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EPISODE 03・処女の血を啜る女
Prolog
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1996年12月14日 00:00
上層界ミズガルドから離れた薄気味悪い名も無き森。
その中には人里離れた巨大な屋敷がポツンと一軒建てられている。
真夜中だと言うのに灯りが灯されておらず、古くから建てられているためか、いつしか人々はそこを廃墟と呼ぶようになってしまったが...この屋敷には色々と噂があった。
中でも一番有名なのは、満月の近い夜になると若い少女の悲鳴が聞こえてくるという、何とも不気味な話である。
そして今夜は満月...噂通りであれば、無人の廃墟から少女の悲鳴が聞こえてくるはずだが...。
「あら?もう死んじゃったの?」
今夜はそうとも限らないらしく、悲鳴こそは聞こえなかった。
ただ代わりと言えばなんとやら。聞こえてきたのは年端のない赤ドレスに身を包む、美しい女性の独り言のみ。
だが言ってることは穏やかではなく、彼女の口周りには意味深な赤い液体がべっとりと染み付いている。
そして目の前には...どういう訳か、鎖で手足を縛られ、宙吊りにされている少女の死体の姿が...。
死体の状況からして、これといった暴行は受けていないようで、激しい損傷箇所こそ見られないが、彼女の首筋には痛々しい一線の傷跡が残されている。
どうやら死体の前に立つ女性の仕業らしい。その証拠にナイフのように鋭く尖った指先の爪が生々しい鮮血に染まっている。
「まだよ...まだ足りないわ。もっと私に生き血を寄越しなさい...」
死体となった少女に興味が失せたのか、女性はペロリと蛇のように長い舌を靡かせながら、暗闇の中へと消えていった...。
EPISODE・04
処女の血を啜る女
上層界ミズガルドから離れた薄気味悪い名も無き森。
その中には人里離れた巨大な屋敷がポツンと一軒建てられている。
真夜中だと言うのに灯りが灯されておらず、古くから建てられているためか、いつしか人々はそこを廃墟と呼ぶようになってしまったが...この屋敷には色々と噂があった。
中でも一番有名なのは、満月の近い夜になると若い少女の悲鳴が聞こえてくるという、何とも不気味な話である。
そして今夜は満月...噂通りであれば、無人の廃墟から少女の悲鳴が聞こえてくるはずだが...。
「あら?もう死んじゃったの?」
今夜はそうとも限らないらしく、悲鳴こそは聞こえなかった。
ただ代わりと言えばなんとやら。聞こえてきたのは年端のない赤ドレスに身を包む、美しい女性の独り言のみ。
だが言ってることは穏やかではなく、彼女の口周りには意味深な赤い液体がべっとりと染み付いている。
そして目の前には...どういう訳か、鎖で手足を縛られ、宙吊りにされている少女の死体の姿が...。
死体の状況からして、これといった暴行は受けていないようで、激しい損傷箇所こそ見られないが、彼女の首筋には痛々しい一線の傷跡が残されている。
どうやら死体の前に立つ女性の仕業らしい。その証拠にナイフのように鋭く尖った指先の爪が生々しい鮮血に染まっている。
「まだよ...まだ足りないわ。もっと私に生き血を寄越しなさい...」
死体となった少女に興味が失せたのか、女性はペロリと蛇のように長い舌を靡かせながら、暗闇の中へと消えていった...。
EPISODE・04
処女の血を啜る女
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