転生した復讐女のざまぁまでの道のり 天敵は自分で首を絞めていますが、更に絞めて差し上げます

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第2章 -少女期 復讐の決意-

67.プレデビュタント -4-

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 先程リリーに対して心配そうに、ザ・王子様の様な紳士的な対応をしていた人物から出た言葉とは思えない温度のない言葉に、アイリーンはポカーンと口を開けたまま固まっていた。


 そんな貴族令嬢らしからぬ態度に、セシルは嫌な笑みを浮かべながらクスクスと嘲笑う。
 「まぁまぁ、公爵令嬢とは思えぬ顔ですわね、はしたない。・・・そんなに口を開けても、エサを持ってきてくれる親鳥などいませんわよ?」

 「なっ・・・!う、うるさいわね!本っ当意地悪令嬢ね!!皆さん聞きまして?!これがこの女の正体ですよ?!グレンがあんな捻くれたのも、アンタのせいね!!!許せないっ・・・!!」

 「あら?グレンがあんなに自分の意志を臆せずに言えるようになったのは貴女のお陰でもあるのよ?・・・私の可愛い弟を、昔よ~く”可愛がって”くれたみたいじゃない、私貴女に会ったら言ってやりたいことがあったの。丁度いいわ、リリーのこともあるしね?」

 そういうとセシルは凛と背筋が伸びた綺麗な姿勢でアイリーンに近づいた。


 パンッ!!!!・・・バキャッ!!

 「よくも私の弟を泣かせてくれたわね、これはあの子が受けた傷の本の一部よ。優しいあの子はこの痛みの数倍、いえ数十倍傷ついたの。それにリリーにあんな乱暴するなんて・・・!貴女、少しは他人の痛みを知りなさいな。それが分かったら、あんな酷いことこれから出来やしないでしょう。」

 セシルは持っていた扇子を閉じ、思いっきりアイリーンの頬に叩きつけた。
 余りの衝撃に扇子が無様に壊れてしまった。

 その思い切りの良さに一同は驚いたが、・・・子息である自分達が決して出来ない鉄槌を下してくれてとても有難く思った。
 クリス王子は感激の余り、セシルをヒーローでも見ているかのようなキラキラした目で見つめていた。


 アイリーンは衝撃に耐えきれずによろけ、そのまま下に座り込んだ。
 叩かれた頬を押さえながら、キッとセシルを睨みつける。

 「アンタ・・・!!誰に暴力振るったか分かってんの?!アイリは公爵令嬢なのよ?!・・・アンタも公爵令嬢だとか関係ない!!アンタの本性も皆見てるし、これで言い逃れは出来ないわよ?!この暴力女!!アイリにこんなことして・・・!!絶対に後悔させてやるんだから!!!・・・ルーカス様!エディ様!!見てましたよね?!この意地悪な令嬢が・・・可憐なアイリに暴力を!!この者を捕えてください!!」

 余りの騒ぎに、テラス近くの者を中心にこちらに注目している者達が増えていた。
 その群衆達とルーカス達に、アイリーンは被害者であるということを前面にアピールしながら訴えかけた。

 アイリーンがウソ泣きをしながら近くにいたエディに近づき手を伸ばすと、エディはその手が触れないように身を躱した。

 「エ、エディ様・・・??」

 「君にエディと呼ばれる筋合いはないと言ったはずだ。・・・今度その名を呼んでみろ、その軽い頭その胴体から外してやるよ。・・・セシルが暴力女だと?体調の悪いリリーを無理矢理引っ張って傷つけたお前の方がよっぽど暴力女だろう。お前が俺達にしたこと、決して忘れないぞ・・・。このバジル家を敵に回したこと、精々後悔するといい。俺はリリーが心配だ、先に失礼させてもらう。───セシル、ありがとう。君のお陰でまだ理性が保てたよ。君が殴ってくれなかったら・・・。今度改めてお礼をさせてくれ。」

 エディはセシルの手の甲にキスを送り、颯爽と帰っていった。
 セシルは思わぬエディの甘い行動に顔を赤くさせ、先程扇子を壊してしまったことを少し後悔した。


 アイリーンはエディの後ろ姿を愕然とした表情で見送り、ブツブツとまるで呪いを唱えるような行動を見せる。

 「う、嘘よ嘘嘘嘘・・・全部嘘よ!!やっぱり私はまだ寝てるのかしら?おかしい・・・私が主役のはずなのに何でこんなに上手くいかないの・・・?あんだけ決定的な悪役令嬢の暴力シーン見せつけたのに・・・ま、まさか!!あの公爵令嬢、魅了の魔法を使ってるとか・・・?!」


 気が触れた者の様な行動に、見ていた群衆達は気味が悪いとアイリーンから目を離した。
 群衆の中の何人かは親に「あのタンジ家の弱みになる者なんだ、接触してこい!」と命じられていたが、実際にアイリーンの不気味な色彩を見て・・・そしてその狂気的な性格を垣間見ると、近づくことすらできなくなっていた。
 (((後で怒られても良いから近づきたくないっ!!!)))と必死だった。


 アイリーンはバッと立ち上がると、エディよりセシルに意識が無さそうなルーカスに縋りつくように近寄ってきた。

 「ル、ルーカス王子は違いますよね?!あの女の毒牙にかかってないですよね?!だって、あの女アイリをぶったんですよ?!何も悪いことしてないアイリを!!・・・ルーカス王子は分かってくれますよね?虐められて王宮で冷遇されてる王子なら、人間の本質が分かってますよね??・・・アイリはただルーカス王子と仲よくなりたかっただけなんです!それをあの女は脅威に感じて・・・!本当、貴族令嬢って狡賢い奴ばっかりで嫌になりますね?でも大丈夫です、ルーカス王子にはアイリが付いてますから」

 「その汚い声を聞かせるなと言ったはずだ。」

 伸ばされたアイリーンの手をパンッと薙ぎ払い、まるで害虫を見るような目でアイリーンを見つめる。

 「そもそも俺は王宮で冷遇などされていない。よくもその様な根拠もない戯言を。確かに私は側妃の子だが、だから何だ?クリスも正妃も父である王も、そして王宮で働く使用人でさえそんな些細な事は気にしていない。私をちゃんと一個人の”ルーカス”として慈しみ、愛してくれている。・・・彼等までも侮辱するようなその言葉、撤回せよ!!!それにリリーは本当に病弱なんだ、貴様と違ってな?セシルの行動もよくやったとむしろ誇らしいよ。彼女が手を下さなかったら、弟の晴れ舞台に血をみせるところだった。」

 セシルの下へ近づき、セシルの手の甲にエディと同じくキスをしてアイリーンに見せつける。

 「・・・貴様の本質とやらは腐っているな、俺なら分かるんだろ??貴様は救いようのないところまで性根が腐っている。”グモヌンの糞”とは我が弟ながらよく言ったものだ。ピッタリじゃないか!!・・・それに、貴様は自分を美しいと思っているようだが、伯爵家の屋敷には鏡がないのか?・・・そんなボサボサの髪に少女のくせにそんな色のドレスを着て・・・。センスもマナーもなってないな。クリスは勿論、エディも、勿論俺もそんな女好きになるわけないだろっ」

 ハッと鼻で笑い、・・・この時ばかりは素のルーカスが出てしまったようだ、冷酷と恐れられている冷たい目と雰囲気でトドメを指した。

 「俺も失礼する。リリーが心配なんでな、・・・貴様と違って繊細なんだ、あの子は。・・・セシルはグレンと一緒に来なさい。クリス、お前は一応父様から許可を貰って来なさい。・・・あぁ、なんだ、父様いらっしゃったんですか。そういうことですので、私はこれで。・・・失礼。」


 いつの間にかグレンと・・・そして数人引き連れて到着していた国王と大人達に気付き、何か言われる前にとそそくさとその場を後にした。


 国王はカオスなこの場に若干白目を剥いてるし、着いてきたショーンは息子であるグレンの頭を撫でながら、面白そうにニヤついていた。




 ──────エディに続いてルーカスにも袖にされ・・・そしてこんな大勢の前で恥をかかされたアイリーンは、怒りと羞恥で震えていた。


 「・・・ハッ、無様だな。いっそ笑えてくる。貴様はこの会の催し物担当だったのか?・・・にしてはやりすぎたな。”あの”バジル家のご息女にケガをさせるなど・・・貴様許されると思うなよ?まったく、ステイン伯爵家は満足に子どもの教育も出来ないらしい。」

 国王の傍からアイリーンに近づき、鼻で笑いながらアイリーンを煽る声が聞こえた。

 

 その言葉を聞いたアイリーンは、カッとなってその声の発生源に向かって噛みついた。

 「誰よオッサン!!!アンタ誰に口利いてると思ってんの?!アイリは公爵令嬢なのよ?!どこの誰だか知らないけど、アンタなんかお父様に言って処刑してやるんだから!!それに、私は被害者なのよ?!そこの女に殴られたのっ!!何も知らない外野が口出ししてくんじゃないわよ!!!」

 会場に入場した時よりも乱された髪形に、血走った目で・・・まるでヤバイ薬物でもやっているかのようなアイリーンの姿に周囲は後退りして更に距離を取る。


 しかしその言葉を受けた者は心底愉快そうに笑い、国王に振り向いた。

 「いやぁ、愉快ですね国王。・・・あれ程言った私の話を真剣に聞かないからですよ、私は十分警告していたので、今回の事は一切責任を取りませんから。」

 「マシュー・・・うぅぅうむっ・・・それは・・・・」

 国王は苦々しい表情でムムムゥと唸っている。


 また無視されたと感じたアイリーンは国王にも噛みついた。


 「ちょっと王様!!アンタの息子の教育どうなってんのよ?!・・・あんなバカ女に騙されるわ、人に暴言吐くわ・・・!!この国は終わりよ!!バカ王子ばっかで!!何やってんのよ?!アイリに相応しい王子じゃないなんてっ!!!私婚約破棄するわっ!!絶対あんな王子達と結婚してやんないんだから!!!」


 言われた国王は初めギョッとしていたが、段々と唖然として開いた口が塞がらなかった。


 「・・・おい、貴様。その言葉・・・不敬罪は免れぬぞ、知ってて吐いたのか?・・・どこまでバカなんだ。いっそ哀れだな。」

 「何よ?!不敬罪???知ったこっちゃないわ!なんで事実を言って裁かれなくちゃいけないのよ?!独裁者だったなんて・・・!!この国ごと腐ってるわね!!」

 「・・・はぁ、もうその汚い口を開けるな。虫唾が走る。・・・おい!!!衛兵!!コイツを地下牢に閉じ込めておけ。・・・これだけ大勢の前で王家に対して暴言を吐いたんだ。いくら成人前でも何らかの裁きが必要だろう。それに、貴族令嬢に対して暴行もしたようだしな。」


 男の言葉に衛兵が駆け寄り、アイリーンを拘束して連れていこうとする。

 「ちょっと・・・!!何すんのよ?!私は公爵令嬢なのよ?!・・・こんなことしていいと思ってんのオッサン!!!私のお父様が知ったら、アンタ達なんて皆殺しだからね!!!」


 それでも喚き抵抗するアイリーンに、男はスッと表情を無くし・・・威圧を出しながらアイリーンの傍に寄って冷酷に見下した。


 「・・・残念だったな、これでも私は公爵家当主でね。・・・”初めまして”、私はマシュー・タンジ。タンジ公爵家当主で・・・君の母君とは昔婚姻関係にあったものだ。今は離縁調節中だがね?・・・あぁ、情けないことに、君の母君に不貞をされていたようでね。そうだ、家に帰った際には母君に伝えておいてくれないか?「そろそろ次の嫁ぎ先を探しておくように」と。・・・さぁ、連れて行け。」


 アイリーンは男・・・マシューの言葉を正確に理解出来なかった。
 いや・・・理解したくなかった。


 「お・・・・お父様・・・??」
 アイリーンは今までで一番顔色を悪くさせて、そう呟いた。
 ・・・今なら”病弱”と言われても頷いてしまうかもしれない程、酷い表情だった。



 「君にそう言われる筋合いはない。・・・聞こえなかったかな?君の母君は不貞の末に君を産んだんだ。・・・私はタンジ公爵家当主だが、君の父親ではないよ。・・・貴様と血がつながっている等、虫唾が走ること言わないでくれないか?気分が悪い。・・・さぁ、お喋りは終わりだ。さっさと連れて行け。その見てるだけで気分が下がる者、視界に入れるな。」


 その言葉を聞いた衛兵達は先程よりも足早にアイリーンを連れて行った。

 その間も「お、お父様!!どうしてアイリにこんな酷いこと!!」「お父様も騙されてるのよ!!」などと喚きながら消えていった。



 「さぁ・・・・もうそろそろプレデビュタントも終わる時間ではないかな?クリス王子もリリー嬢が心配だろう、閉会の挨拶を準備しましょう。」


 人々が徐々にテラスから会場に入り、閉会に向けて動き出した。






 ──────その様子を楽しそうに見つめる者がいることに、誰も気づいていなかった。




 
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