誰かこの暴君を殴ってくれ!

木樫

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閑話 都合のいいエイプリルフール

03※

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 折りたたまれながらもピンと張っていた足を震わせ、体内の熱をぐち…ぐち…と舐り絞り出す射精感に酔いしれる。

 俺と三初の間でトプン、と薄くなった精液を漏らしきって萎える肉茎。

 出し終わったくせにジャレているのか三初が俺の耳を甘噛みするので、肌の上でクチャ、とやらしい音が鳴った。


「……ン、……ぁぁ」


 ようやく体内から入っていたモノが引き抜かれ、持ち上げて押さえられていた足が離される。

 それを重力に任せて投げ出し、俺は横向きに転がってグタリと脱力した。

 胎児のようにシーツに沈みこむ。
 ポッカリと開いた秘部がきゅうと窄まるが、散々擦られて腫れぼったい粘膜と挿れられ慣れた中が熱を持ち、ズクズクと戦慄く。いつもの後遺症。

 中もアソコもドロドロだ。
 ローションやら汗やらなんやらでヌメッた体が気持ち悪い。

 けどま、やっと終わったぜ。
 一刻も早く風呂入りてぇ。つか眠ィ。ダルい……三初、シーツ替えろよ。

 未だぼんやりとした頭でテレパシーを送りつつ壁の柄を見つめていると、ガサガサ、と足元で三初が事後処理をする音が聞こえた。

 ……甘い恋人同士でもないのでピロートークなんて期待していないが、後輩に尻を貸す素敵な先輩様に声もかけないのは如何なものか。

 別に期待はしてないけれど、くだらない喧嘩ばかりとはいえセフレと言うには深い仲だと思うが。

 なんでそんな不満を抱くのかはわからないが、口に出す元気はないので心の中で異を唱えていると。


「ヨイ、ショと」

「あ……?」


 なぜか三初が、横向きに寝る俺の片足をグイッと持ち上げて、ぬるりと割れ目に新しいゴムを着けたご自慢のイチモツを擦りつけてきた。


「え? あ、なん、ん……?」

「終わりなんて言いましたっけ」

「はっ? ちょ、あっっ……!」


 そしてちょんと先端が触れたかと思うと、にゅぶ、と押し込まれる鋒。

 ついさっきまでたっぷりと咥えこんでいたアナルは、中もしっかり奥まで開いて無抵抗に柔らかい。


「んん……っ」


 だもんで、いきなり突っ込まれても痛みを感じることなく根元まで咥え込み、俺は不意に腹の中をミッチリと埋められる圧迫感にゾクゾクゾク……ッ! と震え上がった。あぁもう……ッ!

 くすぐったいような吐きそうなような漏れそうなような感覚だ。

 ヤッてたからこそ敏感で、絶対イヤなのに、三初は俺を無視してぬるぬると腰を揺すり犯し始める。


「嫌だ、もう寝かせ、っあ、あ」

「ん? イイ? まだ寝かせないで?」


 ──いちいち都合よくエイプリルフール利用すんじゃねぇよ!


「あ、寝る、違う、あ、あっ」


 そんな言葉はすぐに喘ぎ声でかき消され、俺の意見は総スルーだ。

 さっきとは違う角度での挿入。
 当然抉られる襞も違えば、カリ首がひっかく場所も違う。

 そうやって責められトロトロと混ぜられると──結局、抵抗ままならず好き勝手にされるのであった。


  ◇ ◇ ◇


 翌朝。


「ん……んあ……」

「おはようございます先輩」


 ゆるりとした微睡みの中目を覚ますと、視界いっぱいに広がるいけ好かないイケメン面から、呑気な挨拶が齎された。


「……なにがおはようございますだこの絶倫野郎っ!」


 途端、すぐに昨晩の暴挙が思い起こされ俺は上掛けの中でゲシッと下着一枚の三初の足を蹴りいれる。

 蹴られたくせに「うわ」となんの危機感もない声が腹立たしい。
 結局何回したか覚えていないくらい抱かれて、三十路近い体がギシギシ悲鳴をあげている。


「テメェなんか、大ッッ好きだッ!」


 ゲシッ! といい蹴りが入って、俺は昨日散々使われてついうっかりエイプリルフールを叫んだ。


「…………」


 フン、と怒り心頭睨みつけると、なぜかケリを入れた時より驚いて黙り込んでいた三初が、ややあって深いため息を吐く。あ? ンだよ。


「俺はアホでうるさくて目つきも口も悪いアンタが大嫌いですよ、間抜け」

「おぅし喧嘩売ってんのか」


 先輩に対してとんでもない罵倒をする三初に、中指をたてる俺。

 自分に必死な俺が──三初のエイプリルフールになんて、気がつくわけもない朝の一幕なのであった。


 閑話 了




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