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第七話 男たちのヒ・ミ・ツ

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 ジーンズと下着をももにひっかけたままバスタブに沈んでいた九蔵は、思わずチャポンと腰を浮かせる。

 引き絞ってもすぐに拡がるのだ。
 食い締めている感じがしないので、筒だろう。簡単に言うとちくわのような。

 見えないので体感に過ぎないものの、確かに変形を感じた。
 人の身体の中でジュルジュルグネグネと、勝手な動きを始めている。


「これ、なん……っ? んぅ、あっ」

「こう見えて、かなーり、かなり、マジで、気ぃ狂いそうなほど、限界なんでね」

「っぐ……っ」

「早く、入りたい」


 困惑する九蔵に、ニューイは指先ひとつでベルトとホックを外しながら体を起こし、九蔵の両足をグッと折りたたんだ。


「はっ……! ぁ、気持ち悪い、動くのやめ、っ……ニューイ、っ……」

「スキンとローションの代替にイイだろ? このカタチ」

「も、まぁたチート能力ですかぁ……っ」

「ククッ、ちゃんと慣らしたって。そんで動かしてるだけでただの湯だから、安全なのだよ。ホントならコレで中から思いっきり拡げりゃ、いきなり突っ込んでも全然イケるレベルの代物なんだぜ?」

「えぇぇ……っ?」


 ニューイは「俺は紳士な王子様」とキザなウインクをしつつ喉を鳴らす。

 確かにもう十分だ。ほぼ一ヶ月ぶりで筋力を増したのに、指で慣らされるよりずいぶん早く解されている。

 わかっていても方法が気になるというか悪魔系というかなんというか。

 グッとカットソーの裾をひっくり返すようにたくし上げられ、その裾を襟首に通して引っ掛けられた。

 おかげでそそり勃つ肉棒、揉みしだかれた下腹部から散々弄られた胸元まで、全てが剥き出しになる。

 見ないでくれと言ったのに、結局全部さらけ出させるらしい。


「わはっ、これ、恥ずかしい……から、早く挿れてくれませんかねぇ……」

「フッ……エーロ」


 悪い男だと呆れて笑ってしまったが、これ以上文句は言えなかった。

 ニューイは頬に汗を伝わせ、口角をヒクつかせながらもニヤリと笑い、九蔵の足を尻が持ち上がるほど折りたたんだ。

 太腿の間に久しぶりで前より逞しく感じるモノが、ピトリと宛てがわれる。


「……ン……」


 赤く捲れた粘膜が、期待で痒い。
 熱く、溶けそうにヒクついている。

 早く、早く、と急かすように先端にまとわりついているのが自分でわかる。

 奥まで根深く挿れてほしい。
 ドロッドロにぬかるんだ肉がヒクヒクと疼いて襞をうねらせ待ちわびているのだ。

 九蔵の呼吸に合わせて入り口が拡がってはすぼまり、そのヒクつきでニューイの先端を呑み込もうとねばりを帯びる秘部が吸いつき、熱く滾った肉棒を身の中へと誘う。

 お願い、早く挿れて、と。


「っ、ん、ぁあ……っ」


 そう堪えきれず九蔵が催促しようとした途端、ぐぷッ、と滾った杭が声もかけずに深々と突き刺された。

 背筋がグンと仰け反る。
 チカ、チカ、と星が瞬き、意識がほんのわずか、遠のく。


「はっ……」

「あ゛……っ、ぅ…あ……」


 まさか慎重なニューイに一息で貫かれるとは思わず、ゆっくりと呑み込む気でいた九蔵は虚をつかれた。
 こんなに狭かっただろうか? いや、こんなに長いものだったか?


「キツい、けど、平気だろ?」

「っ……? っ……へ……」

「裂けちゃいない」

「んひ……っ」


 的外れな思考をしながら声もなくプルプルと震える九蔵の目を覗き込み、ニューイは軽く腰を揺すった。

 グチ、グチ、と結合部がねばつく感覚。
 体勢のせいで、胎内で動かれると腹の突き当たりがゴリュ、と抉れる。


「もう触るし、動く」

「ひ……あ、っ……!」


 九蔵の感覚がリアルにフィットするまで待つ余裕のないニューイが、短い言葉をかけて律動を始めた。


「ニュ、イ……っ」

「はぁ……やっと、捕まえた」

「あ、ッ……んッ……んッ……」

「もう嫌がらないでおくれ……反動が凄いのだよ……オマエに、キミに、触れねぇのはおもしろくない……胎内回帰願望なんて、俺は持ちたかねぇんだぜ? なぁ……」


 満足げなため息とともに、九蔵の腰を両手で掴み身動きを封じて犯す。

 呆れ混じりのため息だ。
 短く、強く、早い。小刻みすぎて、突くというより押しつけるような腰使い。

 結合部がぬちぬちと粘つき、襞が自分を犯す雄にしがみついてギュゥゥゥ……ッ、と収縮する。




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