誰かこの暴君を殴ってくれ!

木樫

文字の大きさ
上 下
122 / 454
第四話 後輩たちの言い分

58※

しおりを挟む


 シャツから手を離し咥えたモノを舐めながら、触られたら気持ちいいところへ手を滑らせ、自ら弄る。

 手は汗ばんだスウェットの下へ潜り込み、しっとりと火照った肌をなで、目的の場所へたどり着く。

 キュ、と摘むと目じりがヒクついた。
 潰しながらキツめに刺激するのが、こいつのやり方だったはず。


「あらら……乳首、大好きになっちゃいましたね」

「ん……ぅ、ん……ふ……」


 触られた記憶を思い出しつつ自分の乳首を両手で愛撫し始めた俺を、三初はわざわざ言葉にして嬲った。

 そのニヤケた美形顔から目を逸らしたいが、キツく前髪を掴み直されて、叶わない。チッ、見てンなよ。

 じっと目を合わせたまま口を好き勝手に使われるなんて、羞恥が込み上げてならなかった。もう熱は下がったはずなのに耳まで赤くなる俺は、ただ意味なく睨む。


「くくく。男のしゃぶりながら自分で胸触ってヨガってんの、それね、変態って言うんですって。わかります? 先輩のことね」

「ん、ふぃあ、う」

「はっ……でも気持ちいいんでしょ、喉塞がれるの」

「っ……ううふぇ、ゲホッ……ぅぐ、ン」

「緩い口だなぁ……零してますよ、みっともない。ちゃんと飲まないと。ね」

「ンぐ、うッ……」


 唇の端から飲みきれなかった透明な液体が、トロトロと顎を伝って襟ぐりを汚した。三初はそれを小馬鹿にしたように責めるので、丁寧に啜り、飲み下す。


「ンッ……ンッ……」

「そうそう、イイコ。上手だね、先輩。俺も気持ちいいですよ」


 人の気も知らずにククク、とせせら笑う声が、一番質が悪い。
 そんなこと言われたらなんというか、ムズムズと胸がざわついて、もっと褒めろと貪欲になっちまう。

 もっと上手くやって満足させればこいつは俺を多少なりとも好意的に見て、優しくするんじゃないか、なんて気分になるのだ。

 素直に甘えることができないので、不満を持って拗ねたように不機嫌を装っている。
 本当のところ俺は、すっかりこの行為に夢中になっていた。たいへんに不本意だが。


「ぁっ……ん、ふ……ぅ……」


 されて気持ちの良かった触り方。
 三初の指を真似て、胸の突起を爪で強く抉ること。それと同時に気道を不規則に塞がれるのが、気持ちいい。

 ゴクン、とすすった液体を飲み込んでから、舌を動かす。

 激しく口内を犯されながら胸を両方触ると、なんだか喉まで気持ちいいように感じた。
 それは錯覚だろうが、腰の根元が痺れて、俺は内ももを擦りあわせて刺激し、もどかしい快感を得ては耽る。

 しばらく懸命に奉仕を繰り返すと、口の中のモノが一際大きくなり、ビクビクと震える。


「はっ……、先輩、今飲めますよね」

「ン……? う…ん、ン……」

「あはは、だろうな」

「ッぐ、ゔッ、ぅ、ッ!?」


 一瞬なにを言われているのかわからず、返事とも取れない声を出す。

 するとニンマリと機嫌よく笑う猫は勝手に納得して俺の頭を両手で固定し、補助程度であった腰の動きを激しくした。

 わけもわからず揺さぶれる俺はただ喉を開いて歯を立てないようにするので精一杯。


「ン゛ッ……ッ!」


 それほど間を置かず喉奥に濃厚な粘液がドク、ドク、と吐き出され、口端からこぼれた唾液により顎がグッショリと濡れた。

 ゴク、ゴクン、と喉仏が上下する。

 尋常じゃなく眉間のシワを深めて青筋を立てながらジト目で睨む俺の目元を、冷たい親指が褒めるように擦る。

 よしわかった。受信しろ。
 これを反射的に飲み込んだのは完全に不意打ちで好きで飲んだわけじゃねぇって、俺ぁ声を大にしてテレパスしてんだからよ。




しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

アダルトショップでオナホになった俺

ミヒロ
BL
初めて同士の長年の交際をしていた彼氏と喧嘩別れした弘樹。 覚えてしまった快楽に負け、彼女へのプレゼントというていで、と自分を慰める為にアダルトショップに行ったものの。 バイブやローションの品定めしていた弘樹自身が客や後には店員にオナホになる話し。 ※表紙イラスト as-AIart- 様(素敵なイラストありがとうございます!)

塾の先生を舐めてはいけません(性的な意味で)

ベータヴィレッジ 現実沈殿村落
BL
個別指導塾で講師のアルバイトを始めたが、妙にスキンシップ多めで懐いてくる生徒がいた。 そしてやがてその生徒の行為はエスカレートし、ついに一線を超えてくる――。

身体検査

RIKUTO
BL
次世代優生保護法。この世界の日本は、最適な遺伝子を残し、日本民族の優秀さを維持するとの目的で、 選ばれた青少年たちの体を徹底的に検査する。厳正な検査だというが、異常なほどに性器と排泄器の検査をするのである。それに選ばれたとある少年の全記録。

少年ペット契約

眠りん
BL
※少年売買契約のスピンオフ作品です。 ↑上記作品を知らなくても読めます。  小山内文和は貧乏な家庭に育ち、教育上よろしくない環境にいながらも、幸せな生活を送っていた。  趣味は布団でゴロゴロする事。  ある日学校から帰ってくると、部屋はもぬけの殻、両親はいなくなっており、借金取りにやってきたヤクザの組員に人身売買で売られる事になってしまった。  文和を購入したのは堂島雪夜。四十二歳の優しい雰囲気のおじさんだ。  文和は雪夜の養子となり、学校に通ったり、本当の子供のように愛された。  文和同様人身売買で買われて、堂島の元で育ったアラサー家政婦の金井栞も、サバサバした性格だが、文和に親切だ。  三年程を堂島の家で、呑気に雪夜や栞とゴロゴロした生活を送っていたのだが、ある日雪夜が人身売買の罪で逮捕されてしまった。  文和はゴロゴロ生活を守る為、雪夜が出所するまでの間、ペットにしてくれる人を探す事にした。 ※前作と違い、エロは最初の頃少しだけで、あとはほぼないです。 ※前作がシリアスで暗かったので、今回は明るめでやってます。

変態村♂〜俺、やられます!〜

ゆきみまんじゅう
BL
地図から消えた村。 そこに肝試しに行った翔馬たち男3人。 暗闇から聞こえる不気味な足音、遠くから聞こえる笑い声。 必死に逃げる翔馬たちを救った村人に案内され、ある村へたどり着く。 その村は男しかおらず、翔馬たちが異変に気づく頃には、すでに囚われの身になってしまう。 果たして翔馬たちは、抱かれてしまう前に、村から脱出できるのだろうか?

体育教師に目を付けられ、理不尽な体罰を受ける女の子

恩知らずなわんこ
現代文学
入学したばかりの女の子が体育の先生から理不尽な体罰をされてしまうお話です。

【完結】ぎゅって抱っこして

かずえ
BL
幼児教育学科の短大に通う村瀬一太。訳あって普通の高校に通えなかったため、働いて貯めたお金で二年間だけでもと大学に入学してみたが、学費と生活費を稼ぎつつ学校に通うのは、考えていたよりも厳しい……。 でも、頼れる者は誰もいない。 自分で頑張らなきゃ。 本気なら何でもできるはず。 でも、ある日、金持ちの坊っちゃんと心の中で呼んでいた松島晃に苦手なピアノの課題で助けてもらってから、どうにも自分の心がコントロールできなくなって……。

いっぱい命じて〜無自覚SubはヤンキーDomに甘えたい〜

きよひ
BL
無愛想な高一Domヤンキー×Subの自覚がない高三サッカー部員 Normalの諏訪大輝は近頃、謎の体調不良に悩まされていた。 そんな折に出会った金髪の一年生、甘井呂翔。 初めて会った瞬間から甘井呂に惹かれるものがあった諏訪は、Domである彼がPlayする様子を覗き見てしまう。 甘井呂に優しく支配されるSubに自分を重ねて胸を熱くしたことに戸惑う諏訪だが……。 第二性に振り回されながらも、互いだけを求め合うようになる青春の物語。 ※現代ベースのDom/Subユニバースの世界観(独自解釈・オリジナル要素あり) ※不良の喧嘩描写、イジメ描写有り 初日は5話更新、翌日からは2話ずつ更新の予定です。

処理中です...