誰かこの暴君を殴ってくれ!

木樫

文字の大きさ
上 下
319 / 454
第七話 先輩マゾと後輩サドの尽力

38※

しおりを挟む


「それじゃあリアリティ的にまずあなたを酔い潰すので、お酒を取ってきますね。テキーラでいいかなぁ。あ、ちゃんとレモンも付けますよ」
「いやち、っあ…ッば、……っのや、ぁあ、ひっぃ……ッ」

 ──いや違ぇよバカかコノヤロウそういうことじゃねぇ一刻も早く解放しろッ!

 なんて絶叫はやはり、案の定、もうどうしたって、言葉にならずに喘ぎ混じりの謎言語と化すのだ。

 酔い潰されれば俺は記憶がトブため、このままでは間森マネージャーになにをされたのかわからないまま、本当に三初にハメ撮りでも送られてしまう。

(そんなことになったら、俺はアイツに殺されっ、……いや、待て。普通に考えれば……す、捨てられちまう……っ)

 無常にもバタン、と閉まったドアの音を聞き、俺は冷や汗をタラタラと流してボヤけた頭を振った。

 飽きられて愛想を尽かされたり我慢させたりしたくないからここまで来たのに、結果がコレではあんまりだ。

 俺はどうにか後孔に呑み込まされたプラグを抜こうと、再度腹部に力を入れる。

 けれどミチ、と窮屈な穴を拡げるプラグは、うまく出ていかない。

 それどころか力を入れても中を刺激されるとつい力が抜け、思うように排出できないのだ。

「ハッ…ぁ…っ、ぅく……っも、俺から、出てけ、よ……っ」

 俺史上、今日が一番、ヴヴヴヴと震えるプラグがこの世で最も憎らしいと思う。

 早くしないと間森マネージャーが帰ってくるのに、プラグは僅かずつズズ、と移動するだけで、感じてしまえば戻ってくる。

 体だけはプラグが与える快感を感じ、意思とは裏腹に火照っていく。

 急いてしまう心が焦りを増長させるほど、状況は好転しないままだ。

 しばらくの時間奮闘していると、ガチャ、とドアを開く音がして、ついに間森マネージャーが帰ってきたことがわかった。

「ッ! くそ、が……っ」
「──さて、と……中イキさせて、撮ればいいんですっけ? しましょうか、ね」

 コツコツと足音が近づいてくる。

 マスク越しの変声機を通した声が冷ややかに響き、視界を塞がれた俺は必死に首を振った。

「やめ、ろっ、もう、抜け……っ、ぁ……あく……っ」
「背中と尻、鞭打ちかぁ……ケツ、血ィでてるじゃないですか。……殺したいなぁ」

 通りすがりにツツ……、と冷たい手が鞭で打たれた患部をなでた。

「ま……感じてるみたいですし、まだそのままでいいでしょ。ビデオカメラ、正面にセットしてあげますからね」
「ヒッ……ぐッ…い、やだ、ふ……っ」

 プラグの根元をゴツッ、と強かに殴り、僅かずつ抜けていたプラグは再度奥深くに潜り込む。

 振動するプラグが前立腺を擦り最奥をノックすると、俺は声を上げて感じてしまう。

 括約筋がキュッと締まり、下肢が震え、白濁混じりの蜜を垂らしながら、弾力のある肉棒が跳ねた。

 マネージャーの言葉通り正面に三脚が立てられるような硬い音がして、ゾッとする。

(最悪だ……このままじゃ……本当にヤられちまう……っ)

 俺は嫌だ、やめろ、撮るな、と思いつく拒絶の言葉を並べ立てて必死に抵抗した。

 セックス自体も嫌だが、それよりもそうすることで三初に嫌われてしまうのが嫌だ。

 痛みや羞恥、セックスが気持ちよくたって、どうしても物足りないものの正体は〝それを与える者が三初じゃないから〟なのに。



しおりを挟む
感想 137

あなたにおすすめの小説

騙されて快楽地獄

てけてとん
BL
友人におすすめされたマッサージ店で快楽地獄に落とされる話です。長すぎたので2話に分けています。

小さなことから〜露出〜えみ〜

サイコロ
恋愛
私の露出… 毎日更新していこうと思います よろしくおねがいします 感想等お待ちしております 取り入れて欲しい内容なども 書いてくださいね よりみなさんにお近く 考えやすく

イケメン彼氏は年上消防士!鍛え上げられた体は、夜の体力まで別物!?

すずなり。
恋愛
私が働く食堂にやってくる消防士さんたち。 翔馬「俺、チャーハン。」 宏斗「俺もー。」 航平「俺、から揚げつけてー。」 優弥「俺はスープ付き。」 みんなガタイがよく、男前。 ひなた「はーいっ。ちょっと待ってくださいねーっ。」 慌ただしい昼時を過ぎると、私の仕事は終わる。 終わった後、私は行かなきゃいけないところがある。 ひなた「すみませーん、子供のお迎えにきましたー。」 保育園に迎えに行かなきゃいけない子、『太陽』。 私は子供と一緒に・・・暮らしてる。 ーーーーーーーーーーーーーーーー 翔馬「おいおい嘘だろ?」 宏斗「子供・・・いたんだ・・。」 航平「いくつん時の子だよ・・・・。」 優弥「マジか・・・。」 消防署で開かれたお祭りに連れて行った太陽。 太陽の存在を知った一人の消防士さんが・・・私に言った。 「俺は太陽がいてもいい。・・・太陽の『パパ』になる。」 「俺はひなたが好きだ。・・・絶対振り向かせるから覚悟しとけよ?」 ※お話に出てくる内容は、全て想像の世界です。現実世界とは何ら関係ありません。 ※感想やコメントは受け付けることができません。 メンタルが薄氷なもので・・・すみません。 言葉も足りませんが読んでいただけたら幸いです。 楽しんでいただけたら嬉しく思います。

BL団地妻-恥じらい新妻、絶頂淫具の罠-

おととななな
BL
タイトル通りです。 楽しんでいただけたら幸いです。

熱のせい

yoyo
BL
体調不良で漏らしてしまう、サラリーマンカップルの話です。

身体検査

RIKUTO
BL
次世代優生保護法。この世界の日本は、最適な遺伝子を残し、日本民族の優秀さを維持するとの目的で、 選ばれた青少年たちの体を徹底的に検査する。厳正な検査だというが、異常なほどに性器と排泄器の検査をするのである。それに選ばれたとある少年の全記録。

塾の先生を舐めてはいけません(性的な意味で)

ベータヴィレッジ 現実沈殿村落
BL
個別指導塾で講師のアルバイトを始めたが、妙にスキンシップ多めで懐いてくる生徒がいた。 そしてやがてその生徒の行為はエスカレートし、ついに一線を超えてくる――。

大嫌いな歯科医は変態ドS眼鏡!

霧内杳/眼鏡のさきっぽ
恋愛
……歯が痛い。 でも、歯医者は嫌いで痛み止めを飲んで我慢してた。 けれど虫歯は歯医者に行かなきゃ治らない。 同僚の勧めで痛みの少ない治療をすると評判の歯科医に行ったけれど……。 そこにいたのは変態ドS眼鏡の歯科医だった!?

処理中です...