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0022★誤解は高層ビルと化したまま解けない
しおりを挟む威知護の気持ちや状況など、まるで知らない彪牙は、その拒絶を含んだ一言に双眸を細めて聞き返す。
「あ~ん…なんだって……威知護…もう一回言ってみろ……」
…………やべぇ~…やっぱり怒るか?…でもこれ以上は無理…………
…………じゃなくて、俺、この男の名前も知らないんだけど…………
威知護は自分を見下ろし、楽し気に手を這わせる彪牙に、気怠さと心地よさを振り払うかのように、はっきりと拒絶の言葉を口にする。
「……っ…だから…くぅぅ……気持ちわりぃ……つったんだよっ…クソッ
胸や…んぅぅ…腹…撫でるなっ………それから…あんた…誰?」
威知護からの反応に、彪牙は怪訝な表情になって聞く。
「さっきまでの無反応は…ポーズか?紫桜院威知護」
彪牙の問いに、威知護はもう一度首をゆるゆると振る。
「ここで…うたた寝していて…クッ…やめろって…金縛りになってたんだよ
………クゥッ……悪霊化した地縛霊の女の霊と……いや…っ…さわんなっ
アレは……はぁぁ…穢霊…って…呼ばれる…悪霊の強化版の邪霊…に
生体エネルギー…ごっそり…奪われちまって……ココで…ちょく前まで
……ひぃん…やだって…だから……さわんなよ…ざわざわ…する……
その穢霊に…首締められて…ン…死にかけてたんだよっ……
マジで…あのまま……ふっくっ…窒息死するかと思った………
あんたが…来てくれたお陰で……あんたの…〔霊威〕で……はじかれて
地縛霊と穢霊……居なくなった…ン…お陰で……っう………
あんたに……感謝…して…る……けど………やめてくれ……だから……
身体を触るの……止めてくれって………嫌だっ…気持ちわりぃ……やめっ
…ここに……入ったの…悪かった…クゥン……からぁぁぁ~…くそっ…
身体に力が入らねぇ~…ひぃ~っ…あうっ…くっ…イヤダッ…やめろっ」
自分の胸から下腹までを、何度もその感触を味わうように撫でる彪牙に、自分がどうしてここにいて、今の状況にいるかを口にしながら、威知護は自分の身体の不調に本当の意味で気付く。
…………やっと、あの穢霊から解放されたって……コレじゃ…………
…………くそっ…この男…止める気が全然ねぇ~な…クソッ…………
…………なまじ、撫でられるとソコが癒されて…気持ち良い…………
…………けど、やっぱり生体エネルギーを奪われたの戻ってねぇ~……
完全に意識も覚醒し、眼も口も自由に動くようになったものの、全身の気怠さは抜けきっていないコトを自覚し、威知護は唇を噛み締める。
試しに彪牙を刺激しない程度に身体を少し動かせば、後ろ手に縛られた腕や、自由な脚も、どうやら動くには動くが程度にしか、回復していないコトを威知護は自覚する。
残念なことに、全身から生体エネルギーを抜かれセイで、身体に力というモノがほとんど入らない威知護だった。
そんな威知護を観察しながら、彪牙は親指と人差し指の腹で、刺激による条件反射で勃ち上がった乳首を摘み取る。
「へぇ~……無抵抗していた口実が…女の地縛霊に悪霊の強化版ねぇ~…
……クックククク………マジで可愛い嘘を付くもんだなぁ~……威知護
いや本当に…そんな…ところは、もの凄くそそられるぜ
男なんて…セックス相手としては、興味外だったんだけどなぁ………
だが、威知護はひと目見た時から、こうなんか感じるモノがあった
今ならわかる、その寝姿にすら惹かれるモンが確かにあったコトを……
どうやら威知護には自覚ねぇーみてぇーだが、瞳が合った時に感じた
そう俺との視線が交わった時、威知護も何かを感じていたよな
それが、俺にもわかったんだ……威知護も本能的に感じたようだしな…
なら、その感じたモノの正体まで追求しないとなぁ~…クックックックッ
なに……威知護相手なら、アナルセックスも結構イケると思うな
ほら、お前も判るだろう…こうして丹念に可愛がるように弄ってやると
威知護のちっちゃな乳首は、素直に硬くなってくるかになぁ~………
素直じゃねぇ~のは、威知護の精神だけってことだな
いや、違うか…単に……俺に犯られる為の理由が必要なだけか?
クスクス………威知護の男としてのプライドがそうさせるのかな?
だったら、それをへし折って……いや、粉々に砕いてやろう
素直に、俺の腕ン中に堕ちてこれるようにな
俺の可愛い〈女〉として、たぁ~っぷりと可愛がってやるよ」
摘み取った小さな果実を、揉み摺りながら、彪牙は拒否の言葉を口にする威知護に嘲りを込めて囁く。
「金縛りに、女の地縛霊に…悪霊の強化版に首締められて窒息しそうだった
………そんな如何にも、みえみえの嘘なんて言わなくたっていいんだぜ
嘘も飾りもいらなねぇ、素直に強い男にレイプして欲しかったって言えよ
そしたら、お前の身体を、いくらでも可愛がってやるぜ、威知護
俺は自分の〈女〉には、優しい男だからなぁ………
特に、素直に甘えてくるヤツは、優しく蕩けるほど可愛がってやるぞ
お前、こんなになってるなんて、男の手に餓えているんだろう?
ほら……素直になれよ…威知護…素直に身体を差し出せよ
そうしたら、もう俺の腕がねぇ~と眠れねぇ~…ってくらい、たっぷりと
甘く優しく、満腹になるほど、この身体を可愛がってやるぜ」
そう言いながら、彪牙は威知護の乳首を指の腹でグリグリと押し潰しながら、口付ける。
勿論、当然のように威知護の唇を割り、その口腔に舌を滑り込ませる。
口付けで威知護の拒否の声を封じたまま、乳首が硬く芯をもって勃ち上がるまで揉みしだく。
彪牙が乳首を指の腹で潰すに揉み摺るたびに、威知護の唇が戦慄いて、声も無く苦しそうに啼く。
初めて味わう強烈な胸からの刺激に、言葉には言い表せないモノを感じて、威知護は身悶えた。
なぜなら、口付けられた口腔と、乳首をいじる指先から、熱いモノが身体の奥へと浸透して来る感覚を感じていたから………。
…………完全に誤解だって言えないのが…哀しいんだけど…………
…………ああ…|《う》餓えているよ…生体エネルギーにな…………
…………あの穢霊にごっそりと生体エネルギーを奪われたセイで…………
…………その手から…唇や舌から流れて来る熱い生気に酔っちまいそうだ…………
…………ああ…負の霊気に染められて寒かった部分の熱が戻って来る…………
…………このままじゃ不味いって理解っているのに、逃げられない…………
彪牙が威知護の呼吸を奪うような、濃厚な口付けを解いた時、2人の間に、淫らな銀糸が伸び、途中で切れる。
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