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第15章 まずは小姑を片付けないと………

292★エリカ達は真っ黒く笑う

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 その後ろ姿を見送ったアルファードは、エリカの経費という言葉に反応して、皇太子としての意識が戻る。

 「ありがとう、エリカ

  これで確実に、安定的に安価な塩を
  定期的に国民全てに与えられる

  ほっとするよ」

 そうエリカに微笑みを向けながら行った後、アルファードはマクルーファを振り返って言う。


 「マクルーファ、我が国で岩塩が
  産出していた頃の岩塩価格を
  覚えているか?」

 アルファードの問い掛けに、マクルーファは黒いオーラを纏ったままにっこり笑って答える。

 「もちろん、覚えていますよ
  ついでに、記録も確認しておきます
  何時から始めますか?」

 「くすくす…今日から…始めよう…

  まずは、我が国民に
  その値段で塩を与えよう

  これで、国庫の負担が無くなる

  街道の改修工事や
  新しい街道を作るコトも出来る

  城壁の大改修とかもあるな
  くすくす……色々と出来ることが
  ありそうだしな

  もっとも、順位はつけるけど………
  塩ババアの祖国に配慮なぞ、必要無い」

 アルファードは、真っ黒なオーラを纏いそれはそれは楽しそうに嗤った。
 それと変わらない漆黒のオーラを出して、マクルーファも嗤う。

 「そうですね、ザルツェ湖がある限り
  塩が幾らでも取れますしね

  あの国の岩塩が、今までの値段で
  売れなくなるように出来ますね」

 「ああ……岩塩を使って…我が帝国に
  吹っかけた無理難題を………
  今度は、こっちが色々としてやるさ」

 「我が帝国という
  大口の輸出先が出来たからと

  あの国は、岩塩の値段をガッツリと
  あげましたからねぇ~………くすくす

  輸入先の国々から恨まれていますしね」

 アルファードとマクルーファの普段とは違う会話と、皇妃の故国の外交政策を聞いてエリカは呆れてしまう。

 〔うっわぁ~………アル達ってば
  鬱屈がかなり溜まっていたみたいね

  でも、皇妃の祖国って、バカなのね

  せっかくの戦略物資である塩を
  そんな使い方するとはねぇ~……

  恨まれて当然じゃないの………
  バカなのかしら?

  つーか、確実にバカよね〕

 (※注 人間は、お塩が無ければ生きていけません
     塩を身体に取り入れる他に
     保存食を作る為にも必要とします

     塩漬け肉や塩漬け野菜、漬物、燻製肉
     干し肉、チーズやバターにも塩は必要です)

 エリカが、内心でそんなコトを思っているあいだも、アルファードとマクルーファの皇妃の祖国を論(あげつら)う会話は続いて行く。

 「確か、ごり押しで
  4ヶ国に王女を嫁がせて
  あの国の血を引く王子達を

  王太子や王にしていたな
  馬鹿なコトをするものだと
  思っていたがなぁ~」

 「ええそうですね

  我が帝国との仲に
  大きな亀裂が入った今では

  それらの後ろ盾なんぞ
  出来るはずが無いですからね」

 「本当にな…我が帝国と
  もうひとつぐらいに
  しておけば良いものを

  無駄な欲をかくから
  こういうことになるんだ」

 「そうですねぇ~………
  あの国は、大量の岩塩を
  保有しているのを良いコトに

  やりたい放題しているわりに
  軍備を、そこまで増強していないし

  兵士達の訓練も熱心では無い
  と、報告に上がっていますしね」









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