45 / 173
0044★おかしな夢を観ました
しおりを挟む目が覚めたら、馬車の中のラグの上でした
そう言えば、ご飯を食べてぶとう酒を飲んだあたりから記憶があやしい
それに、ついさっきまで、妙な夢を観ていました
まるで、映画館でドラマでも観ているような………
内容は、まぁ…かなり、アレなモノでしたけど
他人視線だったら、かなり面白いコトは理解りましたわ
……最初の方は……王立貴族学園の夢?………
そう……あの唐突に始まった、エイダン王太子からの断罪シーンでしたわねぇ
ただ、変なのは、観る視点が私では無かったことかしらねぇ?
それも、なんでなのかは理解りませんが、成人した男性の視点でしたわ?
視点となった男性の甥だと言われていた、あの男子生徒
そう言えば、彼女の取り巻きとして居た気がしますわ
あら、もしかして攻略対象者のひとりだったのかしら?
それならば、あの男性の視点な理由が理解りますわね
それにしても、今更ながらですけど、エイダン王太子に抱き付いていた
彼女の名前って、なんでしたかしらねぇ……あの方がヒロインよね…たぶん
なんとかフローラさんですよね?……貴族ではあった気はしますけど?
地位としては、男爵だつたかしら?子爵だったような気もしますけど………
はぁ~…どうしてか?記憶が曖昧なのよねぇ……重要度が低いセイかしらねぇ?
まぁ…良いですけど…もともとエイダン王太子にも、彼女にも興味ありませんし
それよりも、興味あるのは、あの転移の場所ですわ
転移の場所って、ああ言う場所にあるモノでしたのね
防護壁の直ぐ側に、設置されているコト、知りませんでしたわ
うふふふ………転移の場所と、魔法陣が描かれた場まで観てしまいました
実物を見たコト無いけれど、転移の場にはあのような魔法陣がありますのね
そこに、転移能力を持った方だけが、魔力を流して跳ぶのですね
そういうモノだと、初めてしりましたわ
あの夢が、そうだというならだけどね
次に観たのは、国王夫妻と大神官長……のドタバタ喜劇?
とでも言えば、良いのかしらねぇ?
こちらも…ロマリス王国に、付いて行ったコトもないから………
あの内装が本当にロマリス王国の王宮かは、わかりませんけどね
いや、それ以前に、アゼリア王国の王宮と王立貴族学院の往復しかしたコトないから
私には、到底、夢でも、そんなモノを観れるはずはないのだけど………
ああ…どうせなら、王宮のテラスから観た街並みとかも観たかったわ
いや、下からは『夢の翼』のみんなと観てまわったけどね
本当は、もっと色々と観て回りたかったけど………
我が身大事にを優先したのだから、しょうがないわよねぇ………はぁ~……
でも、夢の中とは言え、あんな風に王立貴族学院の卒業生に観られていたのねぇ
あと、卒業生の父兄達や給仕達や護衛騎士達にも観られていたのね
当事者以外の他人からしたら、ほとんど、娯楽の域に入っていたわよねぇ
ふふふふ……もしかし、時空神様に祈ったから、お茶目で観せてくれたのかしら?
だって、時空間的にかなぁ~り、おかしいですもの………
だいたい、あれは、何日前のモノなのかしら?
セシリアは、ぼぉ~とした頭で、つい先ほどまで見ていた夢?のようなモノに首を傾げていた。
そこに、声がかかる。
「ああ、起きたかい、リア……だいぶ、疲れていたようだから、起きるまで、起こさなかったんだけどねぇ………今日はどうするんだい?」
と、人化したままのルリに言われて、首を左右になんとなく揺らす。
「ん~…取り敢えず、朝食を食べたら、また、大国ゼフィランスに向けて移動かな」
ちょっと考えて、セシリアは取り敢えずの方針を口にする。
「あっ…リアお姉ちゃん起きたんだぁ……朝ご飯できてるよぉ~……」
言われて、レオやグリフォンの雛もいないコトに気付く。
あららら……もしかして、私だけ朝寝坊したのかなぁ……ちょっと落ち込むわ
いや、いくら猫型の魔獣の成体のルリがいるとは言っても、妊娠中だし
ユナは、癒し枠だし………レオもグリフォンの雛も、癒し枠でしょ
グレンだって、元の身体に戻ったばかりなのに………
なんか、限界まで来ちゃってたのかなぁ?
緊張感がぶつんっと切れちゃったみたい?
はぁ~…取り敢えず、ユナが見に来たってことは、そう言うことね……たぶん
取り敢えず、私てきには、おはようよね
「うん…おはよう、ユナ…それから、ルリもね…ありがとう」
守ってくれての意味でそう言ったセシリアは、かけられていた毛皮をはいで、起き上がる。
はぁ~……身体がとても軽いわぁ~……いったい、何時ぶりかしらねぇ……この軽さ
って、あらあら、何時の間にか素足になってるわ
ブーツを脱がされて、お着換えもされているわ
やだわぁ~…あのデブデブな樽の姿を見られちゃったのぉ………がぁーん
はぁ~……どおりで、物凄く爽快なわけだわ
着替えは、たぶんルリとユナよね………グレンは無いわよね…うん、ないわよね
大事なコトなので、二度自分に言い聞かせたわ
だって、流石に、こんな相撲取りもかくやな姿、恥ずかしいじゃない
セシリアは、ルリかユナが着替えさせてくれたのだろうと決めつけけ、考えないことにした。
そんな中、気の利くユナが、セシリアの着替えを出す。
「はい、リアお姉ちゃん………ちゃんと、冒険者用の服にしたよぉ…あのドレス?って言う服は、動きにくそうだったから………ルリお姉ちゃんと相談して用意したの」
はい、決定…着替えはユナちゃんと、ルリでした……良かったぁ…ホッとするよ
そうだろうと思っても、グレンが着替えさせただったら、恥ずかしいじゃない
こんなデブデブでも、やっぱり女の子として、恥ずかしいじゃない
それにしても、冒険者用の服かぁ~…嬉しいわぁ~…テンション上がるわ
セシリアはいそいそと、ユナがサッと出してくれた動きやすい服に着替えて、精霊のブーツを履く。
はぁ~…嬉しいわぁ~…イヤだったのよねぇ…あの趣味の悪い藤紫色のドレス
品格がどうのとか言って、あの色ばかりで………
それに、スカート部分を拡げる為に履かされていたパニエ
レースがこれでもかっていうくらいに重ねられて、動きにくかったのよねぇ
ただ、着替えになるモノがなくて、ずっとあの姿だったからつらかったのよ…本当に
いくら、フード付きマントで、全身隠したって……体型はごまかせないし………
あの後、ずっと着替えるモノも、着替える暇もなかったから………
はぁ~…ありがとう…エルザ…カレン……女物を選んでくれたのは、あの2人よね
男物は、デュバインとバウね…きっと……本当に、助かったわぁ~………
はぁ~…朝ご飯食べたら、今度こそ貨幣価値を教えてもらわないとね
足を軽くトントンして、精霊のブーツがちゃんと履けているコトを確認し、ひとつ頷く。
「それじゃ…朝ご飯をたべましょうか……みんなは、もう食べたのかな?」
セシリアの言葉に、ルリは肩を竦めて答える。
「リアが気にすると思ったから、全員食べさせといたよ…グレンが渋ったけどね」
「うん、グレンお兄ちゃんてば、奴隷だからとか言って食べようとしなかったから……クスクス……ルリお姉ちゃんに、口移しで無理やり食べさせられて諦めたんだよぉ~」
そう言うユナの言葉に、ルリはケロリッと言う。
「なに、弱った個体にはアレが一番なんだよ……吐き戻しを与えなかっただけ、ありがたいと思ってもらわないとね」
と、野生の肉食獣なら、吐き戻しは当然と言うルリに、セシリアはクスッと笑う。
あぁ~…観て見たかったかもぉ~…妖艶美女に口移しを与えられるイッケメン
どんな顔して、グレンがルリに食べさせられたか………
残念だわぁ……明日は、ちゃんと早起きしよう
そんなコトを考えながら、セシリアは馬車から降りるのだった。
44
お気に入りに追加
696
あなたにおすすめの小説

誰からも愛されない悪役令嬢に転生したので、自由気ままに生きていきたいと思います。
木山楽斗
恋愛
乙女ゲームの悪役令嬢であるエルファリナに転生した私は、彼女のその境遇に対して深い悲しみを覚えていた。
彼女は、家族からも婚約者からも愛されていない。それどころか、その存在を疎まれているのだ。
こんな環境なら歪んでも仕方ない。そう思う程に、彼女の境遇は悲惨だったのである。
だが、彼女のように歪んでしまえば、ゲームと同じように罪を暴かれて牢屋に行くだけだ。
そのため、私は心を強く持つしかなかった。悲惨な結末を迎えないためにも、どんなに不当な扱いをされても、耐え抜くしかなかったのである。
そんな私に、解放される日がやって来た。
それは、ゲームの始まりである魔法学園入学の日だ。
全寮制の学園には、歪な家族は存在しない。
私は、自由を得たのである。
その自由を謳歌しながら、私は思っていた。
悲惨な境遇から必ず抜け出し、自由気ままに生きるのだと。

オバサンが転生しましたが何も持ってないので何もできません!
みさちぃ
恋愛
50歳近くのおばさんが異世界転生した!
転生したら普通チートじゃない?何もありませんがっ!!
前世で苦しい思いをしたのでもう一人で生きて行こうかと思います。
とにかく目指すは自由気ままなスローライフ。
森で調合師して暮らすこと!
ひとまず読み漁った小説に沿って悪役令嬢から国外追放を目指しますが…
無理そうです……
更に隣で笑う幼なじみが気になります…
完結済みです。
なろう様にも掲載しています。
副題に*がついているものはアルファポリス様のみになります。
エピローグで完結です。
番外編になります。
※完結設定してしまい新しい話が追加できませんので、以後番外編載せる場合は別に設けるかなろう様のみになります。

今さら言われても・・・私は趣味に生きてますので
sherry
ファンタジー
ある日森に置き去りにされた少女はひょんな事から自分が前世の記憶を持ち、この世界に生まれ変わったことを思い出す。
早々に今世の家族に見切りをつけた少女は色んな出会いもあり、周りに呆れられながらも成長していく。
なのに・・・今更そんなこと言われても・・・出来ればそのまま放置しといてくれません?私は私で気楽にやってますので。
※魔法と剣の世界です。
※所々ご都合設定かもしれません。初ジャンルなので、暖かく見守っていただけたら幸いです。

【完結】悪役令嬢に転生したけど、王太子妃にならない方が幸せじゃない?
みちこ
ファンタジー
12歳の時に前世の記憶を思い出し、自分が悪役令嬢なのに気が付いた主人公。
ずっと王太子に片思いしていて、将来は王太子妃になることしか頭になかった主人公だけど、前世の記憶を思い出したことで、王太子の何が良かったのか疑問に思うようになる
色々としがらみがある王太子妃になるより、このまま公爵家の娘として暮らす方が幸せだと気が付く

異世界リナトリオン〜平凡な田舎娘だと思った私、実は転生者でした?!〜
青山喜太
ファンタジー
ある日、母が死んだ
孤独に暮らす少女、エイダは今日も1人分の食器を片付ける、1人で食べる朝食も慣れたものだ。
そしてそれは母が死んでからいつもと変わらない日常だった、ドアがノックされるその時までは。
これは1人の少女が世界を巻き込む巨大な秘密に立ち向かうお話。
小説家になろう様からの転載です!

転生ヒロインは不倫が嫌いなので地道な道を選らぶ
karon
ファンタジー
デビュタントドレスを見た瞬間アメリアはかつて好きだった乙女ゲーム「薔薇の言の葉」の世界に転生したことを悟った。
しかし、攻略対象に張り付いた自分より身分の高い悪役令嬢と戦う危険性を考え、攻略対象完全無視でモブとくっつくことを決心、しかし、アメリアの思惑は思わぬ方向に横滑りし。

異世界に転生した社畜は調合師としてのんびりと生きていく。~ただの生産職だと思っていたら、結構ヤバい職でした~
夢宮
ファンタジー
台風が接近していて避難勧告が出されているにも関わらず出勤させられていた社畜──渡部与一《わたべよいち》。
雨で視界が悪いなか、信号無視をした車との接触事故で命を落としてしまう。
女神に即断即決で異世界転生を決められ、パパっと送り出されてしまうのだが、幸いなことに女神の気遣いによって職業とスキルを手に入れる──生産職の『調合師』という職業とそのスキルを。
異世界に転生してからふたりの少女に助けられ、港町へと向かい、物語は動き始める。
調合師としての立場を知り、それを利用しようとする者に悩まされながらも生きていく。
そんな与一ののんびりしたくてものんびりできない異世界生活が今、始まる。
※2話から登場人物の描写に入りますので、のんびりと読んでいただけたらなと思います。
※サブタイトル追加しました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる