったので、強い者には絶対服従という意識が強かった為に………。

 聖女達、特に、二つ名持ちの聖女達は、とにかく優秀で強かった。
 寵愛の聖女、慈愛の聖女、聖母な聖女、微笑みの聖女達は、帝国に大輪の華のような繁栄をもたらしたと言われているから………。

 魔の森の自走植物の木の実を獲って食べているのは、季節に関係無く果物を食べたがっていた寵愛の聖女の為に、皇帝が自走植物を追いまわして、その実を獲り、囚人達に食べさせて安全なコトを確認して………。

 ついでに、聖女の為だからと言って、嫌いな貴族達に食べさせるという再度の安全確認をして、聖女に食べたがっていた果物を与えたのは、かなぁ~り有名な話である。

 なぜ、【魔倉庫】に保存している果物で満足しなかったかと言うと、単に皇帝が、獲りたてを愛の証しとして、寵愛の聖女に与えたかったという番としての欲望を満たすためだったりする。
 そう、例の求愛給餌の為である。

 その結果の中に、魔の森でしか獲れないコショウ等の調味料があったりする。

 エリカは、まだ知らないがシイタ、マイタケ、シメジなどのキノコの中には、戦って勝ってしか手に入れられないモノもあるのだ。
 放出する胞子を吸ったら、身体が動けなくなるものや、毒の胞子を出すものも中にはいるのだ。

 それでも、最愛の妃が食べたがったものだからと、歴代の皇帝達は、自分と騎士達に無茶ぶりをして食材を手に入れていたのだった。

 前回のエリカが欲しがった鰹節もどきは、歴代の聖女が欲しがりながら、手に入れられなかった一品である。
 それからお出汁をとって作ったものを、アルファード達が何も言わずに食べたコトを不審に思わなかったエリカも、所詮は聖女であると………。

 アルファード達は、なにも言わなかったのだ。
 何と言っても、聖女様の言う通りにすれば、何事も上手くいくという経験を彼らの祖先から脈々と受け継いていたので………。

 タコを出されようが、イカを出されようが、ウナギやアナゴ、エビやカニなどを出されようが、そんなコトを気にする彼らでは無いのだ。
 だから、エリカの言うコトに何も言わずにアルファードは言う。

 「ああ帰ろう
  オスカー達が待っているしな」

 所詮はわんこ属性を持つ騎士達なので、上位者の言うコトに逆らうという意識も無い彼らは素直に頷く。

 「「「「「「「「「「はっ」」」」」」」」」」

 こうして、エリカとアルファードは、レオニード達に乗り、シードラゴンのジュリアスを連れて帝都に帰ったのだった。

 そして、エリカとアルファード達は、本拠地で予定外のコトが起きているとは知らずに、意気揚々と帰還するのであった。

 帝都には、エリカとアルファードを狙う者達が蠢いているのだった。
 エリカという最強の聖女を欲しているものは………アルファードの予想よりも多いものだった。 








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