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第七話 先輩マゾと後輩サドの尽力
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しおりを挟む※ここから数ページ、マネージャーに虐げられる描写がございます。
地雷の場合は回避していただけますようお願い申し上げますぞ(本番なし)。
なお作者がハピエン厨なのでハピエンです。そして改訂に伴い一部の描写、展開を変更しております。
どうぞよろしくお願いしまする!
真性のサドでもマゾでもない真性変態である間森マネージャーに問題を抱えていることがバレ、腹をくくってSMうんぬんの相談をした後。
相談への提案としてまず、自分がマゾかどうか、虐められればわかるんじゃないか、という話になった。
一理はあるだろう。
俺は俺をマゾではなくノーマルだと思っているが、根拠を持つのは大切だ。マゾの定義にそれがあるなら、そこから外れるとマゾではない根拠になる。
セレクトの奥には、盛り上がったカップルや男たちのために貸し出しのベッドルームがあるのだ。
ユニットバスのついた八畳のワンルームで三部屋しかないが、ノーマル、SM、病室と毛色は変わっていたり。
ちなみに料金は一律休憩五千円の宿泊八千円。人手がなくなることと清掃の手間を考えると安売りである。
SMルームには、それ専用の器具もベーシックで揃っていた。
ネタグッズやカメラまで一通りプレイには困らない。
となれば「場があるならばやるしかないでしょう?」という間森マネージャーに誘われ、とりあえずイメージどおりの所謂SMプレイを試してみることになるのはまぁ自然だと思う。
一応理には叶ってるからな。
間森マネージャー相手でも三初相手の時と同じように反応するなら、俺は三初とのセックスが好きなのではなく、虐められるセックスが好きということになる。不本意ながら。
しかしこのあたりで俺は、かなりの難色を示した。
直接触れない。セックスも断固しない。それをクリアした上で終電を逃さずに帰れないならヤらない、とは事前に釘を滅多刺しにしてある。
しかしその全ての条件を承諾されても、間森マネージャー相手、と考えると脳内三初が地雷を踏まれた顔で親指を下に向けて笑いかけてくるのだ。
俺は三初がパンイチで誰かに鞭でしばかれたり罵声を浴びせられる姿を見ても、一旦ただのそっくりさんか新手のお遊戯かシンプル魔が差したかと考える。
それよりは俺にナイショで誰かを部屋に入れたり、仲良さそうにしているほうが俺は嫌だ。
でも三初はたぶん、怒るンだよな……。
フリとはいえ自分以外が恋人をどうこうはたぶん、気に食わない。たぶん。
基本的に俺以外に触らせることすらほとんどないくらい、三初は心のパーソナリースペースが狭い男なのだ。
付き合う前は間森マネージャーと二人でお買い物、なんてシーンを目撃したが、付き合ってからは素振りもない。
本当に逆らうほうが面倒くさくて仕事対応していただけなのだろう。もう面倒になった今はどうでもいいっぽい。
忘年会で能力を買っているデザイン部連中に連行された時も、別に密着したり距離が近かったりとかはなかった。
触られるのが嫌いなんだろう。
だから自分からは触らない。俺に触ってくるのはまぁ、……彼氏だから。
アイツはああ見えてちゃんと特別扱いしてくる。どうでもいい相手に気のある態度は絶対に取らない。絶対に。
で、そういう三初が俺と間森マネージャーのお試しプレイを知ったら?
ガチギレされるだろ。俺が。
アイツのことだ。寂しがるとか悲しむとか焦るとかそんな可愛い感情は皆無だろうが、奇跡的に状況映像だけ見るバレ方とかしようもんなら死ぬだろうが。俺が。
そう考えた俺は断ろうとしたのだが、間森マネージャーは三初の同族。
サクッと丸め込まれてしまった。
オイ。チョロいとか言うな。
〝マゾじゃない確信を得たら、受け身での主導権の握り方を教える〟
〝マゾだったらサドの喜ばせ方を教える〟
そんな甘い餌でホイホイと釣られてしまった俺は、危機感や警戒心より魅力的な情報を取ってしまった。
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