誰かこの暴君を殴ってくれ!

木樫

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第四話 後輩たちの言い分

07※

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「ぃ嫌だ、はっ……! あ、ぁっ、ぁっ、あっ、あっ……!」


 こんな責め方をされたら本気で死ぬ。
 とめどなくゾクゾクと快感がざわつき、俺は目玉がこぼれ落ちそうなくらい目を見開いて小刻みな痙攣を繰り返し、ただひたすらに空気を求めて唇を開いた。

 まともに呼吸ができない。
 心臓が破裂して耳の奥から弾けそうだ。

 腹の中からズルズルとせりあがってくるようななにか。未知の感覚だ。けれど気持ちいい。気持ちよすぎる。よすぎるから怖い。
 気持ちいいのかもよくわからないが、そこは敏感すぎて反応せざるを得ない。


「ぁ、こんな、知らね、っ……ひっ……! ぃっ……あっ……!」


 顎を震わせてカチカチと歯を鳴らし始めた俺に、三初は動きを止めないまま、チュ、と抱えた足にキスをする。


「やっぱいーい、顔……っ。ね、先輩。もっとキツく腹に力入れて、この狭いとこギチギチにしてみてくださいよ」

「あっ嫌だ、嫌、なんか変、なんかくる、ダメ……っ、あ、んっ……っ、ダ、ダメだっ」

「ダメじゃないでしょ? いつも言ってることですって。嫌なら、俺を早くイかせて終わらせればいい。わかる? ふっ」

「早く、おわ、んっ、ん、っ」


 そういう言い方。つまるところ、俺はイカレそうな快楽から逃げるために、コイツをヨくしないといけない。

 チクショウ、どうでもいいから早く終わらせてくれ……!

 俺は今すぐこのゾクゾクと這い上がる妙な感覚から、逃れたい。
 その一心で度重なる交わりで三初の形に拡がった内壁を、ギュッと締めつける。


「んん、ん……っ」


 しかしキュウキュウと締めつけるほど一定のリズムで前立腺を叩くモノの凹凸をリアルに感じてしまい、身震いした。

 熱い肉孔と、熱い屹立。薄いゴムなんてないように、互いの体温で溶けて一つになったようだ。
 抽挿が繰り返されるたび、パチュッ、とヌメリ気のある音が聞こえる。

 早くイケ、早く終われ。
 そう願っているのに、三初に犯されるための穴になった気分が止まらない。襞を摩擦されるたびにゾゾゾ……ッと肉悦が戦慄く。


「ははっ、キッつい……イイね。よくできました」

「黙、ぁッ……! くッ…んッ……! んッ…ん……ッ!」


 命令に従えば褒めてやろうとばかりに、グリッグリッと抉られ、突き上げがいっそう激しくなった。

 それと同時にゆっくりと刺激され続けていた先端を、指の腹で強く擦られ、ビクンッ、と体の芯を電流が駆け巡る。


「あ、ぁッ! あ……っい、ぅ……っ」


 それは何度目かの絶頂だ。
 もう出すものがないソレは、パクパクと尿道口を切なく戦慄かせ、透明な粘液を僅かばかり吐き出した。

 一瞬で脳内が白飛びする。
 あぁもう、またイった。でももう無理だ、もうダメだ、もう死ぬ。


「はっ……はぁ……っは、ん…っぐ……」


 抱えられた足の先がキュゥ……っと縮こまり、全身の筋肉は引き攣って小刻みな痙攣を繰り返した。

 心臓がバクバクする。
 瞳孔がブレ、肺が大きく弾むたび呼吸を荒らげて舌を伸ばす。
 中の襞がグネグネと波打ち、捩じ込まれる雄を絡めとって不規則に締めつける。

 そうやって出すものがなくとも俺はもうどう見てもイッてるのに、三初はニヤリと口角を上げた。嫌な予感しかしねぇ。


「あ、嫌だ、もう……ひっ……も、もう出ねぇよ……イけねぇって……っ」

「なぁに言ってるんですか。先輩ははしたないから、なくてもイけるでしょ?」

「っぁあ……っむ、無理、ん、ンぅ……っ」

「というかむしろ、イったばっかだからできることもあるんです、よ」

「ぁ、あッ……!? ヒッ…うッ…うっ、っ」


 絶頂が止まないまま、内部を犯すテンポが早まり、目の奥がピクッと震え上がった。
 三初は俺の休息を許さない。際限なく官能の沼に沈みこませる。




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