誰かこの暴君を殴ってくれ!

木樫

文字の大きさ
上 下
24 / 454
第二話 先輩ワンコの沽券

08※

しおりを挟む


 視線はスマホのAVを眺めながらやわやわと陰嚢を揉み込み、無理矢理気分のスイッチを入れようとする。

 気分が乗らないと、うまくやらない限り触ってすぐ勃ったりしない。あまり時間をかけていられないのに男の体は面倒だ。

 そう思うと、三初は俺の弱いところを見極めるのが上手かった。

 残業中に男の後輩に迫られて初貫通で感じさせる程度にはバケモノだった。アイツもうそういう妖怪なんじゃねぇの?


「……ん、……は」


 思考の寄り道をするほどものぐさがっていても、あられもないナース服の女の痴態を見つめると、多少ムラムラする。

 多少ムラムラするとあとは簡単。
 何度か根本から先までを擦ったり、鈴口を指先であやすと、単純な俺はいつも通り問題なくその気になってきた。まだ若いつもりだし生理現象だ。

 昨日は馬鹿みたいに濃かったけど一回しか出してねぇし……つーかあれ、そうだよな。一回だよな。一回ならハマるわけねぇよな。

 たった一回。
 一回くらいなら、どうともない。


「……でもあんなん……はっ……何度もされたら、流石に……頭かこれか、バグっちまう……かも……な」


 チュク、チュクと自分の先走りで濡れそぼってきた勃起を擦りながら、青い顔してフーっと息を吐いた。

 後輩の男に扱かれて勃起するチョロい俺のち‪‪✕‬こはアホだ。
 そうならないとも限らない。情けない限りである。

 しかもアイツ、初めて男に抱かれた俺を気遣うでなくむしろなんかふざけたことを抜かして調教し始めやがったからな。

 二度とはないが、身体が馬鹿になっているかもしれないと思うくらいには、あれは強烈な体験だった。


「……はぁ、……ふ…ぅ……」


 完全に芯を持ち勃起したモノを、大振りな手つきで愛撫する。
 呼吸が乱れてきたので、声を出さないように気を配った。

 こんな場所だ。いつ誰が来るかわからねぇ。楽しんでる状況じゃないし、とにかくイクことだけを考えて無心で扱く。

 うん、全然大丈夫そうだな。
 だってこんなに気持ちいい。心配無用。


「ん……ッ」


 クリクリと先端を弄っていた親指が止めどなく溢れだす淫液で滑り、予想外の刺激にビクンッと腰が跳ねた。

 便座がギシリと軋んだが、大丈夫、入る時は誰もいなかった。大丈夫だ。止めなくていい、このまま感じていてもいい。

 スマホの画面に映る動画のシーンが架橋に入るのに合わせて、自分の屹立を扱く手を、激しく上下にスライドさせる。


「は……は……っく、…ぅ……っ」


 クチャクチャと粘液が手のひらと肉棒の間で擦れて粘着くのを感じながらなおも扱きあげ、呼吸を詰めた途端──ビュク、トプッと僅かな白濁液が吐き出された。

 直後に大きな快感の波が襲う。
 手の中に多量の精を放った俺は、問題なく、全身を満ちる絶頂感に浸った。


「っ……は……はっ……、んぐ……はー……」


 しばらく乱れた呼吸を晒し脱力する。
 時間にすると数分の休息でも、頭の中がクリアな気分だ。誰しもそうなる。

 壁にもたれかかるとゴン、と頭がぶつかったが、気にすることなくそのまま壁の冷たさを頬で受け止めた。

 余裕じゃねぇか。
 全然、イケた。

 あんな、中のしこりを乱暴に抉られて感じて喉奥から嬌声を押し出されてしまうほど酷い、内部由来の快感じゃない。

 外側から陰茎を擦る、馴染み深い快感。
 直接的で手っ取り早い。これぞいつもの自慰行為。




しおりを挟む
感想 137

あなたにおすすめの小説

騙されて快楽地獄

てけてとん
BL
友人におすすめされたマッサージ店で快楽地獄に落とされる話です。長すぎたので2話に分けています。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

吊るされた少年は惨めな絶頂を繰り返す

五月雨時雨
BL
ブログに掲載した短編です。

イケメン彼氏は年上消防士!鍛え上げられた体は、夜の体力まで別物!?

すずなり。
恋愛
私が働く食堂にやってくる消防士さんたち。 翔馬「俺、チャーハン。」 宏斗「俺もー。」 航平「俺、から揚げつけてー。」 優弥「俺はスープ付き。」 みんなガタイがよく、男前。 ひなた「はーいっ。ちょっと待ってくださいねーっ。」 慌ただしい昼時を過ぎると、私の仕事は終わる。 終わった後、私は行かなきゃいけないところがある。 ひなた「すみませーん、子供のお迎えにきましたー。」 保育園に迎えに行かなきゃいけない子、『太陽』。 私は子供と一緒に・・・暮らしてる。 ーーーーーーーーーーーーーーーー 翔馬「おいおい嘘だろ?」 宏斗「子供・・・いたんだ・・。」 航平「いくつん時の子だよ・・・・。」 優弥「マジか・・・。」 消防署で開かれたお祭りに連れて行った太陽。 太陽の存在を知った一人の消防士さんが・・・私に言った。 「俺は太陽がいてもいい。・・・太陽の『パパ』になる。」 「俺はひなたが好きだ。・・・絶対振り向かせるから覚悟しとけよ?」 ※お話に出てくる内容は、全て想像の世界です。現実世界とは何ら関係ありません。 ※感想やコメントは受け付けることができません。 メンタルが薄氷なもので・・・すみません。 言葉も足りませんが読んでいただけたら幸いです。 楽しんでいただけたら嬉しく思います。

久々に幼なじみの家に遊びに行ったら、寝ている間に…

しゅうじつ
BL
俺の隣の家に住んでいる有沢は幼なじみだ。 高校に入ってからは、学校で話したり遊んだりするくらいの仲だったが、今日数人の友達と彼の家に遊びに行くことになった。 数年ぶりの幼なじみの家を懐かしんでいる中、いつの間にか友人たちは帰っており、幼なじみと2人きりに。 そこで俺は彼の部屋であるものを見つけてしまい、部屋に来た有沢に咄嗟に寝たフリをするが…

鬼上司と秘密の同居

なの
BL
恋人に裏切られ弱っていた会社員の小沢 海斗(おざわ かいと)25歳 幼馴染の悠人に助けられ馴染みのBARへ… そのまま酔い潰れて目が覚めたら鬼上司と呼ばれている浅井 透(あさい とおる)32歳の部屋にいた… いったい?…どうして?…こうなった? 「お前は俺のそばに居ろ。黙って愛されてればいい」 スパダリ、イケメン鬼上司×裏切られた傷心海斗は幸せを掴むことができるのか… 性描写には※を付けております。

イケメン社長と私が結婚!?初めての『気持ちイイ』を体に教え込まれる!?

すずなり。
恋愛
ある日、彼氏が自分の住んでるアパートを引き払い、勝手に『同棲』を求めてきた。 「お前が働いてるんだから俺は家にいる。」 家事をするわけでもなく、食費をくれるわけでもなく・・・デートもしない。 「私は母親じゃない・・・!」 そう言って家を飛び出した。 夜遅く、何も持たず、靴も履かず・・・一人で泣きながら歩いてるとこを保護してくれた一人の人。 「何があった?送ってく。」 それはいつも仕事場のカフェに来てくれる常連さんだった。 「俺と・・・結婚してほしい。」 「!?」 突然の結婚の申し込み。彼のことは何も知らなかったけど・・・惹かれるのに時間はかからない。 かっこよくて・・優しくて・・・紳士な彼は私を心から愛してくれる。 そんな彼に、私は想いを返したい。 「俺に・・・全てを見せて。」 苦手意識の強かった『営み』。 彼の手によって私の感じ方が変わっていく・・・。 「いあぁぁぁっ・・!!」 「感じやすいんだな・・・。」 ※お話は全て想像の世界のものです。現実世界とはなんら関係ありません。 ※お話の中に出てくる病気、治療法などは想像のものとしてご覧ください。 ※誤字脱字、表現不足は重々承知しております。日々精進してまいりますので温かく見ていただけると嬉しいです。 ※コメントや感想は受け付けることができません。メンタルが薄氷なもので・・すみません。 それではお楽しみください。すずなり。

壁乳

リリーブルー
BL
俺は後輩に「壁乳」に行こうと誘われた。 (作者の挿絵付きです。)

処理中です...