102 / 173
0101★ゲットした魔石はユナへ
しおりを挟む取り敢えず、ルリとグレンに自分の家名無しの名前と、全部ではないけど、境遇を語ったセシリア改め、リアは肩を竦める。
えぇ~とぉ……思い切って言っちゃったけど、感触的には、オーケーなのかな?
一応、前世の話しははぶいたけど、大まかなコトは言ったから大丈夫かな?
じゃなくて、なにも反応していなユナちゃんは?
と、グレンとルリは大丈夫そうということでユナに視線を向ければ、ユナは魔石にうっとりと頬摺りしているままだった。
そして、聞きなれた音が再び響く。
ピロ~ンッ………ピッピッピ………
あれ? まだ切れてなかったんだ…鑑定魔道具……何に反応したのかな?
リアがそうおもうと同時に、鑑定結果がその瞳へと映る。
ユナ
リアの奴隷(狐獣人の子と思われてた為、奴隷で契約されている)
リアがとにかく大好き(護れるくらい強くなりたい)
見た目は狐獣人の子だが、実は神獣の幼体
魔石を吸収するコトができる(それに伴い少しずつ見た目も成長できる)
魔石を保有していた魔物と能力を吸収できる
リアは、ユナをきせずして鑑定した内容してびっくりしたが、魔石を握ってうっとりと頬摺りしている姿を改めて見て納得する。
そっか…ユナは、本能的に成長したくて、魔石から零れる魔力に反応しているんだ
どうせ、お金に困ってないし、そのままユナに吸収させちゃっても良いわね
魔石の有効活用に、ソレもありよね
となると、ルリも魔石の吸収とかできるのかしらねぇ?
人族のグレンは、流石にそんなコトできないだろうけど
まぁ、今はユナに魔石を吸収するように言った方が良いわね
鑑定内容に納得したリアは、ユナへと声をかける。
「ユナぁ~…ユ~ナちゃん……」
リアに声を掛けられ、ユナはハッとする。
大好きなリアからの声かけだけに、魔石から零れている魔力にうっとりしていても、名前を呼ばれると直ぐさま反応するユナである。
「は…はい…リアお姉ちゃん?」
意識がはっきりしたらしく、リアへとちゃんと視線を向ける。
ユナが、ちゃんと自分の声に反応したコトを確認し、リアは鑑定結果から得た答えをもとに言う。
「今、ユナが手に持っている、トレント亜種? が討伐後に落とした魔石ね……ユナが吸収して良いのよ………」
リアにそう言われて、ユナはキョトンとした表情で首を傾げる。
「えっ?」
疑問符付きのユナに、リアは鑑定結果のコトを告げる。
「どうせこれからも、魔石なんていくらでも手に入るだろうしね………ユナは、魔石を吸収して成長するみたいだし……魔石に秘められたモノも吸収できるみたいなのよねぇ」
リアの言葉に、戦闘能力として、ルリやグレンに叶わないと内心で卑下していたユナがパッと顔をあげて嬉しそうに言う。
「コレを吸収したら、リアお姉ちゃんの役に立てる?」
その表情と言葉に、まだ幼いユナが、自分に自信をもてずに悩んでいたコトを知り、リアは内心で反省する。
私自身、右も左もわからない状態のときは、かなり不安だったものねぇ
ユナは、誕生してからそんなに時間が経って無いので、まだ、個としての確立が浅いのよねぇ
まして、幼い狐獣人の子と思われて、疑似記憶を植え付けられているから、自分は役に立たないと不安だったのかもしれないわね
そこに思い至ったリアは、にっこりと笑って頷く。
「うん……ユナは、これから色々な魔石を吸収して、どんどん成長していくのよ……それに、魔石を吸収すると、ちょっとだけど成長もするみたいよ」
リアの言葉に、ユナはパァ~っと顔を嬉しそうに綻ばせる。
「それじゃ……この魔石、ユナがもらって良いんだね」
確認するユナに、リアはニコニコしながら言う。
「そうよ、その魔石はユナが吸収して良いのよ………ところで、吸収の仕方とかはわかるのかなぁ?」
リアの問いかけに、ユナはコクコクしながら答える。
「うん……わかるよぉ~………こうやって、両手で持って………」
と言って、ユナは魔石を両手で保持し、ソッと口付けた。
途端に、ユナの触れた唇の辺りからスゥーっと、まるで吸引力の強い掃除機のように吸い込まれいく。
目の前で、本当にあっと言う間に魔石を吸収したユナは、全てを吸収した後に首を傾げた。
「なんか…暖かくて……もの凄く…冷たいモノが入って来た……うぅぅ~……」
言葉に表現するコトが難しらしく、ユナは首をウリウリとする。
そういうユナの耳が目に見えて、少し大きくなる。
「へぇ~……確かに、ちょびっとだけど成長するようだねぇ~………」
感心したようにルリが言えば、グレンがちょっとつまらなそうに言う。
「はぁ~……良いよなぁ……魔石の吸収なんて…俺にはできないコトだからなぁ……ソレで新しい能力が増えるなんて羨ましいよなぁ………」
グレンがそう言えば、ルリはケラケラと笑って言う。
「ああ…懐かしいねぇ~………アタシも幼少期に…だいぶもらって吸収したねぇ………」
32
お気に入りに追加
693
あなたにおすすめの小説
下剋上を始めます。これは私の復讐のお話
ハルイロ
恋愛
「ごめんね。きみとこのままではいられない。」そう言われて私は大好きな婚約者に捨てられた。
アルト子爵家の一人娘のリルメリアはその天才的な魔法の才能で幼少期から魔道具の開発に携わってきた。
彼女は優しい両親の下、様々な出会いを経て幸せな学生時代を過ごす。
しかし、行方不明だった元王女の子が見つかり、今までの生活は一変。
愛する婚約者は彼女から離れ、お姫様を選んだ。
「それなら私も貴方はいらない。」
リルメリアは圧倒的な才能と財力を駆使してこの世界の頂点「聖女」になることを決意する。
「待っていなさい。私が復讐を完遂するその日まで。」
頑張り屋の天才少女が濃いキャラ達に囲まれながら、ただひたすら上を目指すお話。
*他視点あり
二部構成です。
一部は幼少期編でほのぼのと進みます
二部は復讐編、本編です。
悪役令嬢は始祖竜の母となる
葉柚
ファンタジー
にゃんこ大好きな私はいつの間にか乙女ゲームの世界に転生していたようです。
しかも、なんと悪役令嬢として転生してしまったようです。
どうせ転生するのであればモブがよかったです。
この乙女ゲームでは精霊の卵を育てる必要があるんですが・・・。
精霊の卵が孵ったら悪役令嬢役の私は死んでしまうではないですか。
だって、悪役令嬢が育てた卵からは邪竜が孵るんですよ・・・?
あれ?
そう言えば邪竜が孵ったら、世界の人口が1/3まで減るんでした。
邪竜が生まれてこないようにするにはどうしたらいいんでしょう!?
魔力無しだと追放されたので、今後一切かかわりたくありません。魔力回復薬が欲しい?知りませんけど
富士とまと
ファンタジー
一緒に異世界に召喚された従妹は魔力が高く、私は魔力がゼロだそうだ。
「私は聖女になるかも、姉さんバイバイ」とイケメンを侍らせた従妹に手を振られ、私は王都を追放された。
魔力はないけれど、霊感は日本にいたころから強かったんだよね。そのおかげで「英霊」だとか「精霊」だとかに盲愛されています。
――いや、あの、精霊の指輪とかいらないんですけど、は、外れない?!
――ってか、イケメン幽霊が号泣って、私が悪いの?
私を追放した王都の人たちが困っている?従妹が大変な目にあってる?魔力ゼロを低級民と馬鹿にしてきた人たちが助けを求めているようですが……。
今更、魔力ゼロの人間にしか作れない特級魔力回復薬が欲しいとか言われてもね、こちらはあなたたちから何も欲しいわけじゃないのですけど。
重複投稿ですが、改稿してます
私公爵令嬢としてこの世界を楽しみます!
神桜
ファンタジー
小学生の子を事故から救った華倉愛里。本当は死ぬ予定じゃなかった華倉愛里を神が転生させて、愛し子にし家族や精霊、神に愛されて楽しく過ごす話!
『私公爵令嬢としてこの世界を楽しみます!』の番外編を『私公爵令嬢としてこの世界を楽しみます!番外編』においています!良かったら見てください!
投稿は1日おきか、毎日更新です。不規則です!宜しくお願いします!
転生幼女のチートな悠々自適生活〜伝統魔法を使い続けていたら気づけば賢者になっていた〜
犬社護
ファンタジー
ユミル(4歳)は気がついたら、崖下にある森の中にいた。
馬車が崖下に落下した影響で、前世の記憶を思い出す。周囲には散乱した荷物だけでなく、さっきまで会話していた家族が横たわっており、自分だけ助かっていることにショックを受ける。
大雨の中を泣き叫んでいる時、1体の小さな精霊カーバンクルが現れる。前世もふもふ好きだったユミルは、もふもふ精霊と会話することで悲しみも和らぎ、互いに打ち解けることに成功する。
精霊カーバンクルと仲良くなったことで、彼女は日本古来の伝統に関わる魔法を習得するのだが、チート魔法のせいで色々やらかしていく。まわりの精霊や街に住む平民や貴族達もそれに振り回されるものの、愛くるしく天真爛漫な彼女を見ることで、皆がほっこり心を癒されていく。
人々や精霊に愛されていくユミルは、伝統魔法で仲間たちと悠々自適な生活を目指します。
死に戻り公爵令嬢が嫁ぎ先の辺境で思い残したこと
Yapa
ファンタジー
ルーネ・ゼファニヤは公爵家の三女だが体が弱く、貧乏くじを押し付けられるように元戦奴で英雄の新米辺境伯ムソン・ペリシテに嫁ぐことに。 寒い地域であることが弱い体にたたり早逝してしまうが、ルーネは初夜に死に戻る。 もしもやり直せるなら、ルーネはしたいことがあったのだった。
断罪イベント返しなんぞされてたまるか。私は普通に生きたいんだ邪魔するな!!
柊
ファンタジー
「ミレイユ・ギルマン!」
ミレヴン国立宮廷学校卒業記念の夜会にて、突如叫んだのは第一王子であるセルジオ・ライナルディ。
「お前のような性悪な女を王妃には出来ない! よって今日ここで私は公爵令嬢ミレイユ・ギルマンとの婚約を破棄し、男爵令嬢アンナ・ラブレと婚姻する!!」
そう宣言されたミレイユ・ギルマンは冷静に「さようでございますか。ですが、『性悪な』というのはどういうことでしょうか?」と返す。それに反論するセルジオ。彼に肩を抱かれている渦中の男爵令嬢アンナ・ラブレは思った。
(やっべえ。これ前世の投稿サイトで何万回も見た展開だ!)と。
※pixiv、カクヨム、小説家になろうにも同じものを投稿しています。
悪役令嬢だと気づいたので、破滅エンドの回避に入りたいと思います!
飛鳥井 真理
恋愛
入園式初日に、この世界が乙女ゲームであることに気づいてしまったカーティス公爵家のヴィヴィアン。ヒロインが成り上がる為の踏み台にされる悪役令嬢ポジなんて冗談ではありません。早速、回避させていただきます!
※ストックが無くなりましたので、不定期更新になります。
※連載中も随時、加筆・修正をしていきますが、よろしくお願い致します。
※ カクヨム様にも、ほぼ同時掲載しております。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる