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第四話 後輩たちの言い分
53※
しおりを挟む「ははは。俺の許可なく泣いた、じゃねぇやちょーっとした快気祝いのイタズラですよ、先輩。ジョークジョーク」
「あ? ……嘘ッ、おま、っ」
「んで、なんでしたっけ。今から八坂のところ行くんでしたっけ。行ってもいいですよ? 俺もうしばらくゴロゴロしてるんで」
「ッそれは、っ……三初コンチクショウ……っわかってて聞いてる、だろ……ッ」
「さぁ?」
──なにがさぁ? だッ!
ここまで性感を煽られてその気にさせられたのに、どの世界の男が『ジョークかぁ良かった良かった。じゃあ行ってくるぜ!』なんて遊びに出ると思ってんだッ!
俺は耳まで真っ赤にして唸りながら、この意地悪なクソ野郎にどう強請ったものかと思案した。
しかしどうしようもないので、足の間に入れられている三初の膝に自分の内ももをスリ、と擦り付けて、返事をする。
「…………イキたい」
「キャースケベぇ」
「ンのッ、ん」
恥をしのんだ答えを茶化され噛みつこうとすると、三初は素早く俺の唇にキスを落として、ニンマリと身を起こした。
……それで誤魔化されると思ったら大間違いだからなッ!
湿った下着を指で引かれ、クチャ……、と粘着質な恥ずかしい音が聞こえる。
「性欲も回復かなぁ。すげぇね先輩、染みてますよ。恥ずかしいなぁ。聞こえるかもって思うの、気持ちよかった?」
「んなわけあるかッ、っふ」
「そ? 恥ずかしいの大好きでしたよね」
大嫌いの間違いだ。
なにをどうしてそうなったのか、認識を改めるまで殴りたい。
仰向けでベッドに上半身を寝かせたまま、俺は両足を開いて、下着を脱がされた。
足の間が剥き出しになるとそこが腫れて濡れそぼっているのがバレるので、どうも落ち着かない。
足を閉じようとすると内ももをつねられるため、身を焦がす気分で我慢している。
しかし直で屹立を掴まれ吐息がかかると、俺はハッとしてベッドに肘をついた。
ぁっ、っ……手じゃねぇのかっ、舐められんのなんか、断固拒否に決まってんだろ……!
カァァ、と顔が赤く染まり、必死になって腰を引いた。流石に好きなやつにシャワーも浴びてないものを舐められるのは、本気で嫌すぎる。
「そ、それやめろっ、嫌だ」
「ん? なんでですか。俺先輩より上手いでしょ?」
「いやちげぇよっ、俺昨日風呂入ってねぇ、し、めちゃくちゃ……あ、汗かいたし……っ」
「あーね。でもなんで急にそんなこと気にするんですか? 病人だったんだから当たり前でしょ。というか俺寝汗でヒィヒィ言ってる塊を抱いて寝たんで、今更そういうのどうでもいいですわ」
よかねぇよ! なんでそんなこと気にするって好きだからだろふざけんな!
先輩汗臭いわってなったら流石にキツイし、更に言えば加齢臭とかそういうのが急に気になってきた!
……とは言えないのだ。
当然、言えるわけがない。
握った肉棒を軽く振りつつ、三初はさりげなく鈴口を親指で軽く擦って、俺の欲望を追い詰め始める。ぐっ……んなことしてもいいよとはならねェぞコノヤロウ。
「んん……っ、あ……う、と、とにかく無理なんだよ……っ」
「はー? その程度で拒否とか、片腹痛いなぁ……人間なんだから新陳代謝とか普通ですよね? 常にパーフェクトじゃないと抱けないってメルヘン脳だったら、まずケツに突っ込まなくない?」
「ぅひぃ……っ」
なかなかの拒否しているというのに、クチュクチュと弄ぶ愚息へ、三初はふぅと息をふきかけた。やめろゾクゾクする。
俺が嫌がるほど三初はなぜか頑なにしたがる。この野郎、俺の言うことはいつだってなにも聞きやしねぇ。
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