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十四皿目 おいでませ精霊王
58※
しおりを挟むどんな体位ややり方でも感じるように、開発されている。
だけどその中で好みの角度も、テンポも、自分の体の味を感じられると興奮する性質も、すっかり把握されていた。
わかってはいたが本人の口から説明されると、俺は羞恥で焼け焦げてしまいそうな熱に炙られるのだ。
「ひっ、ンぁ……っ」
居心地悪く身じろぐと、アゼルは逃がさないとばかりに強く突き上げた。
受け入れることに慣れた体は、無意識にでも奥へ奥へと誘い込むようにうねる。
熱く柔らかく包み込む内壁から快感を得て、背筋がビクン、としなった。
「あっ、あう、あ、ひぁ」
「シャル、きもちぃか? 俺、じょうずか? 俺が一番だろ……? しゃる、なぁ、いい匂い、しゃる……」
「ぁう……っん、あ……イイ、そこ……っ、ん、うん、アゼルが、一番だ、っ……」
「はっ……う、うれしい、シャル好き、かわいい、だいすきだぜ。よかった、ふへへ、俺もだいすきだ……っ」
「ひぁっ……あ、そんな、したら……っイ、く……っ」
ズチュッ、と粘着質な音と共に一際強く中を穿たれ、限界が近い屹立が熱く脈打つ。
思うがままを口に出すアゼルは、ひたすらに「好き」「かわいい」「嬉しい」を舌っ足らずに伝え、俺の名前を呼んで甘える。
喉を鳴らして首筋や胸に吸い付くたび、肌が赤く色づいた。
全身に散らされる所有印。
迂闊に告白をされた俺を素面のアゼルが咎め、俺のものだろ、と子犬の裏から叱っているようだ。
快楽の波にさらわれたまま、体内を犯される強い刺激に、頭を振って身悶える。
粘膜同士が擦れるグチュ、と言う水音や肌同士がぶつかる破裂音。
耳朶を舐る淫猥な音と混ざる自分の嬌声が、香りと共に五感を犯し──もう耐えられない。
「シャル、おれえらいから、もっと褒めて……俺は、お前のためになんでも、できる」
「ンッ、あっ…ひっ……!」
嬉しげに俺への献身を主張するアゼルが、埋め込まれていた怒張をギリギリまで引き抜き、奥深くまで一息に貫いた。
不意を突いた激しい突き上げに、ギュウ、とキツく襞が収縮する。
足先を猫脚のように丸めて、筋肉を大きくしならせた。限界だ。
「イク、イ、っあぁぁ……っ!」
一瞬の閃光の後、意識が戻ると共に、ドロ……、と自分の腹を汚す白濁液を感じた。
弛緩する肢体とは裏腹にドクドクと精液を吐き出す自身が、絶頂をありありと物語る。
けれど余韻に浸る間もなく、熱が引く前に再び再開される抽挿が、官能を掻き立てた。
「んぁ、あ、ぁ」
「んん~、ん~ふふ」
──うん。明日は、襟まできっちり閉まるシャツを着よう。
俺に褒めてもらう為にと頑張るアゼルに、ネクストラウンドを追加されながら、内心でぼやく。
そっと明日の服装を、禁欲的なガードに振ると決めた俺だった。
毎度これでは俺の身が持たないので、やっぱりアゼルにお酒は厳禁だな。
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