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第十話 誰かこの暴君を殴ってくれ!
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しおりを挟む「チッ……聞いてないじゃないですか……ねぇ、なんで生きてんの……? なんか無理すぎて、ムカついてくる。こちとら、あんたの呼吸でイキそうだってのに……ッ」
そう言って苛立った声は官能によって濡れた熱を持ち、ハチミツのようドロけた甘さに浸っている。
三初、感じすぎてキレてんのか。
余裕のない三初も好きだぜ。キレそうな三初も好き。語彙力のない三初も好きだ。
今日は独り占めできて、幸せ。嬉しい。やべぇな。俺、すげー大好き。アルコールとセックスで泥酔して帰ってこれねぇ。
本気でそんなことを考えている俺の頭は、とっくにバカだ。俺たちはお互いにいろいろと手遅れ。
「ふ、ぁっ、も、尻痛てぇ、みは、ぁっ、息できねぇ、しっ…ひっ、ひぃ……っ」
「勘弁してくださいよもう……っじゃあ息しないで、汗かかないで……っ? 匂いで興奮して治まらねぇんですよ……っ」
「そんなしたら、開いたまんま、閉じなくなるからぁ……っ」
何度も深く深く腹の行き止まりを突かれても、腰が抜けて自分で立っていられない。
後ろから貫く肉棒に支えられ、内腿をガクガクと痙攣させて快楽の坩堝に堕ちる。
どうすんだよ、もう。
三十にもなる男が、四つも年下の男に熱を上げて焼死しそうだ。
好きで、好きで、みっしりと柔肉を埋める怒張を締め付けると、頭の中が好きでいっぱいになる。
体も心も頭も全部、喰らい尽くされたって構わない。
(三初、変になると、意地悪しねぇの? なんだよ、それ、かわいいだろ、好き、うぅ、すき、ぁぁ……っん、そもそも、俺はこんなことしたかったんだっけか? わかんないけど、うぅ~好きだ、俺、こいつがすげぇすきだ~……)
素面の俺が脳内にいるなら、自分で墓を掘って自分で埋葬した後、安らかに百万回は死すだろう。
いわゆる恋愛脳の〝だいしゅき状態〟な俺だ。事実だからいいんだぜ。
俺、今日こいつのことすごく好き。
これ、俺の彼氏。
ゾクゾクと這い上がる官能に支配されて眉根を寄せる俺は、腰が浮あがるほど強く突き上げられ、小刻みに痙攣する。
「あ、ぁ…ッや、や、イク、ダメだ、ッ……イク、また、イク……ッ」
「ん、っ、は、声も禁止、死ぬ……」
「イク、ぅ、いぃ……っ、ひぃ、ぁっ、ぁぁ……っ」
泣きそうな声で血管を浮かせて反り返った肉茎が、またしてもビュクッ、と控えめに白濁液を迸らせた。
声を禁じられても、うまく従えない。
甘ったるい鳴き声をあげたことに、しゅんとしょげてしまいそうだ。
黒いシーツの上に白濁した粘液がドロドロと飛び散り、急速な脱力感が押し寄せる。
薬を飲んでいなくても、過敏な肢体は内臓を掻き回されると、絶頂するのだ。
キツく収縮する内壁が体内のモノを締め上げれば、数秒の間を置き、奥深くで熱が弾けた。
けれど、ドクッドクッと脈打つ杭の硬さは変わらない。
「クッ、ソ……マジで、殺すかな……」
三初は痙攣しながら身をよじる俺を、そのまま再度うつ伏せに押し倒す。
自分の出した体液がシーツと胸の間で擦れ、ヌチュ、と不快なヌメリを感じた。
萎えた肉茎が引き抜かれ、襞が名残惜しげに柔軟に絡みつく。
キュゥ……、と口を閉じる後孔はすぐに開き、まだ足りないとヒクついた。
「ふ、ぁ……」
ようやく衝動が収まったのか、と寂しいような安心したような息を吐く。
だが俺の後頭部を熱い手が押さえつけ、俺は腰を上げたままベッドに顔を埋めてしまった。
「酔ってるとね」
「っんぶ、ぅ」
「先輩のスケベなケツ、ちょっと弛めでトロトロなんですよ」
「う、ぁ、ふぁ……ッ」
そして三初は、呼吸がしづらく言葉を吐けない俺の赤く充血した尻穴を、みたび一息に貫く。
達したばかりなのに萎えない怒張。
首を捻じると、口を縛った避妊具が無造作にすぐそばで横たわっていた。
俺の甘い鳴き声はベッドに吸い込まれ、膝が肩に寄せられるほど折りたたまれる。
コンパクトな体勢で俺を犯しながら、三初は掴んだ俺の髪を乱暴になでた。
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