誰かこの暴君を殴ってくれ!

木樫

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第八話 シスターワンコとなりゆきブラザーズ

35※

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 目元が潤み、俺は陰茎の根元を握る三初の手に濡れた手を這わせ、拙く手首を握った。

「はっなんで、掴む、っ……離せっ…嫌がらせ、かよ、ん……っ」

 しかし、力の抜けた手ではその拘束を引きはがせるわけない。

 三初はやに下がった表情で俺の耳に唇を寄せ、耳朶に強く噛みついた。

「痛ッ、ぐ……ッ」
「一回しかしないんだから、一人でイカないでくださいよ。俺も気持ちよくして?」
「っ……それは……でも、ンな強く…っん……握るとか、酷ぇ、っ…は……」

 ぼんやりと霞がかった意識で、三初の言い分を理解する。

 理解すると独りよがりな先ほどの自分を思い出し、羞恥に体温が上がった。

 久しぶりのセックスに興奮していたのは明白だ。イキたいのかセックスしたいのか、混ざりすぎて見えていなかった。

 だとしても、いきなり絶頂寸前の雄を握りしめるというのは、流石に横暴すぎるだろう。不満に睨むが、三初は笑うだけだ。

「酷くない。俺で遊ぶんでしょう? ならちゃんと俺で遊ばないと、ぶり返したって終わらせてあげないですよ」
「やっ……っ」

 三初は、甘く密やかにあげない、と囁く。

「っふ、ま、っそれ嫌、うぅ、ッ……!」

 そしてそばに置きっぱなしだったおもちゃ箱からコックリングを取り出し、俺の陰茎の根元にバチン、と着けた。

 舌先が震え上がる感覚。
 ゾクゾクと背筋を電流が這い上がる。

(こんな…っだ、だせね、て……っ)

 シリコンゴムが食い込む感触で血管が締め付けられ、沸き上がっていた絶頂感が、無理矢理せきとめられてしまった。

 何度か使われたことのあるそれは、絶妙な力加減で締める。

 締められた俺は、容易に解放できなくなってしまうのだ。

 あと少しだったのに、求めていた解放がとんと遠のいた。

 イキたいのに、三初は酷い。鬼畜だ。下腹部が切なくてドグッ、と生々しく脈打った。

 我慢させられることが決定してしまい、俺は尻をもぞつかせて、八つ当たり気味に三初の首筋へ再度噛みつく。

「ふ、ぅっ……!」
「なんで噛むんですかね。今日はギチギチに締めてないのになぁ。くくく」
「締めるのがまずおかしいだろっ、お前が俺で、遊んでっ…ぁぐ……っ」
「ま、きちんと翻訳すれば……構ってほしいって、言ってんの」
「ンぁッ…ああ……ッ」

 グッと腰を掴まれたかと思うと、言葉と共に下から突き上げられ、快感がぶり返した。

(なにをどうしたら構ってほしいという甘えが強制我慢大会へ成り代わるのか、俺にわかるように説明しやがれッてんだ……!)

 胸中でキレようとも「ほら、先輩も動いて」と言われながら動かれると、まともな言葉にはならない。

 無防備な直腸を心得た動きでトットッとノックされ、俺は無意識に仕込まれたとおり呼吸を合わせて善がる。

「はっ…あぁっ……ああぁ……っ」

 身体を好きに揺さぶられる代わりに、両腕は強く三初にしがみつき、閉じることを忘れた唇から甘ったるい悲鳴が止まらない。

 本当に病人なのか、事実をよく知るにも関わらず疑うほど、巧みに俺を追い詰めた。

 密着して三初が動けば、ガチガチに勃起した屹立の先端が三初の服と擦れて、敏感な粘膜が官能をもたらす。

「待て、ま、三初当たってるか、っゔあっ……ぁ、ぐ……ッひ、三初、やめろ、っ……んぅ、三初ぇ……っ」
「くくっ……当ててんのよ。ってやつですよ、っ」
「俺っお、おれそこ、無理なんだよ、無理ん…っンンっ……!」

 喉を鳴らした三初がふざけたことを吐かしても、首を振って俺はされるがまま。



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