789 / 901
十四皿目 おいでませ精霊王
56※
しおりを挟む「お前が一番俺を愛していること、俺が一番お前を愛していること、とっくにご存知だからな」
「っ、ぁうぅ……ほ、ほんと、か?」
「ほんとにほんとだ。……酔っていても、ちゃんと覚えているんだぞ? お前以外にこんなこと、許すわけない」
少しドヤ顔でにんまりと笑って見せ、極めつけに内壁を蠢かせ、キツく締め付けてやった。
そうするとアゼルは、姿を戻しても狼の耳が見えそうな程わかりやすく破顔する。
嬉しげににへら~とした笑顔を返し、感極まったように俺の足を抱えて、ぎゅーっと抱きついた。
「シャル、かわい~……ん」
「っん……ぁ、う……」
触れるだけじゃ足りないとばかりに、荒々しいキスに唇を奪われる。
かわいいのはお前だろうに、と言い返す間もなく、入り込んできた舌が口内をくまなく味わった。
呼吸がままならず、鼻から抜ける吐息が熱を持つ。
腕を回せないのがもどかしい。
したがりの性が疼いて、抱きしめたくてたまらなくなってくるのだ。
けれど言葉は独占欲の強い子犬に食い尽くされて、伝えられない。
ゆっくりと再開される律動が、背筋を粟立てる。腰の痺れが瘙痒感をもたらすのだ。
「はっ……っう、ンん……ん……」
焦れた俺が足を回して抱き寄せても、アゼルはちっとも気がつかない。
終始にへにへぐるぐると唸り、俺の背骨や乳首を指先で捏ねて、舌を絡め、離さなかった。
スローな突き上げが、意識を無理矢理敏感な襞へ集める。
相変らず、人型でも喉元まで押し上げられるような長大な怒張だ。
いつも口から出るんじゃないかとか、腹が突き破られるんじゃないかだとか、密かに思っていた。
なのに二、三倍はありそうな凶器を挿れるなんて、串刺しになってしまう。
そう思うと、改めてほっとした。
「あ…は……っ」
「うぅー……」
ふっと息を吐くと、ようやくくアゼルの舌が俺の口内から引き抜かれる。
肉厚の舌はそのまま火照った首筋を舐め上げ、唾液の糸が顎を伝って溢れた。
「シャル、俺のこと、好きか? いっぱい、好きか?」
「ふ……っ好き、だ、いっぱい好きだぞ……? ん、あ……あっ……」
「ふふん、ふふふん。シャル、じゃあ、な? 俺に、してくれよう……?」
「ん、ん……っ?」
くぅん、と鼻を鳴らす。
爪の先でキツく潰された乳頭の僅かな痛みと、じんわりと広がる快感に、背筋が丸くしなった。
浅い箇所をかき回し、中のしこりを狙って引っ掛け、煽ってくる。
言っていることは甘えたなオネダリなのに、やっていることが意地悪だ。
「そしたら、もっとがんばる。いっぱい、うぅ~……こくはく、おれにして……? いいだろぅ、だいすきだもん……」
「ひぅ、あ……っ」
互いの体の間でドク、と質量を増した肉茎の先端から、蜜が零れる。
汗や淫液でグチャグチャとぬかるんだ腹筋を更に濡らし、筋肉の凹凸をなぞった。
もう少し強く肉穴の奥を突いてくれればイけるのに、それをしてくれない。
35
お気に入りに追加
2,689
あなたにおすすめの小説


いっぱい命じて〜無自覚SubはヤンキーDomに甘えたい〜
きよひ
BL
無愛想な高一Domヤンキー×Subの自覚がない高三サッカー部員
Normalの諏訪大輝は近頃、謎の体調不良に悩まされていた。
そんな折に出会った金髪の一年生、甘井呂翔。
初めて会った瞬間から甘井呂に惹かれるものがあった諏訪は、Domである彼がPlayする様子を覗き見てしまう。
甘井呂に優しく支配されるSubに自分を重ねて胸を熱くしたことに戸惑う諏訪だが……。
第二性に振り回されながらも、互いだけを求め合うようになる青春の物語。
※現代ベースのDom/Subユニバースの世界観(独自解釈・オリジナル要素あり)
※不良の喧嘩描写、イジメ描写有り
初日は5話更新、翌日からは2話ずつ更新の予定です。


鬼上司と秘密の同居
なの
BL
恋人に裏切られ弱っていた会社員の小沢 海斗(おざわ かいと)25歳
幼馴染の悠人に助けられ馴染みのBARへ…
そのまま酔い潰れて目が覚めたら鬼上司と呼ばれている浅井 透(あさい とおる)32歳の部屋にいた…
いったい?…どうして?…こうなった?
「お前は俺のそばに居ろ。黙って愛されてればいい」
スパダリ、イケメン鬼上司×裏切られた傷心海斗は幸せを掴むことができるのか…
性描写には※を付けております。



飼われる側って案外良いらしい。
なつ
BL
20XX年。人間と人外は共存することとなった。そう、僕は朝のニュースで見て知った。
なんでも、向こうが地球の平和と引き換えに、僕達の中から選んで1匹につき1人、人間を飼うとかいう巫山戯た法を提案したようだけれど。
「まあ何も変わらない、はず…」
ちょっと視界に映る生き物の種類が増えるだけ。そう思ってた。
ほんとに。ほんとうに。
紫ヶ崎 那津(しがさき なつ)(22)
ブラック企業で働く最下層の男。悪くない顔立ちをしているが、不摂生で見る影もない。
変化を嫌い、現状維持を好む。
タルア=ミース(347)
職業不詳の人外、Swis(スウィズ)。お金持ち。
最初は可愛いペットとしか見ていなかったものの…?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる