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[番外編]間宮さんはヒロインにはならない2(12話の間宮視点、SS)
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教室の端っこで春風くんと他愛ない話や恋バナをしていた。春風くん相手だと、馬が合う女の子同士で話してるみたいで話題が尽きなくて夢中になってしまった。
視線を感じてそちらを向くと、一之瀬くんと目が合ってさっき一之瀬くんの話題になってた事もあって軽く手を振った。一之瀬くんも少し笑って振り返してくれた。
「一之瀬は今可愛い顔をしていたね。僕よりも間宮さんみたいな女の子だと嬉しいのかな……」
寂しそうに春風くんは話す。春風くんの儚げな表情に熱い心が動かされた。私が春風くんと一之瀬くんの仲を取り持とうと行動に移す。
「春風くん、ここは私に任せて!」
「うん……ありがとう、間宮さん」
私の言葉に春風くんが安心したかように軽く笑顔を浮かべる。私は一之瀬くんにこちらに来るように手を振ったら歩いて目の前まで来てくれた。
(まずは春風くんのいい所をアピールしないと)
私は春風くんの魅力的な人柄を伝えようと一之瀬くんに一生懸命に熱く語った。まるで選挙前の立候補者が街頭演説するようにアピールをした。一之瀬くんは最初は頷いてはいたけど、次第に春風くんを睨んでるかのような目をしていた。
「一之瀬、僕は間宮さんとは何もないからね。嫉妬しなくてもいいんだからな」
「くっ……余裕かよっ」
そのやり取りを聞いて春風くんと一之瀬くんはいつの間に上手くいっているような様子に心が暖かくなる。
あ、私ったら余計な事言っちゃった。一之瀬くんが私に嫉妬するのは当たり前だよね。
「ハッ、私ったら……。気付かなくてごめんね、一之瀬くん」
「いいや、俺は別に……」
一之瀬くんが悲しそうな表情をしていた。春風くんを想ってそんな顔をしてるんだね。私はそんな一之瀬くんに対して罪悪感を抱いた。ここは誤解を解かないといけない。
「春風くんの良さを伝えたくてついつい一之瀬くんの気持ちまで考えてなかったね!」
「……へ? 気持ち?」
一之瀬くんは暫し呆然とした顔をして徐々に顔が赤く染まっていった。きっと春風くんの事を考えて恥ずかしくなったんだね。
「大丈夫だよ。一之瀬くんと春風くんの気持ちは一緒だと思うよ!」
君達は両想いなんだよ。心配なんてしなくていいの。愛と友情と情熱を育んで欲しいと言う意味を込めて熱心に伝えた。しかし、その一之瀬くんは予想とは違う表情をしていた。
(ううん? 思ってたのと違う反応だ……)
一之瀬くんは魂が抜けたかのような顔をしていた。目には力がなく遠くを見ているようだった。春風くんの方を見たら、申し訳なさそうな顔をしていて「本当にそうだったらいいんだけどね……」と小さく呟いていた。
私はまた余計な事を言ったのかなと応援している春風くんにすごーく謝りたい気持ちになった。でも今度こそは上手く行くように熱い思いを燃え上がらせる。
(頑張れ、私!)
視線を感じてそちらを向くと、一之瀬くんと目が合ってさっき一之瀬くんの話題になってた事もあって軽く手を振った。一之瀬くんも少し笑って振り返してくれた。
「一之瀬は今可愛い顔をしていたね。僕よりも間宮さんみたいな女の子だと嬉しいのかな……」
寂しそうに春風くんは話す。春風くんの儚げな表情に熱い心が動かされた。私が春風くんと一之瀬くんの仲を取り持とうと行動に移す。
「春風くん、ここは私に任せて!」
「うん……ありがとう、間宮さん」
私の言葉に春風くんが安心したかように軽く笑顔を浮かべる。私は一之瀬くんにこちらに来るように手を振ったら歩いて目の前まで来てくれた。
(まずは春風くんのいい所をアピールしないと)
私は春風くんの魅力的な人柄を伝えようと一之瀬くんに一生懸命に熱く語った。まるで選挙前の立候補者が街頭演説するようにアピールをした。一之瀬くんは最初は頷いてはいたけど、次第に春風くんを睨んでるかのような目をしていた。
「一之瀬、僕は間宮さんとは何もないからね。嫉妬しなくてもいいんだからな」
「くっ……余裕かよっ」
そのやり取りを聞いて春風くんと一之瀬くんはいつの間に上手くいっているような様子に心が暖かくなる。
あ、私ったら余計な事言っちゃった。一之瀬くんが私に嫉妬するのは当たり前だよね。
「ハッ、私ったら……。気付かなくてごめんね、一之瀬くん」
「いいや、俺は別に……」
一之瀬くんが悲しそうな表情をしていた。春風くんを想ってそんな顔をしてるんだね。私はそんな一之瀬くんに対して罪悪感を抱いた。ここは誤解を解かないといけない。
「春風くんの良さを伝えたくてついつい一之瀬くんの気持ちまで考えてなかったね!」
「……へ? 気持ち?」
一之瀬くんは暫し呆然とした顔をして徐々に顔が赤く染まっていった。きっと春風くんの事を考えて恥ずかしくなったんだね。
「大丈夫だよ。一之瀬くんと春風くんの気持ちは一緒だと思うよ!」
君達は両想いなんだよ。心配なんてしなくていいの。愛と友情と情熱を育んで欲しいと言う意味を込めて熱心に伝えた。しかし、その一之瀬くんは予想とは違う表情をしていた。
(ううん? 思ってたのと違う反応だ……)
一之瀬くんは魂が抜けたかのような顔をしていた。目には力がなく遠くを見ているようだった。春風くんの方を見たら、申し訳なさそうな顔をしていて「本当にそうだったらいいんだけどね……」と小さく呟いていた。
私はまた余計な事を言ったのかなと応援している春風くんにすごーく謝りたい気持ちになった。でも今度こそは上手く行くように熱い思いを燃え上がらせる。
(頑張れ、私!)
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