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十三皿目 ラブリーキングに清き一票
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しおりを挟むグウェンちゃんがアゼルはとても綺麗になっていたと言っていたし、心配である。
ゼオは無事だったが、アゼルとキャットはさり気ないお触りをされているおそれがあるだろう。
うん。しっかり見守らねば。
どさくさ紛れて不埒な目で見られたり、服をはだけさせられたり、とか。
さりげなくボディタッチをされたりといったセクハラが起こらないように、俺が目を光らせておくからな。
心の中でドンと胸を張る。
俺はそんなことをされた経験がないが、旦那さんが邪な目で見られるのはよくない。
オカ魔たちも魔法が使えず、弱体化してる筈だ。
人の身でもなにかあればしっかり守るので、安心してアゼルが密かな趣味を楽しんでくれると嬉しいぞ。
「さて、行くか」
意気込みながらガチャ、と扉を開いて中に入ると、会場内はラストステージに熱狂していた。
観客たちが一心に舞台の上を見つめ、野次や歓声を上げている。かなり野太い。
ステージでは競技によって上位五チームまで絞られた参加者たちが、優勝目指して最後の個別アピールを行っているようだ。
五位から順に自己紹介し、モデルショーのように中央の花道を歩く。
そして観客のど真ん中で決めポーズや決め台詞で、魅力をアピールする。
舞台の近くは人が多すぎて近づけず、俺は花道の終わり辺りにひっそりと待機することにした。
張り込みみたいだ。楽しい。
こちらシャル。所定の位置についた。指示を頼む。……なんてな?
内心浮かれながら、アゼルたちの姿を探す。
遠くてよく見えないが、アゼルたちは一番端にいた。
なんと、チーム戦は一位なのか。
花道を歩くランキング上位の人たちは、みんながそれぞれ整った顔立ちをしている。
ガッチリな美筋肉をしていたり、花も恥じらう美少年だったり、タイプは違えど綺麗でかわいい。
その中でアゼルたちが一位なのは、観客たちに俺の好きな人たちが認められているようで、とても嬉しい。
『さぁさぁ! トップファイブグループによる起死回生個人アピールタイムは、大いに盛り上がっております! 暫定二位のチーム益荒男ピーチの皆様、お一人ずつ順番にアピールをどうぞ!』
実況改め司会に促され、次に進み出てきたのは二位のチームの一員だ。
益荒男ピーチ。
チーム名のパンチが効きすぎている。忘れない名前だぞ。
「はぁ~いっ! あたしアメリア! 趣味は自分よりガタイのいい男を組み敷くこと、特技は睡眠姦での前立腺調教っ! 羽ありにゃんこな夢魔のアルプ魔族よん! 猫耳美少女だからって舐めていたら、ブチ犯すニャぁン?」
「「「ウオオオオオオオッ!!」」」
一番手の子は明るい裏声でウィンクをしながらポーズを取り、花道をぴょこぴょこ可愛らしく歩いてきた。
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