悪役令嬢?当て馬?モブ?

ブラックベリィ

文字の大きさ
上 下
62 / 173

0061★マヨネーズもどきを作ろう

しおりを挟む


 まずは、茹でたジャガイモもどきを腕輪型アイテムボックスから出して、ナイフで十字に割ってバターを落として、味見をしてみる。

 「どうかな?」

 リアの問いかけに、ユナはにこにこする。

 「美味しいよぉ…リアお姉ちゃん」

 セシリアも、味見をして頷く。

 うん…前世のジャガバターだね…半分は潰して、ポテトサラダにしましょう
 ユナが採取してくれた、葉物野菜がわりの薬草を刻んで混ぜよう
 あっと…その前に、マヨネーズもどきを作っちゃおう

 セシリアは、卵の実をカパカパと割って、白身っぽいモノと黄身っぽいモノを分離する。

 あとは、酸味が強い果汁が欲しいわね……どうしようかなぁ~………
 グレンとルリと獲物を捌いてるし……自分でやったほうが早いかな?

 ユナに、酸味の強い果実ないか聞いてみよう
 もし柑橘系が無かったら、卵はアイスとメレンゲクッキーもどきにしても良いし

 「ユナぁ~…柑橘系の果実って科ってあるかな?酸っぱいヤツ欲しいんだけど」

 セシリアの問いかけに、ユナは小首を傾げて、マジックポーチをゴソゴソして、みるから硬い殻の木の実のようなモノを取り出す。

 「すっぱいっていうなら、コレどうかな?酸味〔さんみ〕の実っていうんだけどね。魔物討伐なんかの時に、気絶した時とかの気つけに使うヤツなんだけど……ただ食べるのは無理だよ。もの凄くすっぱいから」

 と言って、セシリアの掌に乗せてくれる。

 ふむ、小玉スイカ並の大きさねぇ~……中身をボールに出して確認かな?
 あと、植物油が欲しいわねぇ……獣脂で作るのはキツイから、なんか別のモノ
 できれば、サラダ油が欲しいけど、無ければオリーブ油みたいなモノないかな?

 「うん、ありがとう、ユナ。あと、なにか木の実系で油を搾れるモノとか有るかなぁ?油として買ったのって使い終わっちゃったから………」

 セシリアの言葉に、ユナは再び首を傾げて、マジックポーチの中を確認する。

 「なら、コレかな?楓花〔ふうか〕の実……割るとトロっとした油が出るよ」

 楓花〔ふうか〕の実ねぇ~……用途は、やっぱり料理用なのかなぁ?
 取り敢えず、コレも器に中身を出して確認かな?
 あとは、香辛料で味を調節すれば良いかな

 ユナから差し出された、テニスボールくらいの大きさの実を受け取る。
 セシリアも腕輪型アイテムボックスから、手頃な器を出して、酸味〔さんみ〕の実の果汁を入れてみる。
 そして、割った酸味〔さんみ〕の実の殻をちょっと舐めて、思わず顔を顰めてしまう。

 ふむ、ちょっと粘度がある果汁ねぇ…味は………っ……すっぱぁ~……
 でも、調節すれば、サラダのドレッシングにも使えそうね
 あと、蜂蜜加えて夜にホットレモネードみたいにして飲んでも良いかも

 「リアお姉ちゃん…大丈夫?凄いすっぱいでしょ~……」

 「うん…確かにすっぱいわ……でも、これぐらいが良いかも……次は楓花〔ふうか〕の実の油の確認しないと……」

 そう言いながら、セシリアは、楓花〔ふうか〕の実の中身を別の器に入れて確認する。
 これまた、酸味〔さんみ〕の実よりも更にドロリとした粘液質の油に、セシリアは舐めて確認するのを少しためらう。

 「あっそうそう、楓花〔ふうか〕の実の油って少し温めるとサラサラになるよぉ……」

 ユナの助言に、セシリアは器に入れた楓花〔ふうか〕の実の油を人肌ぐらいに温めて見る。
 と、ユナの言ったようにサラサラになる。

 殻に残った油が勿体無いと思ったセシリアは、割った殻もほんのりと温めて、先に入れた器に足す。
 木でできたスプーンですくって、サラサラしているコトを確認してから、セシリアはユナに声をかける。

 「楓花〔ふうか〕の実ってまだあるのかな?これの倍の量が欲しいんだけど」

 「あるよぉ~……3つぐらいで良いかなぁ?なんかけっこう入っていたんだよねぇ」

 そう言いながら、追加で出してくれた楓花〔ふうか〕の実を受け取り、温めてから先に入れたモノに追加していく。
 セシリアは、前世での記憶を頼りに、卵の実の卵黄もどきに香辛料と酸味〔さんみ〕の果汁を加えて撹拌する。

 う~ん…木のボールで作るのってなんか面倒ねぇ~………
 そうだ、材料だけ浮かべてできないかな?
 カラアゲやポテトフライみたいに………よっと…あっできそうだわ

 セシリアは、目の前の空間に卵黄もどきに果汁と香辛料を混ぜたモノ浮かべて、空間魔法に風魔法を加えて、シャカシャカと混ぜる。
 そこに、楓花〔ふうか〕の油を注ぎながら混ぜると、本当に瞬く間に、乳化してマヨネーズもどきが出来上がる。
 セシリアは綺麗な器に、出来上がったマヨネーズもどきを入れて、木のスプーンですくい、ちょっこと味見をしてみて嬉しそうに笑う。

 うふっ…成功したわ……前世ではけっこう苦労したのに、魔法って最高ね
 これで、料理の幅が広がるわぁ~………それじゃ早速、ポテトサラダ作ろう
 と、その前に、もう一回マヨネーズもどき作って置いた方が良さそうね

 「はい、ユナ…茹でたジャガイモに付けて食べると美味しいよ…ジャガバターともちょっと味が違うから……味見ね」

 そう言って、小皿に乗せて手渡すと、ユナは瞳をきらきらさせて、美味しそうに食べる。

 頬に手をあてて、ニコニコするユナって可愛いわぁ~……クスクス
 さて、マヨネーズもどきを作ったら、残った白身もどきでメレンゲクッキー作ろう
 そろそろ、サイガもどきを捌き終わっるかなぁ?

 セシリアは、手早くマヨネーズもどきを作り終え、メレンゲクッキーも目の前の空間にオーブンのイメージを作り上げて、残った白身もどきでメレンゲクッキーを作り上げた。
 ちなみに、名も無きダンジョンの宝箱には、蜜の実がゴロゴロと入っていたので、その価値がわからないセシリアは、料理に使っていたりする。

 最初は買い込んであった、蜂蜜などを使っていたのだが、腕輪型アイテムボックスに放り込んだ宝箱に、蜜の実が入っていたので、気軽に使うようになっていたりする。
 当然、肉じゃがやメレンゲクッキーに、砂糖がわりに蜜の実の中身を使っていた。

 よし、肉じゃがは出来た、ジャガバターにポテトサラダも出来た
 フライドポテトに、パンケーキにフレンチトーストも出来上がりぃ~……
 う~ん…やっぱりお肉系がもうひとつぐらい欲しいかな?よし、アレ作ろう

 セシリアは、取り分けしておいた魔物のお肉を取り出して、ピカタをつくるコトにする。

 厚さはトンカツくらいで良いかなぁ~…香辛料を振りかけてぇ~小麦粉をまぶしてぇ
 あっ…あとで、また小麦粉を振るいなおして、分けないとねぇ~……
 やっぱり、ちゃんと綺麗に粉になっているモノ使った方が美味しいもんね

 あとは、卵の実の液体に香辛料とフレッシュチーズ入れて焼くだけ
 枚数いるからねぇ~……特に、グレンとルリはたくさん食べそうだし
 時空神様のお供えに追加しても良いしね








しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

誰からも愛されない悪役令嬢に転生したので、自由気ままに生きていきたいと思います。

木山楽斗
恋愛
乙女ゲームの悪役令嬢であるエルファリナに転生した私は、彼女のその境遇に対して深い悲しみを覚えていた。 彼女は、家族からも婚約者からも愛されていない。それどころか、その存在を疎まれているのだ。 こんな環境なら歪んでも仕方ない。そう思う程に、彼女の境遇は悲惨だったのである。 だが、彼女のように歪んでしまえば、ゲームと同じように罪を暴かれて牢屋に行くだけだ。 そのため、私は心を強く持つしかなかった。悲惨な結末を迎えないためにも、どんなに不当な扱いをされても、耐え抜くしかなかったのである。 そんな私に、解放される日がやって来た。 それは、ゲームの始まりである魔法学園入学の日だ。 全寮制の学園には、歪な家族は存在しない。 私は、自由を得たのである。 その自由を謳歌しながら、私は思っていた。 悲惨な境遇から必ず抜け出し、自由気ままに生きるのだと。

オバサンが転生しましたが何も持ってないので何もできません!

みさちぃ
恋愛
50歳近くのおばさんが異世界転生した! 転生したら普通チートじゃない?何もありませんがっ!! 前世で苦しい思いをしたのでもう一人で生きて行こうかと思います。 とにかく目指すは自由気ままなスローライフ。 森で調合師して暮らすこと! ひとまず読み漁った小説に沿って悪役令嬢から国外追放を目指しますが… 無理そうです…… 更に隣で笑う幼なじみが気になります… 完結済みです。 なろう様にも掲載しています。 副題に*がついているものはアルファポリス様のみになります。 エピローグで完結です。 番外編になります。 ※完結設定してしまい新しい話が追加できませんので、以後番外編載せる場合は別に設けるかなろう様のみになります。

異世界転移しましたが、面倒事に巻き込まれそうな予感しかしないので早めに逃げ出す事にします。

sou
ファンタジー
蕪木高等学校3年1組の生徒40名は突如眩い光に包まれた。 目が覚めた彼らは異世界転移し見知らぬ国、リスランダ王国へと転移していたのだ。 「勇者たちよ…この国を救ってくれ…えっ!一人いなくなった?どこに?」 これは、面倒事を予感した主人公がいち早く逃げ出し、平穏な暮らしを目指す物語。 なろう、カクヨムにも同作を投稿しています。

【完結】悪役令嬢に転生したけど、王太子妃にならない方が幸せじゃない?

みちこ
ファンタジー
12歳の時に前世の記憶を思い出し、自分が悪役令嬢なのに気が付いた主人公。 ずっと王太子に片思いしていて、将来は王太子妃になることしか頭になかった主人公だけど、前世の記憶を思い出したことで、王太子の何が良かったのか疑問に思うようになる 色々としがらみがある王太子妃になるより、このまま公爵家の娘として暮らす方が幸せだと気が付く

異世界リナトリオン〜平凡な田舎娘だと思った私、実は転生者でした?!〜

青山喜太
ファンタジー
ある日、母が死んだ 孤独に暮らす少女、エイダは今日も1人分の食器を片付ける、1人で食べる朝食も慣れたものだ。 そしてそれは母が死んでからいつもと変わらない日常だった、ドアがノックされるその時までは。 これは1人の少女が世界を巻き込む巨大な秘密に立ち向かうお話。 小説家になろう様からの転載です!

父が再婚しました

Ruhuna
ファンタジー
母が亡くなって1ヶ月後に 父が再婚しました

異世界転生ファミリー

くろねこ教授
ファンタジー
辺境のとある家族。その一家には秘密があった?! 辺境の村に住む何の変哲もないマーティン一家。 アリス・マーティンは美人で料理が旨い主婦。 アーサーは元腕利きの冒険者、村の自警団のリーダー格で頼れる男。 長男のナイトはクールで賢い美少年。 ソフィアは産まれて一年の赤ん坊。 何の不思議もない家族と思われたが…… 彼等には実は他人に知られる訳にはいかない秘密があったのだ。

処理中です...