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第2章 -少女期 復讐の決意-
105.閑話 Side天敵 復讐の足音
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Side 天敵達の牢
悪魔は牢屋に入れられ震える”玩具(アイリ)”達ぐらいから戻っていた。
折角の面白い場面(牢に入れられる場面)を見逃したと気付いた時は、”仕込み”に手間取ったことを少し後悔したものだ。
ギャーギャーと五月蠅く自分達の地位に酔いしれ、他者を見下していた奴等が日に日に弱っていく姿は大層滑稽だったし、ステイン元伯爵一人の処刑が決まり別の牢に移る時なんか本当に最高だった!
「助けてくれえええぇぇぇぇええ!!」と泣き叫ぶ夫・父・祖父に、”処刑(死ぬの)はあの人だけだ”と分かり安堵する女共。
さっきまで一緒に縮こまり、オッサンを頼りにしてたのに!家族なのに!
本当、人間って面白れぇ!!!
因みに、悪魔はアイリに姿を見せないまま過ごしていた。
悪魔は気づいたのだ。ギャーギャーと五月蠅い奴の相手なんかしないでも良いと。
アイツがポンコツ過ぎてサッサとこの劇が終わって(死んで)しまおうとしても、自分が影からちょこちょこ動いていい具合に回避すればいい話だ。
馬鹿正直にアイツの相手になんかならなくても、いくらでもやり方があるのだと。
それからは堂々と、アイツの相手もせず…勝手に自滅していく様を面白可笑しく観察していた。
そして今日、やっと自分の”仕込み”が実ったらしく動きがあった。
「いやぁ!!!嫌よ、どうしてっどうして私があんな醜い男の元へっ!!!絶対に、絶対に嫌!!!なぜ格下の子爵で、それも変態と名高いブ男の妻にならなきゃいけないのよ?!?!
私は、公爵…っ!マシュー様の元妻よ?!?!この際貴族じゃなくても、それなりに資産のある見てくれの良い商人や騎士に嫁いだ方がマシよ!!!誰か、その条件の縁談を持って来なさいよ!!!」
「モリー!!!いい加減になさいっ!!お父様が処刑される今、頼れるのは貴女の再婚しかないのよ?!それに、モタモタしていたら私達まで処刑されるかもしれないわ!!早く貴族籍を取り戻さなければ…!!!こんな状況でも、子爵クラスから後妻とはいえ縁談が来ていることが奇跡!!
しかもあの気持ちの悪い子も、そして義母になる私も引き取ってくれるなんてっ…!!こんな良い条件の縁談、他にないわ!!
…それに、持参金もなく、後ろ盾も無い犯罪者の娘である貴女なんか、庶民からですら他に縁談など来るはずがないでしょう。噓偽りなく、今来ている縁談はこの子爵のみです。
こんなことなら、タンジ公爵家なんぞに拘らずサッサと有力貴族と再婚させておけば良かったわ…!!あぁ、腹立たしい…!!!
貴女に拒否権などありませんっ!!変態だろうと格下だろうと貴族には変わりないわ!!子爵には早々に了承の旨返事を出して、さっさとこの薄ら寒い牢から出してもらいますっ!!!」
「はぁ、一時はどうなることかと思ったけど、やっぱり最終的にはヒロインは助かる様に出来てるのよ!
お母様、いい歳こいて駄々こねるなんて本っ当情けないわよ!さっさとお金持ちの貴族様と再婚して、アイリを可愛い部屋に連れて行ってよ!」
イヤイヤッ!と両手で頭を抱えその目に絶望を抱えながら発狂するモリーに、折角の申し出を断ろうとする馬鹿娘に憤怒するモリーの母、そしてそんな母達の様子など知ったことではないと言わんばかりにあっけらかんと調子の良いことを言うアイリ…。
3人の姿は髪もボサボサ、頬もこけ顔色も悪く既にボロボロだ。
そりゃあそうだろう。今まで温室でしか生活してなかった貴族令嬢達には、今の状況は堪えるだろう。
モリーの母の言うことは最もだ。モリーも頭では分かっているが、心が追い付いていない様子だ。
少し前までは公爵夫人であり、冷酷ながらも美大夫なマシューの妻だったのだ。
お茶会では格下に嫁いだ女達を見下し、見目の悪い相手に嫁いだ女達を憐みつつも嘲笑っていたのに…今となっては、自分がその立場になっている。
モリーにとっては実の父親が処刑されるよりも、よっぽど酷な出来事であった。
いつまでも泣き喚き恨み言を言うモリーの様子に我慢出来なくなったモリーの母は、鉄格子の向こうで待機している子爵家の使者に「是非、お受けする。一刻も早く手続きをお願いいたします。」と本人を後目に返事をした。
そんな母の言葉を聞き、益々泣き喚くモリーであったが…どこかで諦めたのだろう、反論することは無かった。
そんなモリー達の様子を冷めた目で見ていた子爵家の使者は、恭しく礼をして早々に去って行った。
「あぁ、やっと!これでまともな環境に身を置けます。モリー、今は泣くしかないでしょうが、落ち着いたら母様の美しい容姿を引き継いで生まれたことに感謝するでしょう。
私も、母様の様に美しく生まれてくれたお前に心底感謝してますよ。あぁ、男児でないと初めは嘆きましたが…公爵家にも嫁げてこうして危機も乗り越えられて…本当に良かったわ。」
「あーー!さっさとこんな所出たいわーー!!アンタ達も聞いたでしょ?アイリは子爵家の令嬢になるの!もう犯罪者の孫娘じゃない、本物の貴族に戻るのよ!!分かったらさっさとこんな牢屋から出して、温かいベッドと食事を用意しなさいよ!!あとお風呂も!!全く、気が利かないわね!
新しいお父様に会ったら、いの一番にアンタ達を処罰してもらうんだから!貴族のアイリ達をこんな目に合わせたんだもの、さっさという通りにしないと処刑するように言っちゃうんだからね!」
絶望にむせび泣く娘や母の心情などどうとも思ってないのだろう…。
厚かましく、図太いその姿は流石祖母と孫。とても良く似ていた。
あぁ~~~あ、折角の捕まって絶望して弱っていく面白い所も、見納めかぁ~。
一筋の光が差してしまった奴等は、体の方はまだしも目がランランと輝いていた。
これは今からまた五月蠅くなるだろうな~と悪魔はつまらなそうに考えた。
────だが、本当にコイツ等と”あの家”の縁が結べて良かった。
悪魔はその文字通りの存在らしく、ニタァッと嫌な笑みを浮かべ…実は人知れず気分が上がっていた。
いやぁ、あの当主の犯罪内容知らなかったとはいえ、一緒に捕まったから一緒に処分されるかもと焦ったが良かったぁ~。
”処刑”なんてつまんねぇ最後にさせるとか、本当勿体無ぇもんな!
次のステージとして色々物色して、折角イイトコロ見つけたのに無駄になるんじゃ…とか柄にもなく焦ったけど良かったぜ。
出来る限り玩具(アイリ)とあの家の縁結んでやったけど、俺の玩具(アイリ)以外の人間は完全に干渉出来ねぇからどっちに転ぶか分かんなかったもんなぁ。
本当、どこの誰だか知らねぇが後押ししてくれた奴に感謝しかねぇぜ!
悪魔は鼻歌を歌いながら、上機嫌に寝転がり今後の展開を思って笑う。
あぁ~~~♪玩具(アイリ)の歪む顔、早く見たいぜ♪サッサと迎えに来ねぇかなぁ~♪
悪魔は牢屋に入れられ震える”玩具(アイリ)”達ぐらいから戻っていた。
折角の面白い場面(牢に入れられる場面)を見逃したと気付いた時は、”仕込み”に手間取ったことを少し後悔したものだ。
ギャーギャーと五月蠅く自分達の地位に酔いしれ、他者を見下していた奴等が日に日に弱っていく姿は大層滑稽だったし、ステイン元伯爵一人の処刑が決まり別の牢に移る時なんか本当に最高だった!
「助けてくれえええぇぇぇぇええ!!」と泣き叫ぶ夫・父・祖父に、”処刑(死ぬの)はあの人だけだ”と分かり安堵する女共。
さっきまで一緒に縮こまり、オッサンを頼りにしてたのに!家族なのに!
本当、人間って面白れぇ!!!
因みに、悪魔はアイリに姿を見せないまま過ごしていた。
悪魔は気づいたのだ。ギャーギャーと五月蠅い奴の相手なんかしないでも良いと。
アイツがポンコツ過ぎてサッサとこの劇が終わって(死んで)しまおうとしても、自分が影からちょこちょこ動いていい具合に回避すればいい話だ。
馬鹿正直にアイツの相手になんかならなくても、いくらでもやり方があるのだと。
それからは堂々と、アイツの相手もせず…勝手に自滅していく様を面白可笑しく観察していた。
そして今日、やっと自分の”仕込み”が実ったらしく動きがあった。
「いやぁ!!!嫌よ、どうしてっどうして私があんな醜い男の元へっ!!!絶対に、絶対に嫌!!!なぜ格下の子爵で、それも変態と名高いブ男の妻にならなきゃいけないのよ?!?!
私は、公爵…っ!マシュー様の元妻よ?!?!この際貴族じゃなくても、それなりに資産のある見てくれの良い商人や騎士に嫁いだ方がマシよ!!!誰か、その条件の縁談を持って来なさいよ!!!」
「モリー!!!いい加減になさいっ!!お父様が処刑される今、頼れるのは貴女の再婚しかないのよ?!それに、モタモタしていたら私達まで処刑されるかもしれないわ!!早く貴族籍を取り戻さなければ…!!!こんな状況でも、子爵クラスから後妻とはいえ縁談が来ていることが奇跡!!
しかもあの気持ちの悪い子も、そして義母になる私も引き取ってくれるなんてっ…!!こんな良い条件の縁談、他にないわ!!
…それに、持参金もなく、後ろ盾も無い犯罪者の娘である貴女なんか、庶民からですら他に縁談など来るはずがないでしょう。噓偽りなく、今来ている縁談はこの子爵のみです。
こんなことなら、タンジ公爵家なんぞに拘らずサッサと有力貴族と再婚させておけば良かったわ…!!あぁ、腹立たしい…!!!
貴女に拒否権などありませんっ!!変態だろうと格下だろうと貴族には変わりないわ!!子爵には早々に了承の旨返事を出して、さっさとこの薄ら寒い牢から出してもらいますっ!!!」
「はぁ、一時はどうなることかと思ったけど、やっぱり最終的にはヒロインは助かる様に出来てるのよ!
お母様、いい歳こいて駄々こねるなんて本っ当情けないわよ!さっさとお金持ちの貴族様と再婚して、アイリを可愛い部屋に連れて行ってよ!」
イヤイヤッ!と両手で頭を抱えその目に絶望を抱えながら発狂するモリーに、折角の申し出を断ろうとする馬鹿娘に憤怒するモリーの母、そしてそんな母達の様子など知ったことではないと言わんばかりにあっけらかんと調子の良いことを言うアイリ…。
3人の姿は髪もボサボサ、頬もこけ顔色も悪く既にボロボロだ。
そりゃあそうだろう。今まで温室でしか生活してなかった貴族令嬢達には、今の状況は堪えるだろう。
モリーの母の言うことは最もだ。モリーも頭では分かっているが、心が追い付いていない様子だ。
少し前までは公爵夫人であり、冷酷ながらも美大夫なマシューの妻だったのだ。
お茶会では格下に嫁いだ女達を見下し、見目の悪い相手に嫁いだ女達を憐みつつも嘲笑っていたのに…今となっては、自分がその立場になっている。
モリーにとっては実の父親が処刑されるよりも、よっぽど酷な出来事であった。
いつまでも泣き喚き恨み言を言うモリーの様子に我慢出来なくなったモリーの母は、鉄格子の向こうで待機している子爵家の使者に「是非、お受けする。一刻も早く手続きをお願いいたします。」と本人を後目に返事をした。
そんな母の言葉を聞き、益々泣き喚くモリーであったが…どこかで諦めたのだろう、反論することは無かった。
そんなモリー達の様子を冷めた目で見ていた子爵家の使者は、恭しく礼をして早々に去って行った。
「あぁ、やっと!これでまともな環境に身を置けます。モリー、今は泣くしかないでしょうが、落ち着いたら母様の美しい容姿を引き継いで生まれたことに感謝するでしょう。
私も、母様の様に美しく生まれてくれたお前に心底感謝してますよ。あぁ、男児でないと初めは嘆きましたが…公爵家にも嫁げてこうして危機も乗り越えられて…本当に良かったわ。」
「あーー!さっさとこんな所出たいわーー!!アンタ達も聞いたでしょ?アイリは子爵家の令嬢になるの!もう犯罪者の孫娘じゃない、本物の貴族に戻るのよ!!分かったらさっさとこんな牢屋から出して、温かいベッドと食事を用意しなさいよ!!あとお風呂も!!全く、気が利かないわね!
新しいお父様に会ったら、いの一番にアンタ達を処罰してもらうんだから!貴族のアイリ達をこんな目に合わせたんだもの、さっさという通りにしないと処刑するように言っちゃうんだからね!」
絶望にむせび泣く娘や母の心情などどうとも思ってないのだろう…。
厚かましく、図太いその姿は流石祖母と孫。とても良く似ていた。
あぁ~~~あ、折角の捕まって絶望して弱っていく面白い所も、見納めかぁ~。
一筋の光が差してしまった奴等は、体の方はまだしも目がランランと輝いていた。
これは今からまた五月蠅くなるだろうな~と悪魔はつまらなそうに考えた。
────だが、本当にコイツ等と”あの家”の縁が結べて良かった。
悪魔はその文字通りの存在らしく、ニタァッと嫌な笑みを浮かべ…実は人知れず気分が上がっていた。
いやぁ、あの当主の犯罪内容知らなかったとはいえ、一緒に捕まったから一緒に処分されるかもと焦ったが良かったぁ~。
”処刑”なんてつまんねぇ最後にさせるとか、本当勿体無ぇもんな!
次のステージとして色々物色して、折角イイトコロ見つけたのに無駄になるんじゃ…とか柄にもなく焦ったけど良かったぜ。
出来る限り玩具(アイリ)とあの家の縁結んでやったけど、俺の玩具(アイリ)以外の人間は完全に干渉出来ねぇからどっちに転ぶか分かんなかったもんなぁ。
本当、どこの誰だか知らねぇが後押ししてくれた奴に感謝しかねぇぜ!
悪魔は鼻歌を歌いながら、上機嫌に寝転がり今後の展開を思って笑う。
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