誰かこの暴君を殴ってくれ！

第八話 シスターワンコとなりゆきブラザーズ

３７※

「ん……みはじめ……」
「俺に合わせて、自分で動いて」

　体を押して離され、しがみつく腕が解ける。手を掴まれ、反り返った勃起を握らされた。

「一緒に楽しむんですから。扱きながら、どうイイのかちゃんと口に出してください。甘えですよ。オネダリ」
「ぁ、ん……」

　いつもより簡単。弱った俺は温いでしょ？　と錯覚を与えられると、そんな気になってしまう。

　もちろん錯覚だ。
　温くとも、させている時点で三初なのだ。

　深く座った三初の上に乗っている俺は赤い頬のまま眉間にシワを寄せて頷き、ゆっくりと自分から抽挿を始めた。

「……んッ……、んッ……、んッ……」

　控えめに体を揺すり、達することを許されない哀れな屹立を柔らかく手淫する。

　俺が腰を下ろすタイミングに合わせて下から突き上げられるため、動きを控えても十分な衝撃に襲われた。

　グリュ、と内臓を押し上げ、突き当たりを一定のテンポでノックされる。

「言ってください、ほら」
「あっ…い、挿れながら擦んの、いい……あッ……うっ……腹の中、で……」
「中のどこですか？　奥を突くのがイイ？　それとも手前をこそぐのがイイ？」
「あッ…ひッ…ど、どっちもっ……どっちもだっ……」
「どっちも、どうイイんですかねぇ」
「お、奥は、胃が浮くのと、背骨……？　せ、背筋が内側から擦れる、のっ……が、…っふ、手前は口が捲れそ、な、っ…んゔ、ゔっやめ、やめろっ手前押したら、なんか漏れちまうっ……！」
「ん～？　防水シーツですし、なんでもどうぞ。縛ってんのに漏らせるなら、ですけど」
「したくね、あ、う、うぅ……っ」

　膝が笑いそうになるのを堪えて律動を繰り返し、尋ねられるがまま答える。

　濡れた陰茎を夢中で扱けば、皮膚と擦れあってヌチュヌチュと粘着質な音が聞こえた。

　伸ばされた手が布の上から勃起した乳頭を強く捏ねて遊ぶと、むず痒い快感に腰が抜けそうになる。

「あ、っそこ、やめ、つ、抓られる、気持ちよく、な……っや、ぁ、ひぃ…ッ」
「ん、そうそう」
「服と、擦れるのが、ぁッ……いいか、ら、っひ、あ…っ」

　どう気持ちいいからやめてほしいのかを、教えられたとおりに言った。

　強く抓って引っ張り虐めた後、手のひらで胸筋ごと揉みほぐすように擦られる。

　そうされれば布地で尖った乳頭が捏ねられ、たまらない心地良さに襲われてしまう。

「ぁっ、あ…っ挿って、刺さって、る……っ奥も、手前も、っイイ……っぐ、ん…っ」
「っ、ふ……」

　おかげで自身を慰める手の動きが激しくなり、俺は切れ切れに喘いで中を締め付け、三初のものに奉仕した。

　紅潮した頬を震わせ、三初が息を詰める。
　コイツも感じてるのか。俺が動くと、気持ちいいんだ。

（だったら、もっと……）

　達せないもどかしさと、内部を責められて出さずにイキそうな絶頂感に支配され、脳がぼやけた。

　トントンとテンポよく体を揺する。

　もっと激しく動けば、三初は気持ちがいい。一緒になら、俺はイッてもいいはず。

　久しぶりにするセックスで我慢なんてしたくない。ただこいつを感じたくて、俺を感じてほしい。

　腸液とローションと熱いなにかで柔らかな蜜壷と化した俺の中を、長く太い肉の杭が自由に出入りしていた。

　ズルリとカリ首だけを輪っかに引っ掛けて中に残し、茎の部分が排泄される。
　それが次の時には、また全てが俺の中に収まる。

　思わず締めつけてソレを絞れば、目の前で俺を眺める三初は眉を僅かに上げ、情欲の香りを漂わせた。

　それがたまらない。筋張った肉棒が手の中でピク、と脈打つ。
　根元に縛られ解放できない欲望が、渦を巻く気がする。