誰かこの暴君を殴ってくれ!

木樫

文字の大きさ
上 下
220 / 454
第六話 狂犬と暴君のいる素敵な職場です

14

しおりを挟む


 ……というかこれを言うために、ホワイトデー企画中の仕事の話を振ってきたんだな?

 しかも俺が罪悪感を抱いていてあまり拒否できないこのタイミングで恋の駆け引きってことは、全部計算もしくは野生のカンで、ベストタイミングを嗅ぎ取ってやがったな?

 全てに気がついた俺はピキ、と口角を引きつらせ、思いっきりドン引きしていますという顔を押し出す。

 なあ世界聞いてくれよ。これ俺の恋人なんだぜ。しかも後輩なんだぜ。

 確実にこっちのほうが画面の向こうより断然ホラーだろ。
 ゾンビなんか頭潰せば死ぬんだろうけどよ、三初は頭潰す前に玉潰されるだろう生命体だぞコラ。

 得も知れない恐怖を覚え掴まれた手をそーっと振りほどこうとするが、ガッチリ握られてさりげなくは逃げられない。

 握っている三初は、俺が逃げようとしていることを察して、相変わらずの飄々とした表情のまま「あらら」と呟く。


「へぇ、バレンタインないのか……先輩が俺のこと嫌いになっちゃったなんて、知らなかったなー。好きならくれるはずなのに、泣いちゃいそうだわ」

「っべ、別に嫌いだからとかじゃねぇっ、好きだけどそれは、…………クソがぁぁぁぁ……ッ」


 言い切った直後、罠に気がついた俺は、ボフッ、とクッションを当てて顔を隠し、叫んだ。

 わざとらしく目を伏せてボソリと呟きをあてつけのように俺にトゥイートするものだから、まんまとファボを押してしまったってわけである。

 それが釣りだと気がついた時には、時既に遅し。

 猫はニマ、と愉快そうに口元に弧を描き、掴んだ手首を強く引いて俺を片腕で軽く抱く。


「あはは、好きですか。それは嬉しいわ。──じゃ、バレンタインチョコ待ってますね」




 余談だが。

 こうなったらとんでもないゲテモノチョコレートを購入してやる、と内心復讐を決意する思考を察した大魔王により、だ。

 俺は──

〝三初 要が不快と判断するチョコレートを贈与、またはチョコレート自体を用意しなかった場合、御割 修介の体を介してチョコレートの受け渡しをすること〟

 ──という書面にサインをさせられるはめになったということを、ここに記しておく。

 要するに『チョコくれなかったら先輩の体にチョコぶっかけて食いますから』と、誓約書を渡しながら言われたわけである。

 付き合ってから結構な頻度で割とガチめに思ってるんだが、感情論派の俺が暴君論派のコイツと付き合ったのは、間違いかもしんねぇ。

 中都になにを悩んでいるのかと聞かれ別にと答えると、ヤモー知恵袋をオススメされたので、近々投稿するかと真剣に考える俺であった。




しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

校長室のソファの染みを知っていますか?

フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。 しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。 座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る

【R-18】クリしつけ

蛙鳴蝉噪
恋愛
男尊女卑な社会で女の子がクリトリスを使って淫らに教育されていく日常の一コマ。クリ責め。クリリード。なんでもありでアブノーマルな内容なので、精神ともに18歳以上でなんでも許せる方のみどうぞ。

お嬢様、お仕置の時間です。

moa
恋愛
私は御門 凛(みかど りん)、御門財閥の長女として産まれた。 両親は跡継ぎの息子が欲しかったようで女として産まれた私のことをよく思っていなかった。 私の世話は執事とメイド達がしてくれていた。 私が2歳になったとき、弟の御門 新(みかど あらた)が産まれた。 両親は念願の息子が産まれたことで私を執事とメイド達に渡し、新を連れて家を出ていってしまった。 新しい屋敷を建ててそこで暮らしているそうだが、必要な費用を送ってくれている以外は何も教えてくれてくれなかった。 私が小さい頃から執事としてずっと一緒にいる氷川 海(ひかわ かい)が身の回りの世話や勉強など色々してくれていた。 海は普段は優しくなんでもこなしてしまう完璧な執事。 しかし厳しいときは厳しくて怒らせるとすごく怖い。 海は執事としてずっと一緒にいると思っていたのにある日、私の中で何か特別な感情がある事に気付く。 しかし、愛を知らずに育ってきた私が愛と知るのは、まだ先の話。

身体検査

RIKUTO
BL
次世代優生保護法。この世界の日本は、最適な遺伝子を残し、日本民族の優秀さを維持するとの目的で、 選ばれた青少年たちの体を徹底的に検査する。厳正な検査だというが、異常なほどに性器と排泄器の検査をするのである。それに選ばれたとある少年の全記録。

膀胱を虐められる男の子の話

煬帝
BL
常におしがま膀胱プレイ 男に監禁されアブノーマルなプレイにどんどんハマっていってしまうノーマルゲイの男の子の話 膀胱責め.尿道責め.おしっこ我慢.調教.SM.拘束.お仕置き.主従.首輪.軟禁(監禁含む)

ドSな義兄ちゃんは、ドMな僕を調教する

天災
BL
 ドSな義兄ちゃんは僕を調教する。

穴奴隷調教ショー

たみしげ
BL
BLすけべ小説です。 穴奴隷調教済の捜査官が怪しい店で見世物になって陵辱される話です。

僕が玩具になった理由

Me-ya
BL
🈲R指定🈯 「俺のペットにしてやるよ」 眞司は僕を見下ろしながらそう言った。 🈲R指定🔞 ※この作品はフィクションです。 実在の人物、団体等とは一切関係ありません。 ※この小説は他の場所で書いていましたが、携帯が壊れてスマホに替えた時、小説を書いていた場所が分からなくなってしまいました😨 ので、ここで新しく書き直します…。 (他の場所でも、1カ所書いていますが…)

処理中です...