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第15章 まずは小姑を片付けないと………

271★カンパネラ伯爵家の3兄弟が挨拶にきました

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 そんな特訓で、騎士に八つ当たりを終えて、汗を流し着替え終わったアルファードは、執務室にオスカー達を連れて戻る。
 すると、気を取り直したエリカ達一行が、お茶と差し入れを持ってやってくるのだった。
 そして、振り出しに戻る‥‥‥。

 ここで、アルファードは、エリカを抱きしめると、お姫様抱っこにして、そのまま執務室に入るのだ。
 今度こそ、誰にも邪魔されないように‥‥‥。
 そんな風に、アルファードの涙ぐましい努力で、甘い雰囲気は維持されているのだった。

 そして、こんな危険な毎日を送っている騎士達は、一段と危険察知能力を上げているだろう。
 そんな、危ない魔法騎士団に、新たに入団したのは‥‥‥。
 カンパネラ伯爵の3兄弟だったりする。

 昨日の今日で、近衛騎士団から退団し、新たに魔法騎士団に入った彼らは、領地の特産品を大量に持ってきていた。
 自分達を魔法騎士団に力技(=皇太子と団長の権力)で、推薦どころか入団させてくれたアルファードに、カンパネラ伯爵家としてお礼をしたかったから‥‥‥。

 ここで、魔法騎士団に入ってしまえば、自分の子供や孫に、魔法騎士団に入団する推薦状を書く権利をもらったというコトだから‥‥‥。
 他の騎士団は、魔法学園の騎士課を優秀な成績で卒業すれば推薦状が手に入るが、魔法騎士団は違う。
 だからこそ、誰もが入りたがる騎士団だった。

 その騎士団に入り、グリフォン騎士やエリカ(聖女)の守護騎士に、任命されるコトが、約束されていたから‥‥‥。
 エリカをお姫様抱っこして、ご機嫌なアルファードは、3人を改めてエリカに紹介するコトにした。
 ちなみに、アルファードの後ろを、守護騎士のアラン達とワゴンを押した従者が続いていた。

 アルファードは、エノカが恥ずかしがると困るので、早く来いと3人に視線を送る。
 すると、3人は、アルファードとエリカの前にひざまづく。
 すかさず、アルファードが言う。

 「エリカ、昨日も紹介したが

  アレが嫁ぐ
  カンパネラ伯爵家の3兄弟だ

  近衛騎士団を昨日付けで退団して
  今日付けでウチに入団したんだ

  直答を許す
  エリカに自己紹介をしろ」

 『はっ』

 アルファードの命令に、3人はハモッて答える。
 そして、立ち上がり、右手のコブシを胸に添える騎士の礼を取る。
 最初に挨拶したのは、長男だった。

 「改めて、ご挨拶申し上げます

  姫君の御尊顔を拝し奉り
  恐悦至極に存じます

  私は、カンパネラ伯爵の長男
  アルブレヒト・ファス・
  カンパネラと申します

  以前は、近衛騎士団の騎士を
  拝命しておりました

  今日からは
  この魔法騎士団の騎士を
  拝命いたしました

  いずれは、姫君の守護騎士と
  なるようにと

  アルファード殿下より
  拝命されております

  いご、お見知りおきを願います」

 エリカは、本格的な挨拶を受けて戸惑ってしまう。

 「あっあの、堅苦しい挨拶は
  止めて下さい

  昨日も会っていたんですから‥‥‥
  名前だけでも十分ですから

  もっと簡単な
  自己紹介にして下さい

  良いよね、アル」

 エリカの性格が出たとても控えめなお願いに、アルファードは表情がデレないようにとこころ掛けながら言う。

 「ああ‥‥構わない‥
  簡潔に自己紹介しろ」

 その命令に従い、次の自己紹介が始まる。

 「承りました

  カンパネラ伯爵の次男
  カセロール・ウィンダス・
  カンパネラと申します

  近衛騎士団の騎士を
  拝命しておりました

  今日よりは、魔法騎士団の
  騎士を拝命いたしました

  他に、グリフォン騎士に
  任命されました」

 それに続いて、三男が自己紹介をする。

 「帝都騎士団に所属してました

  カンパネラ伯爵の三男
  サルバトール・ウォルター・
  カンパネラと申します

  今日より、魔法騎士団に所属します
  グリフォン騎士に任命されました

  それと、あちらにあります絹を
  献上するように
  父より命じられました

  我が領地の自慢の品です
  姫君のお気に入れましたら

  私達の誰かに、発注を
  お申し付けくださるよう
  お願いいたします

  他に宝石なども扱っております」











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