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第15章 まずは小姑を片付けないと………
304★その助言、本当に後で役に立ちそうで怖いです
しおりを挟む色々と諦めている雰囲気のまま、エリカは尋ねる。
『それって………
アルも同じなのかな?』
それに、レーナはすっぱりと切って捨てるように言う。
なまじ希望を与えるよりも、引導を渡す方が良いと思っているレーナだったりする。
『フルトランス出来ますから
似たり寄ったりでしょうね』
レーナの答えに、エリカは遠くを見詰めて言う。
〔そうね、フルトランスする
ってコトはドラゴンと一緒よね
オスカーさんやマクルーファさん達が
側にいてアルの暴走を抑えている
って感じがする時が確かにあったもの
でも、どんな苦労があっても
アルの側に居られるなら構わない
って思っているから………
私もしょうがないわね〕
『あはは、気を付けるわね
忠告ありがとう』
何時もの元気なエリカとは違う様子に、レーナは慰めようと思ったらしい。
『でも、マスターは
あの方の番ですから
何をやっても、最終的には
マスターを許します
もう、恋の奴隷ですからね
あの種族の番狂いは有名ですから………
蜜月は大変だと思いますから
体力を付けた方が………
それが出来なかったら
我儘を言って相手の体力を削るんですよ
例えば、砂嵐の直後というか
まだ砂嵐の時にしか出て来ないで有名な
サンドストームリザードが食べたいとか
魔の森の奥の樹木に擬態して
隠れ住むフォレストグリーンラビットとか………
とにかく、見つからない獲れないモノを
食べたいと言って困らせて
体力を削るんです
そして、美味しく食べたら
疲れているってわかっているけど
したいのと言って
最後のとどめを刺すんですよ
そうすれば、5日は静かですよ』
レーナの実感が籠った助言にエリカは、顔をひきつらせて礼を言う。
そのこころの中では、そこまでしないと、ベッドから降りられない生活はちょっといやだなぁ~……と、思いながら。
『うん………ありがとう…レーナ』
『お役に立てて嬉しいです』
レーナは、自分がエリカを追い詰めた自覚は無かった。
本人は愛するマスターのお役に立ったと、嬉しいだけであったのだ。
この時、エリカはこころの中に、無意識で障壁を作る能力を得た。
そんなエリカとレオ達の会話を知らないアルファード達は、また、塩ババアの悪口?で盛り上がっていたりするのだった。
アルファード達の会話に、やっとエリカの意識が向いた。
「塩ババアの祖国に
一番衝撃を与えられるのは
どの国に塩を売ると良いかなぁ~………」
「兄上、あの国にとって
俺達の帝国が一番美味しい獲物ですよ」
「そうそう、この大陸で
一番豊かな強国ですからね」
「その帝国の塩鉱山の岩塩が
尽きたとわかったとき
あの国は、お祝いしたと
言いますからねぇ~………
あぁー腹の立つ」
アルファードの言葉に、ギデオンどレギオンは言いたい放題をする。
それに対して、上機嫌なアルファードが嗤う。
「くっくく……そう、怒るなレギオン
塩ババアは、もう少しで
皇妃から側妃に落される
いや、父上の怒りによっては
妾妃に落とされるかもしれないな
また、息子は、仮初の皇太子から
皇位継承権の無い皇子になるんだぞ
そして、格下扱いしていた母上が
皇妃になるのを見せつけられるんだ
あの塩ババアがどれほど怒り
泣き叫んだとしても
父上の裁定は翻るコトは無い
塩ババアは、父上を
愛しているらしいからなぁ~………
その最愛の父上から見捨てられるのは
かなり辛いだろうよ
寿命の短い女を
我らが本当に愛するなどと
思う方が馬鹿だろう
この帝国で純粋な人間である聖女が
皇帝と皇妃として添い遂げると
知っているから………
自分も皇妃になったから
寿命が延びると
思いこんでいるのだろうなぁ~………
聖女は浄化の力と膨大な魔力を持ち
ドラゴニアンである皇帝の
最愛の番でもあるから
寿命が延びるんだ
それを知らない塩ババアは馬鹿なんだ
何故、自分の陰口が塩ババアなのかも
わからないんだからな」
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