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0021★想像以上に、触れられるのが気持ちが良くて………
しおりを挟む腕に抱き込んだ彪牙はニヤリッと嗤って、黙って抱き込まれている威知護の耳朶をペロリっと舐めて、その耳孔へと舌を淫猥に這わせる。
生暖かい弾力のある舌が耳孔を這う感触に、威知護は無意識のまま、その感触から逃げようと微かに身体を捩じる。
そんな無意識の反応に、自分の中の欲望を刺激されるが、彪牙は何も言わない威知護の反応を確認する為に身体を離し、その表情を見下ろす。
身体を離されたコトで、気怠さから双眸を閉じていた威知護も、その鋭い双眸を開く。
先刻の無機質な瞳に、強い意思が宿った瞳へと変化させた威知護に、彪牙はフッと嗤う。
「そう言えば、さっきから一言もしゃべらねぇ~けど
お前、名前はなんていうんだ?
何時、ウチの学園に編入してきたんだ?
なぁ~……それも、だんまりか?」
そう言いながら、威知護を改めて観察すれば、キッチリと制服を着込んでいる胸ポケットが少し盛り上がっているコトが見て取れた。
ソコにちゃんと生徒手帳が入っているコトを見て取り、彪牙は、ニヤリッと嗤う。
「へぇ~ちゃぁ~んと生徒手帳を入れているのか…どれどれ……」
そう言いながら、彪牙は威知護の胸ポケットを探り、そのポケットに入っていた生徒手帳を引き出して開く。
「ふぅ~ん…1年のAクラスかお前?編入でAクラスに入れたんなら……
かなり優秀ってことになるな………性癖はあれだけどな
紫桜院威知護ね…紫桜院ねぇ?聞いたことねぇー名前だなぁ
マジで編入生かぁ…性癖の問題で転校したのか威知護…うん?」
…………はぁ~…マジで勘弁して欲しいなぁ~…その誤解…………
…………つっても、まだほとんど回復してねぇ~…かったるぅ~…………
…………やっぱり負の霊気を染み込まされたが堪えているわ…………
…………そして、こんな時だってーに、ポンッと知識が浮き上がって来る…………
…………こういう時の対処法……知識としては、理解ったけど…………
…………やっぱりそういうコトしてもらうのが一番手っ取り早いかぁ…………
嘲りを含んだ声音での問いかけに、威知護は泣きたい気分で彪牙を見上げる。
気持ちとしては、自分に興味を失ってくれることを願いながら、失った生体エネルギーを回復させる為には、そういうコトを望まなければならないというジレンマに、ついつい投げやり感まじりに双眸を閉じてしまう。
そんな威知護のジレンマを知らない彪牙は、自分の問いかけや、理不尽な行為すら完全に黙殺を続ける姿勢に、無性に興味を掻き立てられるだけだった。
彪牙は、無反応を決め込む威知護から、なんらかの反応を引き出そうと、卑猥なセリフを選んで、再びその耳孔に吐息混じりに囁く。
「なぁ威知護…そんな風に、俺を煽るなんて悪い子だなぁ~…
クックククク………威知護は強い男に強姦されたくて、無抵抗しているんだよな
強い男に力尽くで蹂躙されるのが、威知護の望みなんだろう?
なら、その望みを今すぐ…ここで叶えてやるぜ…俺を試しているんだろう
だったら、俺の強さってヤツをたぁ~ぷりと、その身体に教えてやる
どこまで、そのだんまりを続けられるか楽しみだなぁ~威知護
俺のモンを味わいたくて……力尽くで突っ込まれて嬲られたいんだろ
プライドの高い威知護は、力尽くで受け入れさせられる…って
そういうシチュエーションが気に入りのスタイルなのかな?
くすくす…いいだろう…なら…甘い声で啼くまでじっくりとしてやるぜ
なんなら、アナルセックスの究極…結腸貫きまでしてやろうか?」
彪牙の愉悦感と毒をたっぷりと含んだ囁きに対して、いまだに体力が戻らない威知護は、何の反応も示せなかった。
実は、言われたコトの半分も理解っていなかったりする。
もともと性欲が薄く、異性交遊の話しすらあまり興味が無かったので、反応に困ってしまったのだ。
そこで頬を赤らめたり、拒否の言葉を口にするコトが出来たなら、もう少し彪牙の認識も変わったのだろうが、その体力さえない威知護は、やはり黙ったままだった。
すべてを黙殺し、双眸を閉じたまま、何の抵抗も見せない威知護に、彪牙はいまいましそうに舌打ちをする。
「けっ………ここまで、俺に言われても、まぁ~だダンマリするのかよ
……威知護………お前、俺を馬鹿にしているのか?」
双眸を閉じて、無反応な威知護の表情を観察しながら、彪牙は舌打ちをひとつしたあと、おもむろに威知護の制服を脱がし始める。
ただし、獲物の抵抗感や羞恥心を煽る為に、全部を脱がせたりはしないのが、彪牙の楽しみ方だった。
衣服を全部奪い、スッポンポンの全裸にすると、獲物が完全に逃げることを諦めてしまうので、それだと楽しくないのだ。
そう、無様に抵抗するのを捩じ伏せて、嫌悪感と憎悪を撒き散らしながら、与えられる快楽に負け、蕩け溺れて甘い声で哀しげに啼く姿を見るのが楽しみなのだ。
それは、女でも男でもすることに大差ないコトだった。
が、彪牙は基本的には、女しか相手にすることは無かった。
大抵、男の場合は、部下の中でその手のコトが好きな者の手の中で、引き裂かれる痛みに啼き、無理やり引き出された快楽へと堕ちていく姿を、見下して嘲笑するだけだった。
そんな彪牙だけに、威知護のように最初から無抵抗を通す者など、今までいなかったので、猛烈に興味を惹かれたのは、確かな事実だった。
彪牙は、威知護の恐怖心を煽る為に、殊更丁寧に、制服のボタンをすべて外して前を開く。
次いで、威知護のおろしたてと判るYシャツの裾をズボンから引き抜いた。
その感触を感じながら、威知護はこころの中で思いっきり泣いていた。
…………くっ…できるなら……なりふり構わず…逃げ出してぇ~…………
…………【対】かもしれねぇ男だけど…いきなり、コレはキツイぜ…………
…………くそぉ~…マジで…全然…体力が戻ってなくて身体が動かねぇ~…………
…………このまま、ちょー勘違いそれたまま、突っ込まれちまうのか…………
…………やっぱり男に、排泄器官の肛門を犯されるのなんて…厭だ…………
…………玩具のように輪姦されんのも…便所扱いもイヤだ…マジ逃げてぇ…………
制服とYシャツのボタンを全部外し、彪牙は威知護の最後の砦のタンクトップをたくしあげる。
現れた素肌に浮かぶ、腹や胸の筋肉の描く、絶妙な美しさに、彪牙は素直に感嘆する。
「…ヒュ~……へぇ~………結構…イイ身体してんな…威知護
特にこの腹筋の締りがたまんねぇ~な…予想以上の身体だな
想像していたよりも、ずっと綺麗な筋肉が付いているな
クックックックッ…こんな身体を持ってんのに…突っ込まれたいんだ」
そう囁きながら、彪牙は威知護の胸から下腹までを、いやらしく何度も撫で、その手触りを楽しむ。
…………うげぇっ…マジで…腹撫でられんの…気持ちわりぃ…………
…………なのに、その手が触れているところが気持ちイイなんて…………
…………だぁぁ~…勘弁しろよぉ~…くそっ…認めたくないけど…………
…………負の霊気を染み込まされた身体…撫でられると癒される…………
見知らない男に撫で回される拒絶感と、もたらされる淡い快楽を伴った癒しに、威知護は惑乱される。
彪牙に脇腹を撫で上げれた瞬間、威知護の身体は性感帯をたどられて、強い刺激を受けて、ビクンッと大きくのけぞる。
快楽と不快感が混在した、異様な感覚に翻弄された直後。
威知護は彪牙の手のひらの感触に、嫌悪の声を上げて、初めて大きく身踠いた。
その次の瞬間、ようやく身体を動かせるだけの力が戻った威知護は、初めて口を開いた。
「……ぅ…くっ………はぁ……っう……さわんなっっ……」
やっと唇を動かせる程度に体力の戻った威知護は、首を振って彪牙のする行為に拒否を示す。
が、腹部をまさぐることによって、ようやく無反応だった威知護からの反応らしい反応を引き出せた彪牙は、愉悦感を味わいながら嗤う。
「ふふふふ………なんだ、威知護…もう…ダンマリは、おしまいかぁ?
くっくくくく……『さわんな』ねぇ……随分と威勢がイイなぁ~………
だが、身体の方は、素直にもっともっと淫らに弄って欲しいって
俺の手に反応しているぜ……ふふふふ………お前、マジで可愛いな」
彪牙のセリフに、ようやく動けるほど体力が戻った威知護は、首を激しく振る。
「……っ…じゃない………」
…………はぁ~…やぁ~っと…口きいて動けるぐらい体力が戻った…………
…………つっても…事態はなぁ~んも変わらないけどさ…………
…………今は取り敢えず、なんとか解放してもらえるように訴えよう…………
…………【対】に関しては、後日話すってコトで、今回は勘弁して欲しい…………
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