幻獣の契約者

ブラックベリィ

文字の大きさ
上 下
11 / 29

0011★怖くて逃げられません(涙)

しおりを挟む


 生まれたままの姿にされて、ハーフブランケットの上に組み伏せられた陽翔は、自分がそこから逃げ出すコトができない状態になってしまったコトを悟らざるをえなかった。

〖やっぱり明確な体格の差なんてモノありますし…組み敷かれた今の僕が、彼の手の中から逃れる術なんてモノは…どうやっても、無いんですよねぇ…本当に残念なコトですけどねぇ……。
 どうしようもないんですよね〗

 自分を組み伏せ、衣類を剥ぎ取って余裕でハーフブランケットを敷いて、そこに降ろす男の様子を窺がう。

〖僕に対して、何か目的が………って、思いますが………。
 全裸に剥かれて組み伏せられているコトから考えて、推察するまでもなく、判り切った答えしかありませんよね。
 あまり認めたくないんですけど、これは僕の身体で性的な要求を満たそうってコトですよね…やっぱり〗

 ゴキュッと置かれている状況に恐怖して、無意識に陽翔は喉を鳴らす。

〖今…ここで…声をあげて抵抗して…暴れたら……〗

 この状況下で、下手な抵抗をした時、自分がどんな惨たらしい目に合わされるかわからないと、陽翔は震えあがる。

〖恐いっ…恐いよぉ……いやだ…死にたくない……〗

 極限まで高まった恐怖心のせいで、陽翔は抵抗らしい抵抗もできないまま、煌牙に組み伏せられでガタガタと身体を震わせる。

 そんな陽翔は、人気のない駐車場で身体を強制的に開かされる運命から逃れるコトなどできようはずも無かった。

 陽翔を組み伏せた煌牙は、何の躊躇いもなく、素肌に剥いた眼前の獲物を味わうように口付け、舐めたり齧ったりを始める。

「……ヒィッ………っ………くっ………ぅぅ………」

 陽翔は、双眸に涙を溜めながら、無意識に自分の手で、声が漏れないように口元を覆って、煌牙の確認行為を必死に耐える。

 だが、恐怖感から無意識に身体を震わせながら、小さな声をポロポロと零れ落とす。

「…ぃ…やっ………くぅ………っ…………ぅ……」

 煌牙には声を零れ落とす陽翔を気にする余裕はなかった。
 ただ、抵抗の意思を放棄したらしいその身体を、まるで餓えた獣のように味わうだけだった。

 震える素肌を指先でたどり、唇と舌で僅かに滲む汗を舐めとり、優しく甘咬み、その身体から溢れ出る感情の波を読み取っていた。

 そう、自分との相性と適合力を調べ、その身体から誘発されるモノを味わう為に。

〔嗚呼………すごい…綺麗だな……誰にも染められていない………。
 コイツなら、俺の【楔】としての【契約者】に相応しい。
 なにより、穢れを知らない……まったき無垢な者だ。
 それに…とてもラッキーなことに、高い霊格まである。
 その身に注いだら注いだだけ、俺の【魔力】を受け止めて、全てを吸収てしくれそうだな。
 俺が【魔力】を注げば、魔力器官も魔力袋も難なく形成できそうな、理想的な個体だ〕

 煌牙は、自分との適応力が極上な陽翔を見下ろしながら、無意識に唇をペロリッと獣臭く舐める。

〔嗚呼…良い匂いだ……くぅぅぅぅ~……堪らないぜ。
 早く交わり、血と肉のを介在させた【契約】をすまさなければ。
 俺だけの【楔】で…俺だけの【契約者】にしたい〕

 言葉も無く、陽翔のいたるところを甘咬み、あちらこちらに薄っすらとした歯型を付けて、煌牙は満足げにペロリッと唇を舐める。
 勿論、魔力器官や魔力袋を体内に形成できるように、少しずつ【魔力】を照射するコトも忘れない。

〔ペロリッ…嗚呼…コイツは、なんて美味いんだ…意識が蕩ける。
 信じられないぐらい、理想的な【契約者】だ〕

 ガタガタの身体を恐怖に震わせながらも、必死に両手で口元をおおい、声を噛み殺して煌牙の動向を見詰める陽翔に、ニヤリッと嗤って、低い声音で囁く。

「いい子にしてろよ。抵抗なんてするんじゃないぞ。そのまま素直に、俺の言いなりになっていろ。
 おとなしく、その身を差し出すなら、優しくしてやるぜ。
 くすくす……どうやったって、丸裸にされた今のお前は、俺の腕の中から逃げられはしねぇ……今のお前の状況、わかるな。
 諦めて、俺が満足するまで黙って言いなりになっていろ」

 煌牙の言葉に、陽翔は乱暴に扱われないようにと、コクコクと必死に頷く。





しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

総受けルート確定のBLゲーの主人公に転生してしまったんだけど、ここからソロエンドを迎えるにはどうすればいい?

寺一(テライチ)
BL
──妹よ。にいちゃんは、これから五人の男に抱かれるかもしれません。 ユズイはシスコン気味なことを除けばごくふつうの男子高校生。 ある日、熱をだした妹にかわって彼女が予約したゲームを店まで取りにいくことに。 その帰り道、ユズイは階段から足を踏みはずして命を落としてしまう。 そこに現れた女神さまは「あなたはこんなにはやく死ぬはずではなかった、お詫びに好きな条件で転生させてあげます」と言う。 それに「チート転生がしてみたい」と答えるユズイ。 女神さまは喜んで願いを叶えてくれた……ただしBLゲーの世界で。 BLゲーでのチート。それはとにかく攻略対象の好感度がバグレベルで上がっていくということ。 このままではなにもしなくても総受けルートが確定してしまう! 男にモテても仕方ないとユズイはソロエンドを目指すが、チートを望んだ代償は大きくて……!? 溺愛&執着されまくりの学園ラブコメです。

サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由

フルーツパフェ
大衆娯楽
 クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。  トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。  いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。  考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。  赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。  言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。  たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

転生悪役令息、雌落ち回避で溺愛地獄!?義兄がラスボスです!

めがねあざらし
BL
人気BLゲーム『ノエル』の悪役令息リアムに転生した俺。 ゲームの中では「雌落ちエンド」しか用意されていない絶望的な未来が待っている。 兄の過剰な溺愛をかわしながらフラグを回避しようと奮闘する俺だが、いつしか兄の目に奇妙な影が──。 義兄の溺愛が執着へと変わり、ついには「ラスボス化」!? このままじゃゲームオーバー確定!?俺は義兄を救い、ハッピーエンドを迎えられるのか……。 ※タイトル変更(2024/11/27)

執着攻めと平凡受けの短編集

松本いさ
BL
執着攻めが平凡受けに執着し溺愛する、似たり寄ったりな話ばかり。 疲れたときに、さくっと読める安心安全のハッピーエンド設計です。 基本的に一話完結で、しばらくは毎週金曜の夜または土曜の朝に更新を予定しています(全20作)

傷だらけの僕は空をみる

猫谷 一禾
BL
傷を負った少年は日々をただ淡々と暮らしていく。 生を終えるまで、時を過ぎるのを暗い瞳で過ごす。 諦めた雰囲気の少年に声をかける男は軽い雰囲気の騎士団副団長。 身体と心に傷を負った少年が愛を知り、愛に満たされた幸せを掴むまでの物語。 ハッピーエンドです。 若干の胸くそが出てきます。 ちょっと痛い表現出てくるかもです。

BL団地妻-恥じらい新妻、絶頂淫具の罠-

おととななな
BL
タイトル通りです。 楽しんでいただけたら幸いです。

君のことなんてもう知らない

ぽぽ
BL
早乙女琥珀は幼馴染の佐伯慶也に毎日のように告白しては振られてしまう。 告白をOKする素振りも見せず、軽く琥珀をあしらう慶也に憤りを覚えていた。 だがある日、琥珀は記憶喪失になってしまい、慶也の記憶を失ってしまう。 今まで自分のことをあしらってきた慶也のことを忘れて、他の人と恋を始めようとするが… 「お前なんて知らないから」

4人の兄に溺愛されてます

まつも☆きらら
BL
中学1年生の梨夢は5人兄弟の末っ子。4人の兄にとにかく溺愛されている。兄たちが大好きな梨夢だが、心配性な兄たちは時に過保護になりすぎて。

処理中です...