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第2章 -少女期 復讐の決意-
63.閑話 Side王子 会場にて
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Side ルーカス王子
ざわざわと多くの貴族子息・令嬢達で騒めいている様子を、上の王族が控えている部屋から覗いている。
(なんだ、まだエディ達は来ていないのか。)
目的の人物達が目に入らずに、そっと心の中で落胆していると・・・先程こってり絞られていた弟のクリスがヒョイっと同じく下を覗き込んだ。
「あれ?まだリリーナ嬢が来てないな。さっきの謝罪がしたかったのに・・・。なぁ兄さま、リリーナ嬢の兄君であるエディ様を紹介してくれるんだろう??ずっと楽しみにしてたぞ!誤解されやすい兄さまが、グレン以外で仲良くなれた子どもがいるなんて・・・!あぁ、早く来ないかなぁ!!」
さっき怒られたことをコロッと忘れているように、ニコニコしながら言う可愛い弟に・・・ルーカスは頭に手をやりつつも、一応釘を刺しておく。
「クリス、気持ちは分かるが・・・先程お父様に言われた言葉、覚えているか?”グモヌンの糞呼ばわりしてしまった令嬢にも”謝罪をしなさいとあれ程念を押されていただろう。エディの紹介は必ず今日してあげるから、お前はまずその令嬢に謝罪してきなさい。」
「いくら兄さまに言われても、それは出来ない相談だな!!確かに、普通の令嬢に対してあの様な配慮のない言葉を聞かせてしまったことは悪いと思ってるが、ヤツは家族の様な料理長を侮辱したんだ!しかも料理長の料理を食べることなく、理由もなくだ!!僕はお父様に怒られようが、そんな無礼者に嘘でも謝罪などしないんだ!!」
ニカッと笑いながら堂々と宣言する弟を見て、(成長したなぁ)とちょっとだけ嬉しくなる。
だが・・・あれだけゲッソリしながら注意していた父を想い、内心複雑になってきた。
──────父である国王は、ランチ会の詳細を余すことなく報告された時に目をひん剥いて茫然としていた。
まさか、あの天真爛漫でニコニコと穏やかなクリスが、ルーカスに比べると物腰の柔らかいクリスの癇に障る令嬢がいる・・・ましてや自分が参加の許可を出した”あの”令嬢だったなんて・・・。
国王はしばらく言葉が出なかった。
その間、クリスの母であるティアラ正妃は「なんと!!クリスは自分の意見をその様にハッキリ言えるようになったのですね!!母は嬉しい!!しかも一度見た害獣の特徴を覚えているなど・・・クリス、そなたは天才ですね!!ルーカスと一緒で頭が良いわ!」とまさかのベタ褒めだった。
ルーカスは苦笑するしかなかったが、国王は正妃も一緒に窘めていた。
「いやクリス・・・いくらムカついたからといって、初対面の、しかも仮にも公爵令嬢を”害獣の糞”呼ばわりしてはいけないだろう!・・・それに、食事中に、他にも大勢の令嬢がいたんだろう??ましてやその食事会に参加している令嬢の中には将来お前と結婚する相手もいるんだ・・・印象もマナーも悪すぎる。ティアラも、褒めることは大事だがちゃんとダメな所は叱ってくれ・・・頼むから。」
もはや王の威厳もない、ただただ育児に悩む親状態になってきた。
その切実な王の言葉を聞いた妻と子だったが、ムッとしたとても似ている表情をして言葉を続けた。
「あなた!では貴方はいつも美味しい料理を作ってくれている料理長をそんな風に侮辱されて、黙って相手のご機嫌を取るのですか?!そんなこと、男気ある私の夫はしないでしょう。その貴方譲りの男気をみせたクリスを褒めなくてどうするんです!・・・それに、食事中に発してしまったことは悪いことですが、害獣の糞くらいで動揺する未来の王妃など要りません。そのくらい、笑って躱していただかないとっ。」
「そうだよ!あの子に会ってたら、お父様も同じことしたと思うぞ!お父様も王宮にいる使用人達が大好きじゃないか!・・・あ!母様!害獣の糞にビックリはしていたが、帰るときに笑いかけてくれた子が一人いたよ!バジル家の子でリリーナ嬢って名前なんだ。リリー嬢も驚いて茫然としていたけど、ちゃんと料理長の料理全部食べてくれて!料理長に帰るときお礼も言ってたんだ!僕ビックリして、「リリー嬢もバジル領でグモヌンの糞を見たことがあったの?」って聞いたら笑いながら「私は機会がございませんでしたので、実際に見たことはありませんわ。」って言ってたぞ!流石あのバジル家のご息女だ!他の令嬢に比べると肝が据わって」
2人できゃっきゃっと楽しそうに話し始めると、黙って聞いていた国王はワナワナと震え始めた。
ルーカスは自分のやんちゃで慣れているのか、スッと距離を取り指で両耳を塞いだ。
「バカもーーーーーーーん!!!!そうやって開き直るんじゃなーーーーーーい!!!!!」
国王は怒りが爆発し、大声で二人に説教をし始めたのだった。
──────そんな熱く説教していた父の言葉が、弟にはイマイチ届いていない現状をルーカスは遠い目をして哀れんでいた。
(・・・・まぁクリスの言い分も、実際にその公爵令嬢(仮)に会ってみないと分からないし、うん。確認してからでも遅くないだろう、うん。)と自分に言い聞かせ、弟の頭を撫でた。
同じ上のフロアで集まった子どもの親とその家族の対応をしている父に、内心で「ごめん」と謝り弟を説得することを諦めた。
「というか、奴は会場に着いてるみたいだけど・・・どうして会場に入ってこないんだろう?流石に悪いと思って入ってこれないんだろうか?奴の家の者に「帰っていいぞ」と伝えた方がいいかな?どう思う?兄様。」
「・・・ん?!なんだ、その令嬢来てたのか?!それを早く言え・・・あっ!!」
ルーカスはその”例の”令嬢の髪色を探す為に下のフロアを覗くと、今まで待ち望んでいたバジル家の面々が目に入った。
ルーカスは成長したエディを見て嬉しそうに笑ったが、リリーナの方を見ると──────時が止まった様に、目を見開いてリリーナを凝視してしまった。
「・・・?兄様??」
クリスが話しかけてきているが、それに答える余裕がない。
リリーナは、上が瞳の色と同じような薄緑の色で、下に向かって深い色合いにグラデーションしてあるAラインのドレスを着ており、髪はランチ会とは違いオールアップされている。
いつもは髪で隠れている項は真っ白で、どこか見てはいけないものを見てしまった様な気持ちにさせる。
丁寧に編み込みされており、花をモチーフにした髪飾りとイヤリングも相まって・・・まるで花の妖精のように可憐で美しい少女に成長していた。
「・・・あんなに可憐に成長しているとは・・・。リリー、君は・・・克服したのか・・・?随分元気そうだ。」
茫然としたままだったルーカスの思考がようやく戻ってきた。
その美しさに見惚れていたが、リリーは昔会った時よりも健康に見えて・・・ルーカスの中で一筋の光が見えた。
もしかしたら、リリーの体質が治っていたら・・・!お母様もリリーの様に元気になるかもしれないっ!
「うわぁ・・・リリー嬢、ランチ会の時も一際可憐だったが、あの様にドレスアップされたら一層美しさが増すな・・・。あ!!兄様!リリー嬢の隣にいらっしゃるのはエディ殿ではないですか?!兄様!!紹介してくださる約束です!!一緒に下に降りて挨拶しに行きましょう!!」
リリーナを見つめながら思案していたルーカスは、クリスが興奮気味に腕を引っ張ったことで意識が戻った。
「あ・・・あぁ、そうだな!一緒にバジル家の面々に挨拶に行こう。・・・グレン達もいるようだし、ちょうどいいな。」
ルーカスはあの優しいグレンが、クリスが万が一突拍子もない行動をした時にすぐにフォローしてくれるだろうと算段を立てて、クリスの手を引いた。
「ほら、お待ちかねのバジル家のやんちゃ坊主を、お前に紹介してやるよ。」
ざわざわと多くの貴族子息・令嬢達で騒めいている様子を、上の王族が控えている部屋から覗いている。
(なんだ、まだエディ達は来ていないのか。)
目的の人物達が目に入らずに、そっと心の中で落胆していると・・・先程こってり絞られていた弟のクリスがヒョイっと同じく下を覗き込んだ。
「あれ?まだリリーナ嬢が来てないな。さっきの謝罪がしたかったのに・・・。なぁ兄さま、リリーナ嬢の兄君であるエディ様を紹介してくれるんだろう??ずっと楽しみにしてたぞ!誤解されやすい兄さまが、グレン以外で仲良くなれた子どもがいるなんて・・・!あぁ、早く来ないかなぁ!!」
さっき怒られたことをコロッと忘れているように、ニコニコしながら言う可愛い弟に・・・ルーカスは頭に手をやりつつも、一応釘を刺しておく。
「クリス、気持ちは分かるが・・・先程お父様に言われた言葉、覚えているか?”グモヌンの糞呼ばわりしてしまった令嬢にも”謝罪をしなさいとあれ程念を押されていただろう。エディの紹介は必ず今日してあげるから、お前はまずその令嬢に謝罪してきなさい。」
「いくら兄さまに言われても、それは出来ない相談だな!!確かに、普通の令嬢に対してあの様な配慮のない言葉を聞かせてしまったことは悪いと思ってるが、ヤツは家族の様な料理長を侮辱したんだ!しかも料理長の料理を食べることなく、理由もなくだ!!僕はお父様に怒られようが、そんな無礼者に嘘でも謝罪などしないんだ!!」
ニカッと笑いながら堂々と宣言する弟を見て、(成長したなぁ)とちょっとだけ嬉しくなる。
だが・・・あれだけゲッソリしながら注意していた父を想い、内心複雑になってきた。
──────父である国王は、ランチ会の詳細を余すことなく報告された時に目をひん剥いて茫然としていた。
まさか、あの天真爛漫でニコニコと穏やかなクリスが、ルーカスに比べると物腰の柔らかいクリスの癇に障る令嬢がいる・・・ましてや自分が参加の許可を出した”あの”令嬢だったなんて・・・。
国王はしばらく言葉が出なかった。
その間、クリスの母であるティアラ正妃は「なんと!!クリスは自分の意見をその様にハッキリ言えるようになったのですね!!母は嬉しい!!しかも一度見た害獣の特徴を覚えているなど・・・クリス、そなたは天才ですね!!ルーカスと一緒で頭が良いわ!」とまさかのベタ褒めだった。
ルーカスは苦笑するしかなかったが、国王は正妃も一緒に窘めていた。
「いやクリス・・・いくらムカついたからといって、初対面の、しかも仮にも公爵令嬢を”害獣の糞”呼ばわりしてはいけないだろう!・・・それに、食事中に、他にも大勢の令嬢がいたんだろう??ましてやその食事会に参加している令嬢の中には将来お前と結婚する相手もいるんだ・・・印象もマナーも悪すぎる。ティアラも、褒めることは大事だがちゃんとダメな所は叱ってくれ・・・頼むから。」
もはや王の威厳もない、ただただ育児に悩む親状態になってきた。
その切実な王の言葉を聞いた妻と子だったが、ムッとしたとても似ている表情をして言葉を続けた。
「あなた!では貴方はいつも美味しい料理を作ってくれている料理長をそんな風に侮辱されて、黙って相手のご機嫌を取るのですか?!そんなこと、男気ある私の夫はしないでしょう。その貴方譲りの男気をみせたクリスを褒めなくてどうするんです!・・・それに、食事中に発してしまったことは悪いことですが、害獣の糞くらいで動揺する未来の王妃など要りません。そのくらい、笑って躱していただかないとっ。」
「そうだよ!あの子に会ってたら、お父様も同じことしたと思うぞ!お父様も王宮にいる使用人達が大好きじゃないか!・・・あ!母様!害獣の糞にビックリはしていたが、帰るときに笑いかけてくれた子が一人いたよ!バジル家の子でリリーナ嬢って名前なんだ。リリー嬢も驚いて茫然としていたけど、ちゃんと料理長の料理全部食べてくれて!料理長に帰るときお礼も言ってたんだ!僕ビックリして、「リリー嬢もバジル領でグモヌンの糞を見たことがあったの?」って聞いたら笑いながら「私は機会がございませんでしたので、実際に見たことはありませんわ。」って言ってたぞ!流石あのバジル家のご息女だ!他の令嬢に比べると肝が据わって」
2人できゃっきゃっと楽しそうに話し始めると、黙って聞いていた国王はワナワナと震え始めた。
ルーカスは自分のやんちゃで慣れているのか、スッと距離を取り指で両耳を塞いだ。
「バカもーーーーーーーん!!!!そうやって開き直るんじゃなーーーーーーい!!!!!」
国王は怒りが爆発し、大声で二人に説教をし始めたのだった。
──────そんな熱く説教していた父の言葉が、弟にはイマイチ届いていない現状をルーカスは遠い目をして哀れんでいた。
(・・・・まぁクリスの言い分も、実際にその公爵令嬢(仮)に会ってみないと分からないし、うん。確認してからでも遅くないだろう、うん。)と自分に言い聞かせ、弟の頭を撫でた。
同じ上のフロアで集まった子どもの親とその家族の対応をしている父に、内心で「ごめん」と謝り弟を説得することを諦めた。
「というか、奴は会場に着いてるみたいだけど・・・どうして会場に入ってこないんだろう?流石に悪いと思って入ってこれないんだろうか?奴の家の者に「帰っていいぞ」と伝えた方がいいかな?どう思う?兄様。」
「・・・ん?!なんだ、その令嬢来てたのか?!それを早く言え・・・あっ!!」
ルーカスはその”例の”令嬢の髪色を探す為に下のフロアを覗くと、今まで待ち望んでいたバジル家の面々が目に入った。
ルーカスは成長したエディを見て嬉しそうに笑ったが、リリーナの方を見ると──────時が止まった様に、目を見開いてリリーナを凝視してしまった。
「・・・?兄様??」
クリスが話しかけてきているが、それに答える余裕がない。
リリーナは、上が瞳の色と同じような薄緑の色で、下に向かって深い色合いにグラデーションしてあるAラインのドレスを着ており、髪はランチ会とは違いオールアップされている。
いつもは髪で隠れている項は真っ白で、どこか見てはいけないものを見てしまった様な気持ちにさせる。
丁寧に編み込みされており、花をモチーフにした髪飾りとイヤリングも相まって・・・まるで花の妖精のように可憐で美しい少女に成長していた。
「・・・あんなに可憐に成長しているとは・・・。リリー、君は・・・克服したのか・・・?随分元気そうだ。」
茫然としたままだったルーカスの思考がようやく戻ってきた。
その美しさに見惚れていたが、リリーは昔会った時よりも健康に見えて・・・ルーカスの中で一筋の光が見えた。
もしかしたら、リリーの体質が治っていたら・・・!お母様もリリーの様に元気になるかもしれないっ!
「うわぁ・・・リリー嬢、ランチ会の時も一際可憐だったが、あの様にドレスアップされたら一層美しさが増すな・・・。あ!!兄様!リリー嬢の隣にいらっしゃるのはエディ殿ではないですか?!兄様!!紹介してくださる約束です!!一緒に下に降りて挨拶しに行きましょう!!」
リリーナを見つめながら思案していたルーカスは、クリスが興奮気味に腕を引っ張ったことで意識が戻った。
「あ・・・あぁ、そうだな!一緒にバジル家の面々に挨拶に行こう。・・・グレン達もいるようだし、ちょうどいいな。」
ルーカスはあの優しいグレンが、クリスが万が一突拍子もない行動をした時にすぐにフォローしてくれるだろうと算段を立てて、クリスの手を引いた。
「ほら、お待ちかねのバジル家のやんちゃ坊主を、お前に紹介してやるよ。」
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