悪役令嬢?当て馬?モブ?

ブラックベリィ

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0025★ビックリしちゃいました

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 セシリアはひとりと1頭がビンゴだったコトにホッとしつつ、何気なくユナを見下ろす。

 はぁ~…ユナの言葉って、子供だけに的を射たモノだったりするみたいね
 利害関係とか無いから、直観とか視たままを口にしてくれて………

 と、ユナの言葉に感謝していると………再び、耳元でピロ~ン………ピッピッピッ………という音が響く。

 えっ……ええっ?………うん?……ああ、まだ鑑定の魔道具稼働中だったんだ。

 セシリアの視線が動き、鑑定の対象がユナに移ったと判断されたた結果。

 ユナ
 リアの奴隷
 状態:呪い(軽)
 疑似記憶を植えられている
 誕生したばかりの神獣
 見た目は7つぐらい
 リアが大好き

 えっ……えぇぇぇぇぇぇぇぇぇ~……神獣って、あの神獣ですよねぇ
 狐型の神獣で思い付くのって、白狐……金毛九尾しかなないんですけど

 こっちでの神獣ってどんなモノなんでしょうねぇ
 星獣とか聖獣とか呼ばれるモノが存在しているのは知っていますけど……

 いや、実物は見たことないけれど………書物で……瑞獣としてでけだけど
 神獣の記述あるの……あの国では見たコトないわ……じゃない

 その事実にびっくりしたセシリアだったが、即座に決める。

 ここは、視なかったってコトにしちゃいましょう
 記憶の蓋をパタンと閉めて、鍵かけて無いないっ

 それにしても、グレンと猫型の魔獣は文字化けしたのに
 ユナは文字化けなしだったのって呪いによるモノなのかしらねぇ?

 こころの中でそう呟き、セシリアはユナに向き直って言う。

 「……うん……心配してくれてありがとう、ユナ……私は大丈夫よ」

 セシリアの言葉にホッとした表情になるユナに、当面の問題を聞いてみる。

 「実はね、あの猫型の魔獣は、妊娠中みたいなのよねぇ………」

 セシリアの言葉に、ユナはコクコクと頷きながら確認する。

 「えっと…赤ちゃんがいるってコト?」


 「うん…そうなのよ……なのに、あっちのグレン……お兄さんの方ね…と、魂を入れ替えられちゃって居るのよ」

 意味は理解できるかなぁ?と思いつつ言えば、ユナは小首を傾げる。

 神獣が持つ元からの記憶が無くても、疑似的な記憶を元にした知識はあると思う
 そんなユナなら、どんな答えをくれるかな?

 明確な答えじゃなくても良いのよ……そうなんでも良いのよ
 何か解決の糸口になるようなヒントになる、その可能性があるかもなんだから

 「んーと……魂が交換されているんだから………」

 と、左の人差し指を下唇にちょこんと付けて、ユナは考え込む。

 はぁ~…本当に愛らしいことぉ~……癒されるわぁ……
 そんな場合じゃないと思っても、なごむわぁ~………

 ちょっと考え込んでから、ユナはセシリアを見て言う。

 「あのね……魂って口から出るって……私を買いに来た人の誰か言ってたの………」

 ああ、それはたぶん、高すぎて手が出ない値段だから……かな?
 でも、確かに疲れすぎたり、驚いたりしたら、言うわね、その言葉

 「うん……それで?」

 うながしの言葉を言えば、ユナはチラリと1人と1頭を見て言う。

 「うん…だから口と口をくっつけたら、元に戻らないかな?」

 単純で短絡な思考かも知れないが、シンプルイズベストってヤツね
 まぁ……他に方法が思い付かないから、思い付いたら試すしかないわね

 なんども試行錯誤するしかないのよねぇ………
 魂を入れ替えた呪術師を探すのって難しいだろうしね

 ユナからの提案に、セシリアは頷く。

 「そうだね……一番単純なのが正解だったりするだろうしね」

 そんな会話を聞いていたらしい、1頭と1人はユナが言ったように、口をあわせる。
 大型の猫型の魔獣とグレンが、口付けとも言えない口付けをした瞬間に………。

 バチッ……バチバチッ……キキキキキキッ…ピシピシッ………ミキッ……

 と言う、不快極まりない音を響かせた後に、続いて異音が響く。

 メキョッ………バァーンッ………シャラシャラ……シャラーン……

 ガラスのようなモノが、粉々に砕け散るような音が響く。

 何事っという音が響いたコトで、木箱の中で熟睡していた猫型の魔獣の幼体がビックリした顔で飛び出して来て、セシリアの胸元にしがみつく。

 あははは………可哀想なコトしちゃったかなぁ?
 ……寝てたところにあの音はねぇ………

 呪術を解呪させない為の、魂を交換した呪術の反発かなぁ?
 あっ…っー…イタタタ…………爪が立ってる……けっこう…痛いわぁ

 びっくりしすぎて、鳴く余裕もなく腕の中に飛び込んできた猫型の魔獣の幼体を、ギュッと抱きしめて、セシリア宥めるようにナデナデしながら声をかける。

 「ビックリしちゃったのねぇ……大丈夫よぉ……怖かったねぇ……」

 ヨシヨシと何度も頭と背中を撫でてやれば、腕に立てられていた爪がスッと引く。
 そして、済まなそうな表情てで、セシリアを見上げる猫型の魔獣の幼体に、思わずその鼻先にチュッとキスをする。

 ああ…懐かしいなぁ………実家のトラミちゃん思い出すわ
 色々と前世の記憶…かけているけど、フッと思い出すのよねぇ………

 まあ……この子は…ちっちゃなモフモフのタマタマあるから男の子だけど
 家賃の安いアパートじゃ飼えなかったから……実家に帰るたびに撫でてたのよねぇ

 しみじみと、前世のひとときを思い出し浸るが、今はそんな時じゃないことを直ぐに思い出し、猫型の魔獣の幼体をナデナデしつつ、グレンと成体の猫型の魔獣へと視線を向ける。

 と、其処には、ぼう然としたグレンが無意識に自分の両手を目の前にあげて見ている姿があった。

 猫型の魔獣は猫型の魔獣で、身体を伸ばしたり尻尾を振り回したりしていた。

 勿論、長く太いモフモフの尻尾を、その辺の物に当てたりしないように気遣いながら動かしている。

 そのグレンと猫型の魔獣の姿に、セシリアはびっくりしていた。

 ええええええ…………もしかして……本当に…戻ったってことぉ?
 単純明快が正解ってことなの?……流石、神獣ユナのお言葉だわ


 








    
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