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第四話 後輩たちの言い分
09※
しおりを挟む「っ……け、て……っ」
「くくく……んー?」
「た……っ助け、て、助けてぇ……っ、あっ、ぅ、たっ……っ助けてみはじめぇ……っ」
「ははっ」
「ヒッ…! ンッ……あ、ぁッ……!」
なりふり構わず、俺はついに極々小さな蚊の鳴くような声でだが、三初の名を呼び、助けを求めてシーツの上で呻いた。
助けてなんて有り得ない。
なのに惨めったらしい言葉で喘いだ俺に、三初は含み笑いを交えて容赦のない動きが一際巧みに動く。
ダメだ。悦すぎる。
プライドを捨ててすがりついたのにとどめを刺すような責め方をされ、俺はカッカと奥歯を鳴らして震え上がる。
「なん、嫌、いやだ、いやだいやだ、なんかなんかくる、なんか、ッあ、く、ぅッ、んッ! んんッ!」
心臓はバクバクと暴れていた。
火照った体には玉のような汗が浮き、肌を伝って熱気を産む。
ぐぽぐぽと抜き差しされながらむき出しの腫れた粘膜をひたすら撫でられる恐怖。
腹の中が熱くて必死に逃げようとしているのに逃げられないしくすぐったいしむず痒いし溢れそうで息もできなくてわけがわからなくて狂いそうで──たぶん俺、死ぬ。
(ぁ……や、べ……)
「ん゛────……ッ!」
そうしてせりあがってきたものがついに限界を迎え、脳の血管が引きちぎれそうになった時。
プシッ、と温かな液体が弾けたかと思うと、吹き上がった生ぬるい液体が、自分の体や顔、ベッドのシーツへ水鉄砲を撃たれたように降り注いだ。
後孔がキツく締まり、押さえ込まれた下肢が痙攣に合わせて揺れる。快感が脳内麻薬を精製し、夢心地の一瞬。
「はッ……! ヒッ……ッ……ッ……!」
「っく、ん」
絶頂に釣られて四肢の先端がギュゥ……ッ、と丸くなると同時に、それまで散々に追い立てていた怒張がようやく俺の中で達する。テメ、遅っせェ。
ゴム越しに感じる体液の迸りと、ドク、ドクと脈打つモノの息遣い。
キツくうねりながら縮こまり、ヒクッヒクッと不規則に蠢動する肉穴。
頭がぼやけて体は死に体と化しているのに、内側だけが過敏なのが不思議だった。
迸る淫液で汚れた体が泥のようにシーツへ沈みこむ。
飛沫を上げた自分の陰茎の先から、ピチャ、と雫が滴る。
「ん……は…ぁ……」
溶けた肉が膿むのではないかと真剣に思い泣き出しそうになっていた頭が、急激に冷え始め、ゆっくりと冷静を取り戻した。
淡い吐息を吐き出しながら、自分の頬を盛大に濡らした現象に検討をつける。
これは……おおよそ普通に生きてきて、体験することのないだろう行為だ。
「は~……中、動きエグすぎてやっべ……でもま、結構おもしろかったな」
全てを出し切った三初が、汗ばんだ額を鬱陶しがって前髪ごと乱雑にかきあげる。
ボスン、と抱えていた足を外側に投げられ、スプリングが軋んだ。
おかげで中が擦れて「ぅあ……っ」とか細く喘いでしまう。それもクソ野郎は特に気にかけてはいない。
ぼんやりと焦点の合っていない瞳で、俺は三初の挙動を見つめる。ほんと、最悪だ。
最悪すぎて、泣きたい気分だ。
呼吸のたびに浮き沈みを繰り返す腹筋の上でくったりと項垂れる肉棒を、三初は指先でツツ……となぞる。
「んっ……」
「中身溶けてなかったですね、残念。でも気持ちよかったでしょう? 潮吹き」
「ぅ、はっ……も、死ね、三初……」
──ほらみろ、やっぱり死んだ。
俺のプライド殺人事件だ。
グズ、と鼻を啜って、俺は紅潮し濡れそぼった顔をクシャクシャに歪めた。
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